2005年にアメリカで製作された映画『ジャーヘッド』(原題:Jarhead)は、サム・メンデス監督による戦争映画です。
1990年、中東・サウジアラビアに派遣され、湾岸戦争「砂漠の嵐作戦」に参加した海兵隊員アンソニー・スウォフォードの回想録に基づいて作られました。
- 『ジャーヘッド』の挿入曲
- スウォフォードが基地に到着する
- スウォフォードがトランペットの音真似を披露する
- 兵士達が観ている映画『地獄の黙示録』の曲
- 兵士たちがくつろぐテントにサイクスが現れ、神経ガス対策訓練がはじまる
- TVニュースの取材中に兵士達が服を脱いで悪ふざけをする
- クリスティーナからの手紙でスウォフォードの精神状態が不安定になる
- デットマンの妻から送られてきた映画のオープニング曲
- クリスマスイブに兵士達が酒を飲み、歌い踊る
- ファーガスが見張り中に聴いている曲
- 火の不始末で照明弾が夜空に打ち上がる
- 砂漠の進軍中にデイヴがスキップして歌う曲
- ヘリコプターのスピーカーから聞こえてくる曲
- 砂漠で戦争終了を祝う
- 凱旋パーレードの曲
- 除隊後の生活が描かれているシーン
- エンドクレジット
- 『ジャーヘッド』のサントラ
- 『ジャーヘッド』キャスト・スタッフ
『ジャーヘッド』の挿入曲
『ジャーヘッド』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)
スウォフォードが基地に到着する
1989年、@カリフォルニア州サンディエゴ郡、キャンプ・ペンドルトン
ドント・ウォーリー・ビー・ハッピー
Artist | ボビー・マクファーリン(Bobby McFerrin) アメリカのジャズ歌手/指揮者/音楽プロデューサー、1950年生まれ。 |
リリース | 1988年 |
作曲者 | ボビー・マクファーリン |
スウォフォードがトランペットの音真似を披露する
邦題『サンシャイン』
Artist | スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder) アメリカのミュージシャン/音楽プロデューサー、1950年ミシガン州サギノー生まれ。11歳でモータウン所属アーテイストとなり、1962年にシングルデビュー。 世界でトータル1億枚以上のレコードセールスを記録する、史上最も売れている音楽アーティストの一人。 |
リリース | 1972年 |
作曲者 | スティーヴィー・ワンダー |
兵士達が観ている映画『地獄の黙示録』の曲
楽劇《ワルキューレ》第3幕 – 序奏「ワルキューレの騎行」
作曲者 | リヒャルト・ワーグナー(Richard Wagner, 1813-1883) 19世紀のドイツの作曲家/指揮者/思想家。 |
作曲年 | 1856年 |
「ワルキューレ」とは、北欧神話に出てくる半神半人の女戦士で、戦場で戦う兵士の運命を決める軍団の名前です。
楽劇では、武装した8人のワルキューレが翼の生えた馬に乗り岩山に集まる場面で流れています。
兵士たちがくつろぐテントにサイクスが現れ、神経ガス対策訓練がはじまる
ゲット・イット・オン
Artist | T・レックス(T. Rex) 1967年にロンドンで結成されたイギリスのロックバンド。 グラムロックの先駆者として70年代前半に一世を風靡した。 |
リリース | 1971年 |
作曲者 | マーク・ボラン(Marc Bolan, 1947-1977) イギリスのロックミュージシャン/シンガーソングライター。 ロックバンド「T・レックス」(T. Rex) のボーカリスト。グラムロックの代表的アーティストとして活躍した。 |
TVニュースの取材中に兵士達が服を脱いで悪ふざけをする
ゴナ・メイク・ユー・スウェット(エヴリバディ・ダンス・ナウ!)』
Artist | C+C ミュージック・ファクトリー(C+C Music Factory) 1989年に結成されたアメリカのダンスミュージック/ヒップホップグループ。 |
リリース | 1990年 |
作曲者 | C+C Music Factory ロバート・クリヴィレス(Robert Clivillés) フリーダム・ウィリアムズ(Freedom Williams) |
クリスティーナからの手紙でスウォフォードの精神状態が不安定になる
サムシング・イン・ザ・ウェイ
Artist | ニルヴァーナ(Nirvana) 1987年にワシントン州アバディーンで結成されたアメリカのオルタナティヴ・ロックバンド。 グランジのパイオニアとして知られる。 |
リリース | 1991年 |
作曲者 | カート・コバーン(Kurt Cobain, 1967-1994) アメリカのシンガーソングライター/ギタリスト。ロックバンド「ニルヴァーナ」(Nirvana) のフロントマンとしてカリスマ的な人気を博し、音楽シーンだけでなく社会にも大きな影響を与えた。オルタナティヴ・ロックの歴史の中で最も影響力のあるミュージシャンの一人とされている。 |
