1968年に制作された映画『2001年宇宙の旅』(原題:2001: A Space Odyssey)は、スタンリー・キューブリック監督による叙情詩的SF映画です。後世に多大な影響を与えたSF映画の金字塔として知られています。
第41回アカデミー賞では4部門(監督賞・脚本賞・美術賞・特殊効果賞)にノミネートされ、特殊効果賞を受賞しました。
- 『2001年宇宙の旅』の挿入曲
- 【映画冒頭】(真っ暗な画面)
- オープニング・クレジット
- 猿人がモノリスを発見する
- 猿人が骨を道具にする
- 宇宙を漂う衛星が映し出され、オリオン3型宇宙機が宇宙ステーションに到着する
- フロイド博士がアリエス1B型月シャトルでクラビウス基地(月)に向かう
- フロイド博士の一行がロケットバスでTMA-1発掘現場へ向かう
- TMA-1発掘現場に到着したフロイド博士の一行がモノリスに触れる
- 木星探査計画(18ヶ月後) – ディスカバリー号の中で流れる曲
- フランクの両親から送信される映像(二人が歌う曲)
- 【INTERMISSION】
- ハルがデイブに歌って聴かせる曲
- 「木星と無限のかなた」
- ボーマン船長を乗せたスペースポッドがスターゲートを通過する
- エンディング
- エンドクレジット
- 『2001年宇宙の旅』キャスト・スタッフ
『2001年宇宙の旅』の挿入曲
『2001年宇宙の旅』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)
【映画冒頭】(真っ暗な画面)
アトモスフェール
作曲者 | ジェルジュ・リゲティ(György Ligeti, 1923-2006) ハンガリー系オーストリア人の現代音楽作曲家。 |
作曲年 | 1961年 |
Artist | 南西ドイツ放送交響楽団(Southwest German Radio Orchestra) エルネスト・ブール(Ernest Bour, 1913-2001) |
『アトモスフェール』は、リゲティが1961年に作曲した管弦楽曲です。
この後、以下のシーンでもこの曲が使われています。
「INTERMISSION」
「ボーマン船長を乗せたスペースポッドがスターゲートを通過する」
オープニング・クレジット
交響詩《ツァラトゥストラはこう語った》作品30より第1部「導入部(日の出)」』
作曲者 | リヒャルト・シュトラウス(Richard Strauss, 1864-1949) 後期ロマン派を代表する作曲家の一人といわれるドイツの作曲家/指揮者。 |
作曲年 | 1896年 |
Artist | ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(Wiener Philharmoniker) ヘルベルト・フォン・カラヤン(Herbert von Karajan, 1908-1989) |
『ツァラトゥストラはこう語った』は、リヒャルト・シュトラウスが、1896年に作曲した交響詩です。
ドイツの哲学者フリードリヒ・ニーチェの後期思想を代表する同名の著作にインスピレーションを得て作曲されたと言われています。1896年ドイツのフランクフルトで、作曲者自身による指揮で初演されました。
この後、以下のシーンでもこの曲が使われています。
「猿人が骨を道具にする」
「エンディング」
猿人がモノリスを発見する
レクイエム – 第2楽章「キリエ」
作曲者 | ジェルジュ・リゲティ(György Ligeti, 1923-2006) ハンガリー系オーストリア人の現代音楽作曲家。 |
作曲年 | 1963-1965年 |
Artist | バイエルン放送交響楽団(Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks) フランシス・トラヴィス(Francis Travis, 1921-2017) |
『レクイエム』は、リゲティが、1963年から1965年にかけて作曲した、ソプラノ、メゾソプラノ、合唱、管弦楽による音楽作品です。1965年にスウェーデンの首都ストックホルムで初演されました。
この後、以下のシーンでもこの曲が使われています。
「TMA-1発掘現場に到着したフロイド博士一行がモノリスに触れる」
「木星と無限のかなた」
猿人が骨を道具にする
交響詩《ツァラトゥストラはこう語った》作品30より第1部「導入部(日の出)」
作曲者 | リヒャルト・シュトラウス(Richard Strauss, 1864-1949) 後期ロマン派を代表する作曲家の一人といわれるドイツの作曲家/指揮者。 |
作曲年 | 1896年 |
Artist | ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(Wiener Philharmoniker) ヘルベルト・フォン・カラヤン(Herbert von Karajan, 1908-1989) |
「オープニング・クレジット」でもこの曲が使われていました。
宇宙を漂う衛星が映し出され、オリオン3型宇宙機が宇宙ステーションに到着する
ワルツ「美しく青きドナウ」 Op.314
作曲者 | ヨハン・シュトラウス2世(Johann Strauss II. 1825-1899) 19世紀にウィーンを中心に活躍したオーストリアの作曲家/指揮者。 初代「ワルツ王」ヨハン・シュトラウス1世の息子。 ワルツ、ポルカをはじめとする舞踊音楽の名曲を数多く残しワルツの人気と発展に多大な貢献を果たす。父親の死後「ワルツ王」の名を継承しヨーロッパ中で絶大な支持を獲得した。 |
初演 | 1867年、ディアナザール(ウィーン) |
