『スペース カウボーイ』の挿入曲とサントラ | 解説付き全曲紹介Filmmusik
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『スペース カウボーイ』の挿入曲とサントラ

2000年にアメリカで制作された映画『スペース カウボーイ』(原題:Space Cowboys)は、世界初の宇宙飛行士になるための訓練を受けた過去をもつ男たちが、40年以上の時を経て再び宇宙を目指す宇宙アドベンチャー映画です。

クリント・イーストウッドが主演・監督・製作を務め、トミー・リー・ジョーンズ、ドナルド・サザーランド、ジェームズ・ガーナーが出演しています。

『スペース カウボーイ』の挿入曲

『スペース カウボーイ』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)

オープニングタイトル

Espacio
作曲:Clint Eastwood
アーティスト:Mitch Holder

『Espacio』は、クリント・イーストウッド監督が作った曲です。演奏しているのは、アメリカのスタジオミュージシャン/ジャズギタリスト、ミッチ・ホルダーです。

イーストウッドはオーディオマニアで、ジャズの愛好家としても知られています。

回想シーン(1958)地上で訓練を見守るジェリーのラジオから流れる曲

Patricia
作曲:Pérez Prado
アーティスト:Pérez Prado
リリース年:1958年

『Patricia』は、「マンボ・キング」の称号を持つキューバ生まれのバンドリーダー、ペレス・プラード(Pérez Prado)の曲です。1958年にリリースされました。

回想シーン(1958)ホークが飛行テスト中に月を見つけて歌う曲

Fly Me to the Moon (In Other Words)
作曲:Bart Howard
オリジナル版:Kaye Ballard(1954)

『フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン』(原題:Fly Me to the Moon (In Other Words))は、ジャズのスタンダードナンバーです。アメリカの作曲家バート・ハワードが作りました。

ハワードが伴奏ピアニストとして働いていたマンハッタンのクラブ「Blue Angel」で宣伝の為に演奏され、1954年に歌手ケイ・バラード(Kaye Ballard)の歌唱でリリースされました。
その後様々なアーティストによってカバーされ、1964年「アポロ計画(NASAによる人類初の月への有人宇宙飛行計画)」真っ只中にリリースされたフランク・シナトラのバージョンはテーマソングのように扱われ大ヒットしました。

この曲は当初『In Other Words』というタイトル名でしたが、出版社の意向で冒頭部分の歌詞を引用し『Fly Me to the Moon』に変更されました。
日本では『私を月に連れていって』の邦題で知られています。


飛行訓練中に月を見たホークが「あそこに行くんだ」とフランクに言い歌い出すシーン

フランクの家で流れている曲

The Best Is Yet to Come
作曲:Cy Coleman and Carolyn Leigh
オリジナル版: Jesse Belvin with Marty Paich and His Orchestra(1959)
アーティスト:Joshua Redman(2000)

『The Best Is Yet to Come』は、アメリカの作詞家キャロリン・リー(Carolyn Leigh)と作曲家サイ・コールマン(Cy Coleman)が作った曲です。50年代に人気を博したアメリカの歌手ジェシー・ベルヴィン(Jesse Belvin)がレコーディングを行い1959年にリリースされました。

この曲は、1995年2月25日にフランク・シナトラが公の場で歌った最後の曲としても知られています。
シナトラの墓石にはタイトル名「The Best Is Yet to Come」が刻まれているそうです。


NASA職員サラとイーサンがフランクの家を訪れるシーン

ホークの職場に、その日誕生日の若者が彼女と一緒に現れる

Grazin’ in the Grass
作曲:Harry Elston and Philemon Hou
オリジナル版:Hugh Masekela(1968)
アーティスト:Boney James & Rick Braun(2000)

『グレイジング・イン・ザ・グラス』(Grazin’ in the Grass)は、インストゥルメンタルの人気曲です。
南アフリカのトランペット奏者/歌手、ヒュー・マセケラ(Hugh Masekela)の演奏で1968年にリリースされ、大ヒットを記録しました。

ここでは、サックス奏者のボニー・ジェイムス(Boney James)とトランペット奏者のリック・ブラウン(Rick Braun)による演奏が使われています。

フランクの車で流れる曲

Hit the Road, Jack
作曲:Percy Mayfield
オリジナル版:Percy Mayfield(1960)
アーティスト:Joshua Redman(2000)