デットマンの妻から送られてきた映画のオープニング曲
送られたビデオテープは、映画『ディア・ハンター』のケースに入っていました。宿舎の広間にみんなが集まり、ビデオがセットされるとこの曲が少しの間流れます。
カヴァティーナ
Artist | ジョン・ウィリアムズ(John Williams) オーストラリアのクラシックギター奏者、1941年メルボルン生まれ。 |
リリース | 1976年:Soundtrack『ディア・ハンター』 |
作曲者 | スタンリー・マイヤーズ(Stanley Myers, 1930-1993) イギリスの作曲家/指揮者。60年代からテレビの音楽を書きはじめ、63歳で亡くなるまでに60本以上の映画・テレビシリーズの作品を手掛けた。イギリス時代のハンス・ジマーのメンターとしても知られる。 |
『カヴァティーナ』は、1978年の戦争映画『ディア・ハンター』(The Deer Hunter)のテーマ曲です。
クリスマスイブに兵士達が酒を飲み、歌い踊る
Artist | ノーティ・バイ・ネイチャー(Naughty By Nature) 1986年に結成されたアメリカのヒップホップグループ。 |
リリース | 1991年 |
作曲者 | Naughty By Nature トレッチ(Treach) ビン・ロック(Vin Rock) DJ・ケイ・ジー(DJ Kay Gee) |
(The Jackson 5 – 『ABC』) Berry Gordy, Deke Richards, Fonce Mizell and Freddie Perren |
『O.P.P.』には、メルヴィン・ブリスの『シンセティック・サブスティテューション』とジャクソン5の『ABC』がサンプリングされています。
ファーガスが見張り中に聴いている曲
イブの夜、スウォフォードと見張りを交換したファーガスは、ソーセージを焼き、温かい飲み物を飲み、寒空の中を一人で過ごしています。
グランマ・ゴット・ラン・オーヴァー・バイ・ア・レインディア
Artist cover ver. | ドクター・エルモ(Dr. Elmo) アメリカの獣医/競技ランナー/カントリーミュージック歌手、1936年生まれ。 |
作曲者 | ランディ・ブルックス(Randy Brooks) |
Original ver. | 1979年:エルモ&パッツィー(Elmo ‘n’ Patsy) アメリカの夫婦デュオ。 |
『Grandma Got Run over by a Reindeer』は、夫婦デュオのエルモ&パッツィー(Elmo ‘n’ Patsy)が1979年に発表したクリスマスのノベルティ・ソングです。
ここでは、夫婦の離婚後に夫が再録音したソロバージョンが使われています。
火の不始末で照明弾が夜空に打ち上がる
ボール・アンド・チェーン
Artist | ソーシャル・ディストーション(Social Distortion) 1978年にカリフォルニア州フラートンで結成されたアメリカのパンク・ロック・バンド。 |
リリース | 1990年 |
作曲者 | マイク・ネス(Mike Ness) アメリカのミュージシャン、1962年生まれ。ロックバンド「ソーシャル・ディストーション」(Social Distortion) のメンバー。 |
砂漠の進軍中にデイヴがスキップして歌う曲
邦題『アメリカ空軍の歌』
作曲者 | ロバート・マッカーサー・クロフォード(Robert MacArthur Crawford, 1899-1961) アメリカの作曲家/音楽教師。 |
『The U.S. Air Force』は、1947年に認可されたアメリカ空軍の公式軍歌です。
『(The)Wild Blue Yonder』『(The)Air Force Song』のタイトルでも知られています。
ヘリコプターのスピーカーから聞こえてくる曲
ブレーク・オン・スルー
Artist | ドアーズ(The Doors) 1965年にカリフォルニア州ロサンゼルスで結成されたアメリカのロックバンド。 |
リリース | 1967年 |
作曲者 | The Doors ジム・モリソン(Jim Morrison, 1943-1971) レイ・マンザレク(Ray Manzarek, 1939-2013) ジョン・デンスモア(John Densmore) ロビー・クリーガー(Robby Krieger) |
砂漠で戦争終了を祝う
ファイト・ザ・パワー
Artist | パブリック・エナミー(Public Enemy) 1985年にニューヨーク州ロングアイランドで結成されたアメリカのヒップホップグループ。 |
