1993年にイギリスとアメリカの合作で制作された映画『日の名残り』(原題:The Remains of the Day)は、カズオ・イシグロの同名小説を原作とし、第二次世界大戦前後の英国で執事として生きた男の人生と葛藤を描いたドラマ作品です。
監督はジェームズ・アイヴォリーが務め、アンソニー・ホプキンスやエマ・トンプソンが出演しています。
第66回アカデミー賞では作品賞を含む8部門にノミネートされました。
『日の名残り』の挿入曲
『日の名残り』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)
回想 | 晩餐会の後にドイツ代表の女性貴族が歌を披露する
(ミス・ケントンから父の死を知らされたスティーブンスが仕事場に戻って来るシーン)
僕の挨拶を Op. 20, No. 1, D. 741
作曲者 | フランツ・シューベルト(Franz Schubert, 1797-1828) 初期のロマン派を代表するオーストリアの作曲家。 31年の生涯で600曲もの歌曲を残し「歌曲の王」と呼ばれる。 |
作曲年 | 1821–1822年 |
回想 | スティーヴンスが執務室で葉巻を吸いながらベンと話をする(レコードをかけて流す曲)
ロール・アロング・プライリー・ムーン
Artist cover ver. | グレイシー・フィールズ(Gracie Fields, 1898-1979) イギリスの女優/歌手/コメディアン。 |
リリース | 1935年 |
作曲者 | テッド・フィオ・リト(Ted Fio Rito, 1900-1971) アメリカのミュージシャン/作曲家。 |
アルバート・フォン・ティルザー(Albert von Tilzer, 1879-1959) アメリカのソングライター/歌手/ヴォードヴィル・パフォーマー。 | |
ハリー・マクファーソン(Harry MacPherson, 1887-1951) アメリカの作詞家/ソングライター。 | |
Original ver. | 1935年:テッド・フィオリト楽団(Ted Fio Rito and His Orchestra) |
『Roll Along Prairie Moon』は、1935年にアメリカで公開されたコメディ映画『Here Comes the Band』のために書かれた曲です。
スティーヴンスとケントンが20年振りに再会する(喫茶室のダンスフロアで客がダンスを踊る曲)
ブルー・ムーン
作曲者 | Rodgers & Hammerstein リチャード・ロジャース(Richard Rodgers, 1902-1979)とオスカー・ハマースタイン2世(Oscar Hammerstein II, 1895-1960)によるソングライターコンビ。1940年代から1950年代のミュージカル黄金時代に人気ミュージカルを数多く製作し、ブロードウェイミュージカルの基盤を作り上げた。 代表作『オクラホマ!』『王様と私』『サウンド・オブ・ミュージック』 |
Original ver. | 1934年:Glen Gray and The Casa Loma Orchestra グレン・グレイ(Glen Gray, 1900-1963) アメリカのジャズサックス奏者。 |
『Blue Moon』は、1934年に発表されたポピュラーソングです。フランク・シナトラ、ビリー・ホリデイ、エルヴィス・プレスリーなど沢山のアーティストにカバーされ、スタンダードナンバーになりました。
マンチェスターに拠点を置くプロサッカークラブ「マンチェスター・シティFC」のチャントとしても知られています。
スティーヴンスとケントンが桟橋のベンチに座り、ライトが灯るのを見る(桟橋で流れる曲)
さよなら、ドリー・グレイ
作曲者 | ポール・バーンズ(Paul Barnes, 1868-1922) アメリカのコメディ俳優/歌手/ピアニスト/ソングライター。 |
ウィル・D・カッブ(Will D. Cobb, 1876-1930) アメリカの作詞家/作曲家。 | |
出版年 | 1897年 |
Original ver. | 1901年:ハリー・マクドノー(Harry Macdonough) カナダ出身のテノール歌手。 |
『Good-bye Dolly Gray』は、米西戦争時の流行歌です。
『日の名残り』のサントラ
『日の名残り』はリチャード・ロビンス(Richard Robbins)が音楽を担当しました。
リチャード・ロビンスは、アメリカ・マサチューセッツ州出身の作曲家です。『ハワーズ・エンド』と『日の名残り』でアカデミー作曲賞にノミネートされました。
※サントラ収録曲
1. ダーリントン・ホール – オープニング・タイトル(Opening Titles, Darlington Hall)
2. 鍵穴と中国の人形(Keyhole And The Chinman)
3. 伝統と規律(Tradition And Order)
4. 会議が始まる(Conference Begins)
5. 挨拶を送ろう(Sei mir Gegrüsst)
6. 台所のコック(Cooks In The Kitchen)
7. レーン郷と執事スティーブンス(Sir Geoffrey Wren And Stevens, Sr.)
8. あなたはこの家にとって重要だ(You Mean A Great Deal To This House)
9. 喪失と別離(Loss And Separation)
10. ブルームーン(Blue Moon)
11. センチメンタル・ラブ・ストーリー~なぐさめ~雨の中で(Sentimental Love Story / Appeasement / In The Rain)
12. 肖像画が戻る~ダーリントン・ホール~エンド・クレジット(Portrait Returns / Darlington Hall / End Credits)
『日の名残り』キャスト・スタッフ
監督 | ジェームズ・アイヴォリー(James Ivory) |
脚本 | ルース・プラワー・ジャブバーラ(Ruth Prawer Jhabvala) |
ハロルド・ピンター(Harold Pinter) | |
原作 | カズオ・イシグロ(Kazuo Ishiguro) |
製作 | マイク・ニコルズ(Mike Nichols) |
ジョン・キャリー(John Calley) | |
イスマイール・マーチャント(Ismail Merchant) | |
音楽 | リチャード・ロビンス(Richard Robbins) |
配給 | コロンビア ピクチャーズ |
公開 | 1993年11月5日 |
1994年3月19日 | |
上映時間 | 134分 |
ジェームズ・スティーヴンス:アンソニー・ホプキンス(Anthony Hopkins)
ミス・ケントン:エマ・トンプソン(Emma Thompson)
ダーリントン卿:ジェームズ・フォックス(James Fox)
ルイス:クリストファー・リーヴ(Christopher Reeve)
ウィリアム・スティーヴンス:ピーター・ヴォーン(Peter Vaughan)
カーディナル:ヒュー・グラント(Hugh Grant)
スペンサー:パトリック・ゴッドフリー(Patrick Godfrey)
デュボン・ディブリー:マイケル・ロンズデール(Michael Lonsdale)
ネヴィル・チェンバレン:フランク・シェリー(Frank Shelley)
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