『Hit the Road, Jack』は、R&Bアーティスト、パーシー・メイフィールド(Percy Mayfield)が作った曲です。
レイ・チャールズのカバーバージョンがヒットし、広く知られるようになりました。
『旅立てジャック』の邦題でも知られています。

ここでは、アメリカのジャズサックス奏者/作曲家ジョシュア・レッドマン(Joshua Redman)のカバーバージョンが使われています。


フランクがホークに久しぶりに会った帰り道、後続車に危険な追い越しをされるシーン

ジェリーとタンクが待つバーのBGM

Take It to the Limit
作曲:Glenn Frey, Don Henley and Randy Meisner
オリジナル版:Eagles(1975)
アーティスト:Chad Brock(2000)

『Take It to the Limit』は、米・ロックバンド、イーグルス(Eagles)の4枚目のアルバム『呪われた夜』に収録されている曲です。

ここでは、アメリカのカントリーミュージック歌手/DJ、チャド・ブロック(Chad Brock)のカバーバージョンが使われています。


ホークが、フランクを追い越しバーに先に到着しているシーン

チーム・ダイダロスが揃ってNASAに入っていく

Space Cowboy (Yipee-Yi-Yay)
作曲:JC Chasez, Alex Greggs and Bradley Daymond
アーティスト: *NSYNC
リリース年:2000年

『Space Cowboy (Yipee-Yi-Yay)』は、アメリカの男性アイドルグループ、イン・シンク(★NSYNC)の3枚目のアルバム『No Strings Attached』に収録されている曲です。

ホークがタンクの助けを借りて100キロのバーベルを持ち上げる

Last Night
作曲:Charles Axton, Chips Moman, Floyd Newman, Gilbert Caple and Jerry Lee ‘Smoochy’ Smith
オリジナル版:Mar-Keys(1961)
アーティスト:Larry Goldings featuring Maceo Parker & Fred Wesley(2000)

『Last Night』は、1958年にアメリカンスタジオのセッションバンドとして結成されたグループ、マーキーズ(Mar-Keys)の曲です。
ここでは、アメリカのジャズキーボード奏者/作曲家、ラリー・ゴールディングス(Larry Goldings)の演奏が使われています。

NASAの食堂 BGM 1曲目

Old Man
作曲:Neil Young
オリジナル版:Neil Young(1972)
アーティスト:Brad Mehldau

『Old Man』は、カナダのシンガーソングライター/ギタリスト、ニール・ヤング(Neil Young)の曲です。ニール・ヤングの4作目のソロアルバム『ハーヴェスト』(Harvest)に収録されています。

ここでは、アメリカのジャズミュージシャン/ピアノ奏者ブラッド・メルドー(Brad Mehldau)によるカバーバージョンが使われています。


チーム・ダイダロスが若い職員達から栄養ドリンクの差し入れをされるシーン

4人が訪れるバーで流れている曲 1曲目

The Chain of Love
作曲:Jonnie Barnett and Rory Lee
アーティスト:Clay Walker
リリース年:1999年

『The Chain of Love』は、1969年テキサス州ボーモント生まれのカントリー・ミュージック歌手クレイ・ウォーカー(Clay Walker)の曲です。1999年にシングルリリースされました。


ジェリーは女性とダンス、タンクはクレーンゲームをしています。

4人が訪れるバーで流れている曲 2曲目

Still Crazy After All These Years
作曲:Paul Simon
オリジナル版:Paul Simon(1975)
アーティスト:Willie Nelson(1982)

『Still Crazy After All These Years』は、60年代に活躍したフォークデュオ、サイモン&ガーファンクルのポール・サイモンが作った曲です。『時の流れに』の邦題でも知られています。

映画では、アメリカのカントリー・シンガーソングライター/俳優、ウィリー・ネルソン(Willie Nelson)のカバーバージョンが使われていました。

ポール・サイモン/アート・ガーファンクルの曲が使われている映画一覧はコチラ


フランクとホークがビリヤードをし口論になるシーン

NASAの食堂 BGM 2曲目

Still Crazy After All These Years
作曲:Paul Simon
オリジナル版:Paul Simon(1975)
アーティスト:Brad Mehldau Trio(2000)