リリース | 1990年:Soundtrack『ドゥ・ザ・ライト・シング』 |
作曲者 | Bomb Squad(※ヒップホップ・プロデュース・チーム) ハンク・ショックリー(Hank Shocklee) キース・ショックリー(Keith Shocklee) チャックD(Chuck D) エリック・サドラー(Eric “Vietnam” Sadler) |
『Fight the Power』は、スパイク・リー監督の映画『ドゥ・ザ・ライト・シング』(Do the right thing)のオリジナル・サウンドトラックです。
凱旋パーレードの曲
邦題『海兵隊讃歌』
作曲者 | ジャック・オッフェンバック(Jacques Offenbach, 1819-1880) ドイツ生まれのフランスの作曲家/チェリスト/インプレサリオ。 音楽と喜劇との融合を果たし、オペレッタ(喜歌劇)の原型を作ったことで「オペレッタの父」と呼ばれる。 |
『The Marines Hymn』は、1929年に認可されたアメリカ海兵隊の公式軍歌です。
アメリカ軍における最古の公式ソングとしても知られています。
ジャック・オッフェンバックの喜歌劇『ブラバンのジュヌヴィエーヴ』の二人の兵士によるデュエット『Couplets des deux hommes d’armes』(1867年版) のメロディをベースに作られています。
除隊後の生活が描かれているシーン
邦題『兵士の持ち物』
Artist | トム・ウェイツ(Tom Waits) アメリカのミュージシャン/作曲家/ソングライター/俳優、1949年カリフォルニア州ポモナ生まれ。 |
リリース | 1983年 |
作曲者 | トム・ウェイツ |
エンドクレジット
(インストバージョンが使われています。)
ジーザス・ウォークス
Artist | カニエ・ウェスト(Kanye West) アメリカのラッパー/シンガーソングライター/音楽プロデューサー/ファッションデザイナー。2021年にYeに改名。 |
リリース | 2004年 |
作曲者 | カニエ・ウェスト |
カーティス・ランディ(Curtis Lundy) アメリカのコントラバス奏者/作曲家/プロデューサー/アレンジャー、1955年生まれ。 | |
ミリ・ベン・アリ(Miri Ben-Ari) イスラエル系アメリカ人のヴァイオリニスト/音楽プロデューサー、1978年生まれ。 | |
ライムフェスト(Rhymefest) アメリカのラッパー/ソングライター、1977年生まれ。 | |
『ジャーヘッド』のサントラ

『ジャーヘッド』はトーマス・ニューマン(Thomas Newman)が音楽を担当しました。トーマス・ニューマンは『ショーシャンクの空に』や『アメリカン・ビューティー』、『007 スカイフォール』などの映画音楽を手掛けたことで知られる作曲家です。80年代から第一線で活躍し、アカデミー賞作曲賞に15回ノミネートされています。
彼の父は20世紀FOXのファンファーレを作ったことで知られる映画音楽作曲家の巨匠アルフレッド・ニューマンで、叔父と兄、従兄も映画音楽作曲家です。
『ジャーヘッド』キャスト・スタッフ
監督 | サム・メンデス(Sam Mendes) |
脚本 | ウィリアム・ブロイルズ・Jr(William Broyles Jr.) |
原作 | アンソニー・スウォフォード(Anthony Swofford) |
製作 | ルーシー・フィッシャー(Lucy Fisher) |
ダグラス・ウィック(Douglas Wick) | |
音楽 | トーマス・ニューマン(Thomas Newman) |
配給 | ユニバーサル・ピクチャーズ |
公開 | 2005年11月4日 |
2006年2月11日 | |
公開 | 123分 |
アンソニー・スウォフォード:ジェイク・ジレンホール(Jake Gyllenhaal)
アラン・トロイ:ピーター・サースガード(Peter Sarsgaard)
サイクス三等曹長:ジェイミー・フォックス(Jamie Foxx)
カジンスキー中佐:クリス・クーパー(Chris Cooper)
クリス・クルーガー:ルーカス・ブラック(Lucas Black)
ファーガス・オドネル:ブライアン・ジェラティ(Brian Geraghty)
デイヴ・ファウラー:エヴァン・ジョーンズ(Evan Jones)
ラモン・エスコバル:ラズ・アロンソ(Laz Alonso)
フアン・コルテス:ジェイコブ・バルガス(Jacob Vargas)
リンカーン少佐:デニス・ヘイスバート(Dennis Haysbert)
フィッチ教官:スコット・マクドナルド(Scott MacDonald)
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