Artist | ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(Berliner Philharmoniker) ヘルベルト・フォン・カラヤン(Herbert von Karajan, 1908-1989) |
『美しき青きドナウ』は、ヨハン・シュトラウス2世が1867年に作曲した合唱用のウィンナ・ワルツです。
『皇帝円舞曲』『ウィーンの森の物語』と共に、シュトラウス2世の「三大ワルツ」の一つに数えられる人気のある作品です。
1867年に依頼主であるウィーン男性合唱協会のコンサートで初演されました。
この後以下のシーンでもこの曲が使われています。
「フロイド博士がアリエス1B型月シャトルでクラビウス基地(月)に向かう」
「エンドクレジット」
フロイド博士がアリエス1B型月シャトルでクラビウス基地(月)に向かう
ワルツ「美しく青きドナウ」 Op.314
作曲者 | ヨハン・シュトラウス2世(Johann Strauss II. 1825-1899) 19世紀にウィーンを中心に活躍したオーストリアの作曲家/指揮者。 初代「ワルツ王」ヨハン・シュトラウス1世の息子。 ワルツ、ポルカをはじめとする舞踊音楽の名曲を数多く残しワルツの人気と発展に多大な貢献を果たす。父親の死後「ワルツ王」の名を継承しヨーロッパ中で絶大な支持を獲得した。 |
初演 | 1867年、ディアナザール(ウィーン) |
Artist | ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(Berliner Philharmoniker) ヘルベルト・フォン・カラヤン(Herbert von Karajan, 1908-1989) |
「宇宙を漂う衛星が映し出され、オリオン3型宇宙機が宇宙ステーションに到着する」でもこの曲が使われていました。
フロイド博士の一行がロケットバスでTMA-1発掘現場へ向かう
ルクス・エテルナ
作曲者 | ジェルジュ・リゲティ(György Ligeti, 1923-2006) ハンガリー系オーストリア人の現代音楽作曲家。 |
作曲年 | 1966年 |
Artist | シュトゥットガルト・スコラ・カントルム(Stuttgart Schola Cantorum) クリトゥス・ゴットヴァルト(Clytus Gottwald, 1925-2023) |
『ルクス・エテルナ』は、リゲティが1966年に作曲した16部構成の混声合唱曲です。
『永遠の光』の邦題でも呼ばれています。
TMA-1発掘現場に到着したフロイド博士の一行がモノリスに触れる
レクイエム – 第2楽章「キリエ」
作曲者 | ジェルジュ・リゲティ(György Ligeti, 1923-2006) ハンガリー系オーストリア人の現代音楽作曲家。 |
作曲年 | 1963-1965年 |
Artist | バイエルン放送交響楽団(Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks) フランシス・トラヴィス(Francis Travis, 1921-2017) |
「猿人がモノリスを発見する」でもこの曲が使われていました。
木星探査計画(18ヶ月後) – ディスカバリー号の中で流れる曲
バレエ音楽《ガイーヌ》組曲 第3番 – 第4曲「ガイーヌのアダージョ」
作曲者 | アラム・ハチャトゥリアン(Aram Khachaturyan, 1903-1978) 旧ソビエト連邦の作曲家/指揮者。 |
初演 | 1942年 |
Artist | レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団(Leningrad Philharmonic Orchestra) ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー(Gennadi Rozhdestvensky) |
『ガイーヌ』は、アラム・ハチャトゥリアンが作曲した全4幕からなるバレエ作品です。1942年に初演されました。
ここでは、ハチャトゥリアン自身の手でコンサート用に編曲され初演の翌年に出版された組曲から「ガイーヌのアダージョ」が使われています。
フランクの両親から送信される映像(二人が歌う曲)
ハッピーバースデートゥーユー
作曲者 | マイルドレッド・J・ヒル(Mildred J. Hill, 1859-1916) アメリカのソングライター/音楽学者。 |
パティ・J・ヒル(Patty S. Hill, 1868-1946) アメリカの保育園/幼稚園教諭。アメリカの非営利団体「全米幼児教育協会」の創設者。 | |
出版年 | 1917年 |
『Happy Birthday to You』は、アメリカ人のヒル姉妹が作詞作曲した誕生日をお祝いする曲です。
この曲は、世界で最も歌われている英語の曲としてギネス世界記録に認定されています。
【INTERMISSION】
アトモスフェール
作曲者 | ジェルジュ・リゲティ(György Ligeti, 1923-2006) ハンガリー系オーストリア人の現代音楽作曲家。 |
作曲年 | 1961年 |
Artist | 南西ドイツ放送交響楽団(Southwest German Radio Orchestra) エルネスト・ブール(Ernest Bour, 1913-2001) |
「映画冒頭(真っ暗な画面)」でもこの曲が使われていました。
ハルがデイブに歌って聴かせる曲
デイジー・ベル
作曲者 | ハリー・ダクレ(Harry Dacre, 1857-1922) イギリスのソングライター。 |
作曲年 | 1892年 |