ポール・サイモンの『Still Crazy After All These Years』が続けて使われています。

アメリカのジャズミュージシャン/ピアノ奏者ブラッド・メルドー(Brad Mehldau)のトリオによる演奏です。

ポール・サイモン/アート・ガーファンクルの曲が使われている映画一覧はコチラ


チーム・ダイダロスが若い職員達にベビーフードと訓練用の教材を差し入れするシーン

ホークとサラが夜空を見上げ会話をする車で流れる曲

I Only Have Eyes for You
作曲:Al Dubin and Harry Warren
オリジナル版:Dick Powell(1934)
アーティスト:Alison Eastwood

『I Only Have Eyes for You』は、ジャズのスタンダードナンバーです。
1934年の米ミュージカルコメディ映画『泥酔夢』(Dames)のオリジナルサウンドトラックで、主演のディック・パウエル(Dick Powell)によってリリースされました。
『瞳は君ゆえに』『君ゆえの瞳』の邦題で知られています。

映画では、クリント・イーストウッド監督の娘、アリソン・イーストウッド(Alison Eastwood)の演奏が使われていました。

エンディング & エンドクレジット

Fly Me to the Moon (In Other Words)
作曲:Bart Howard
オリジナル版:Kaye Ballard(1954)
アーティスト:Frank Sinatra with Count Basie and His Orchestra(1964)

『フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン』は、アメリカの作曲家バート・ハワードが作った曲です。
1954年に歌手ケイ・バラードの歌唱でリリースされました。
ここでは、フランク・シナトラのカバーバージョンが使われています。

バート・ハワード(Bart Howard)は、58年間連れ添ったパートナーの為にこの曲を作ったそうです。

『スペース カウボーイ』のサントラ

『スペース カウボーイ』はレニー・ニーハウス(Lennie Niehaus)が音楽を担当しました。レニー・ニーハウスは、米・ミズーリ州出身のアルトサックス奏者/映画音楽作曲家です。スタン・ケントン楽団の一員として活動したのち、映画やテレビの音楽を作曲するようになりました。

ジャズ愛好家として知られるクリント・イーストウッドと親交が深く、『ペイル・ライダー』(1985)以降、13のイーストウッド作品で音楽を担当しました。

『スペース カウボーイ』キャスト・スタッフ

監督クリント・イーストウッド(Clint Eastwood)
脚本ケン・カウフマン(Ken Kaufman)
ハワード・クラウスナー(Howard Klausner)
製作クリント・イーストウッド(Clint Eastwood)
アンドリュー・ラザー(Andrew Lazar)
音楽レニー・ニーハウス(Lennie Niehaus)
配給ワーナー・ブラザース
公開 2000年8月4日
2000年11月3日
上映時間130分

フランク・コーヴィン:クリント・イーストウッド(Clint Eastwood)
フランク・コーヴィン(回想シーン):トビー・スティーブンス(Toby Stephens)
ホーク・ホーキンズ:トミー・リー・ジョーンズ(Tommy Lee Jones)
ホーク・ホーキンズ(回想シーン):イーライ・クレイグ(Eli Craig)
ジェリー・オニール:ドナルド・サザーランド(Donald Sutherland)
ジェリー・オニール(回想シーン):ジョン・マロリー・アッシャー(John Asher)
タンク・サリバン:ジェームズ・ガーナー(James Garner)
タンク・サリバン(回想シーン):マット・マッコーム(Matt McColm)
ボブ・ガーソン:ジェームズ・クロムウェル(James Cromwell)
サラ・ホランド:マーシャ・ゲイ・ハーデン(Marcia Gay Harden)
ジーン・デイヴィス:ウィリアム・ディヴェイン(William Devane)
イーサン・グランス:ローレン・ディーン(Loren Dean)
ロジャー・ハインズ:コートニー・B・ヴァンス(Courtney B. Vance)
バーバラ・コーヴィン:バーバラ・バブコック(Barbara Babcock)
ヴォストフ将軍:ラデ・シェルベッジア(Rade Šerbedžija)
アン・カルザース医師:ブレア・ブラウン(Blair Brown)

文・構成
Filmmusik 管理人

映画の素晴らしさをもっと多くの人に伝えられたら…そんな気持ちでFilmlmusikを開設。
音楽・映画好きの管理人自ら執筆しています。

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