1957年にイギリス・アメリカ合作で制作された『戦場にかける橋』(原題:The Bridge on the River Kwai)は、第二次世界大戦下のビルマを舞台とし、泰緬鉄道の鉄道橋の建設を強いられた英軍捕虜たちと日本人大佐の対立と交流を描いた戦争ドラマ映画です。原作はピエール・ブールの同名小説で、監督はデヴィッド・リーンが務めました。
第30回アカデミー賞では8部門にノミネートされ、作品賞や監督賞、主演男優賞など7部門を受賞しました。
『戦場にかける橋』の挿入曲
『戦場にかける橋』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)
ニコルソン大佐が率いるイギリス軍捕虜一隊が収容所に行進して入って来る(口笛で吹く行進曲)
邦題『クワイ河マーチ』
リリース | 1957年:Soundtrack『戦場にかける橋』 |
作曲者 | マルコム・アーノルド(Malcolm Arnold, 1921-2006) イギリスの作曲家。9つの交響曲や百本以上の映画のスコアなど様々なジャンルの音楽を作曲したイギリス近代を代表する作曲家のひとり。映画『戦場にかける橋』(1957) でアカデミー作曲賞を受賞した。 |
『The River Kwai March』は、1957年の英米合作映画『戦場にかける橋』(原題:The Bridge on The River Kwai)のテーマ曲です。イギリスの作曲家ケネス・アルフォード(Kenneth Alford, 1881-1945)が1914年に作曲した行進曲『ボギー大佐』(原題:Colonel Bogey March)をアレンジしたものです。
この後「イギリス軍捕虜一隊が橋を渡り収容所を行進して出て行く(口笛で吹く行進曲)」でもこの曲が使われています。
ニコルソン大佐が “オーブン” に入れられるのを見たイギリス軍捕虜達が声を揃えて歌う
邦題『彼はいいやつだ』
『For He’s a Jolly Good Fellow』は、誕生日・結婚記念日などの記念日や、結婚式・昇進・退職などの人生の節目に対象者を祝福する目的で歌われる定番の曲です。
スポーツイベントでの勝利や、学術・ビジネスでの成功を手にした際にも歌われます。
フランス民謡『マルブルーは戦争に行く』を原曲とするフランス発祥の曲ですが、19世紀半ば頃からイギリスの人々に特に愛され、社交の集まりでよく歌われていたそうです。
イギリス軍捕虜たちの「橋の完成を祝う宴」(舞台で二人の英兵が手を握り体を寄せ合って歌う)
邦題『此の世に貴方が一人なら』
作曲者 | ナット・エイヤー(Nat Ayer) イギリスで活躍したアメリカの作曲家/歌手。 |
クリフォード・グレイ(Clifford Grey, 1887-1941) イギリスのソングライター/台本作家/脚本家。第一次世界大戦から第二次世界大戦までの期間、ウェストエンドとブロードウェイのショーのために多くの作品を作ったことで知られる。 |
『If You Were the Only Girl in the World』は、1916年にロンドンで開幕したミュージカル『The Bing Boys Are Here』のショーチューンです。エデンの園で二人きりで暮らせたらどんなにか素晴らしいだろう・・・・といった永遠の愛を求める気持ちが綴られています。
ロンドンを舞台に二人の田舎少年の冒険を描いたこのミュージカルは絶大な人気を博し、出演者や演出上の変更を伴いながら第一次世界大戦の終結まで上演されました。戦争に疲れた大衆に現実逃避の娯楽を提供したことがヒットの理由だと言われています。
イギリス軍捕虜たちの「橋の完成を祝う宴」(ニコルソン大佐の挨拶後、全兵が起立して歌う)
(シアーズとジョイスらが橋脚に辿り着き、爆弾の仕掛けに取り組むシーン)
邦題『国王陛下万歳』
『God Save the King』は、イギリスにおいて一般に国歌として広く認知されている(法律では制定されていない)王を称える歌です。邦題『神よ王を守り給え』『国王陛下万歳』として知られています。
イギリス軍捕虜一隊が橋を渡り、収容所を行進して出て行く(口笛で吹く行進曲)
邦題『クワイ河マーチ~ボギー大佐』
リリース | 1957年:Soundtrack『戦場にかける橋』 |
作曲者 | マルコム・アーノルド(Malcolm Arnold, 1921-2006) イギリスの作曲家。9つの交響曲や百本以上の映画のスコアなど様々なジャンルの音楽を作曲したイギリス近代を代表する作曲家の一人。映画『戦場にかける橋』(1957) でアカデミー作曲賞を受賞した。 |
「ニコルソン大佐が率いるイギリス軍捕虜一隊が収容所に行進して入って来る(口笛で吹く行進曲)」でもこの曲が使われていました。
『戦場にかける橋』のサントラ
『戦場にかける橋』はマルコム・アーノルド(Malcolm Arnold)が音楽を担当しました。
マルコム・アーノルドは、イギリスの作曲家/トランペッターです。9つの交響曲や百本以上の映画のスコアなど様々なジャンルの音楽を作曲したイギリス近代を代表する作曲家のひとりとして知られ、本作 でアカデミー作曲賞を受賞しました。
※サントラ収録曲
1. 序曲(Overture)
2. ボギー大佐マーチ(The River Kwai March / Colonel Bogey)
3. シアーズ脱走す(Shear’s Escape)
4. ニコルソンの勝利(Nicholson’s Victory )
5. 日没(Sunset)
6. 橋をかける(Working On The Bridge)
7. 橋への歩み(Trek To The Bridge)
8. キャンプ・コンサート・ダンス(Camp Concert Dance)
9. フィナーレ(Finale)

『戦場にかける橋』キャスト・スタッフ
監督 | デヴィッド・リーン(David Lean) |
脚本 | カール・フォアマン(Carl Foreman) |
マイケル・ウィルソン(Michael Wilson) | |
原作 | ピエール・ブール(Pierre Boulle) |
製作 | サム・スピーゲル(Sam Spiegel) |
音楽 | マルコム・アーノルド(Malcolm Arnold) |
配給 | コロムビア映画 |
公開 | 1957年10月2日 |
1957年12月22日 | |
上映時間 | 161分 |
シアーズ中佐:ウィリアム・ホールデン(William Holden)
ニコルソン大佐:アレック・ギネス(Alec Guinness)
ウォーデン少佐:ジャック・ホーキンス(Jack Hawkins)
軍医クリプトン:ジェームズ・ドナルド(James Donald)
グリーン大佐:アンドレ・モレル(André Morell)
ジョイス:ジェフリー・ホーン(Geoffrey Horne)
斉藤大佐:早川雪洲(Sessue Hayakawa)
リーヴス大尉:ピーター・ウィリアムズ(Peter Williams)
ヒューズ少佐:ジョン・ボクサー(John Boxer)
グローガン:パーシー・ハーバート(Percy Herbert)
ベイカー:ハロルド・グッドウィン(Harold Goodwin)
兼松大尉:ヘンリー大川(Heihachiro Okawa)
三浦中尉:勝本圭一郎(Keiichiro Katsumoto)
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