『デイジー・ベル』は、古くから親しまれているポピュラーソングです。
『二人乗りの自転車』(Bicycle Built for Two)のタイトルでも知られています。
1961年、アメリカの「ベル研究所」では、量産型コンピュータ「IBM 704」を使って音声合成が行われ、コンピューターに曲を歌わせることに成功しました。その時にIBM 704が歌った曲がこの『デイジー・ベル』だったため、この曲は「世界で初めてコンピュータが歌った曲」として現在も語り継がれています。
映画『2001年宇宙の旅』では、人工知能「HAL 9000」の声を演じたカナダ出身の俳優ダグラス・レイン(Douglas Rain)が歌っています。
「木星と無限のかなた」
レクイエム – 第2楽章「キリエ」
作曲者 | ジェルジュ・リゲティ(György Ligeti, 1923-2006) ハンガリー系オーストリア人の現代音楽作曲家。 |
作曲年 | 1963-1965年 |
Artist | バイエルン放送交響楽団(Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks) フランシス・トラヴィス(Francis Travis, 1921-2017) |
「猿人がモノリスを発見する」でもこの曲が使われていました。
ボーマン船長を乗せたスペースポッドがスターゲートを通過する
アトモスフェール
作曲者 | ジェルジュ・リゲティ(György Ligeti, 1923-2006) ハンガリー系オーストリア人の現代音楽作曲家。 |
作曲年 | 1961年 |
Artist | 南西ドイツ放送交響楽団(Southwest German Radio Orchestra) エルネスト・ブール(Ernest Bour, 1913-2001) |
「映画冒頭(真っ暗な画面)」でもこの曲が使われていました。
エンディング
交響詩《ツァラトゥストラはこう語った》作品30より第1部「導入部(日の出)」
作曲者 | リヒャルト・シュトラウス(Richard Strauss, 1864-1949) 後期ロマン派を代表する作曲家の一人といわれるドイツの作曲家/指揮者。 |
作曲年 | 1896年 |
Artist | ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(Wiener Philharmoniker) ヘルベルト・フォン・カラヤン(Herbert von Karajan, 1908-1989) |
「オープニングクレジット」でもこの曲が使われていました。
エンドクレジット
ワルツ「美しく青きドナウ」 Op.314
作曲者 | ヨハン・シュトラウス2世(Johann Strauss II. 1825-1899) 19世紀にウィーンを中心に活躍したオーストリアの作曲家/指揮者。 初代「ワルツ王」ヨハン・シュトラウス1世の息子。 ワルツ、ポルカをはじめとする舞踊音楽の名曲を数多く残しワルツの人気と発展に多大な貢献を果たす。父親の死後「ワルツ王」の名を継承しヨーロッパ中で絶大な支持を獲得した。 |
初演 | 1867年、ディアナザール(ウィーン) |
Artist | ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(Berliner Philharmoniker) ヘルベルト・フォン・カラヤン(Herbert von Karajan, 1908-1989) |
「宇宙を漂う衛星が映し出され、オリオン3型宇宙機が宇宙ステーションに到着する」でもこの曲が使われていました。
『2001年宇宙の旅』キャスト・スタッフ
監督 | スタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick) |
脚本 | スタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick) |
アーサー・C・クラーク(Arthur C. Clarke) | |
製作 | スタンリー・キューブリック(Stanley Kubrick) |
配給 | メトロ・ゴールドウィン・メイヤー |
公開 | 1968年4月6日 |
1968年4月11日 | |
上映時間 | 142分 |
デヴィッド・ボーマン船長:キア・デュリア(Keir Dullea)
フランク・プール:ゲイリー・ロックウッド(Gary Lockwood)
ヘイウッド・R・フロイド博士:ウィリアム・シルベスター(William Sylvester)
アンドレイ・スミスロフ:レナード・ロシター(Leonard Rossiter)
ラルフ・ハルバーセン:ロバート・ビーティ(Robert Beatty)
ミラー:ケヴィン・スコット(Kevin Scott)
HAL 9000(声):ダグラス・レイン(Douglas Rain)
月を見るもの(ヒトザル):ダニエル・リクター(Daniel Richter)
エレナ:マーガレット・タイザック(Margaret Tyzack)
ビル・マイケルズ:ショーン・サリヴァン(Sean Sullivan)
作戦管制官(声):フランク・ミラー(Frank Miller)
月面シャトル船長:エド・ビショップ(Ed Bishop)
プールの父:アラン・ギフォード(Alan Gifford)
プールの母:アン・ギリス(Ann Gillis)
アン(フロイドの娘):ビビアン・キューブリック(Vivian Kubrick)
(スタントマン):ビル・ウェストン(Bill Weston)
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