『17歳の肖像』の挿入曲とサントラ | 解説付き全曲紹介Filmmusik
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キャリー・マリガン(Carey Mulligan)

『17歳の肖像』の挿入曲とサントラ

『17歳の肖像』(原題:An Education)は、英国のジャーナリスト、リン・バーバーの回想録をニック・ホーンビィが脚色した青春映画です。1961年のイギリス・ロンドンが舞台となっています。

第82回アカデミー賞では作品賞を含む3部門にノミネートされました。キャリー・マリガン、ピーター・サースガード、エマ・トンプソンらが出演しています。

『17歳の肖像』の挿入曲

『17歳の肖像』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)

オープニングタイトル

On the Rebound
作曲:Floyd Cramer
アーティスト:Floyd Cramer
リリース年:1961年

『On the Rebound』は、ナッシュビルを代表するカントリーミュージックピアニスト、フロイド・クレイマー(Floyd Cramer)の曲です。

クレイマーは、独学でピアノを学び、スタジオミュージシャンとしてキャリアを追求し続け数多くのヒットレコードを生み出しました。

ジェニーが所属しているユースオーケストラが練習している曲

Symphony No.3, Op.88(Completed by A. Payne) – I. Allegro molto maestoso
作曲:Edward Elgar

エドワード・エルガー作曲の『交響曲第3番 ハ短調 作品88』より、第1楽章。
イギリスの作曲家エルガーが、英国放送協会(BBC)に依頼され1932年に作曲を始めた交響曲です。

この作品は、1934年エルガーの死去に伴い未完に終わりましたが、残されたスケッチを元に作曲家アンソニー・ペインによって補筆構成され1997年に完成されました。
そして、エルガーの死から64年後の1998年2月にロンドンのロイヤルフェスティバルホールで、BBC交響楽団によって初演されました。

ジェニーがレコードで流しフランス語で歌う曲

Sous le Ciel de Paris
作曲:Hubert Giraud、Jean Dréjac
オリジナル版:Jacques Hélian et son orchestre(1951)
アーティスト:Juliette Gréco

『Sous le Ciel de Paris』は、1951年のフランス映画『巴里の空の下セーヌは流れる』(原題:Sous le ciel de Paris)のオリジナルサウンドトラックです。
ジャック・エリアン楽団がレコーディングをし、1951年にリリースされました。
『パリの空の下』の邦題で知られています。

ここでは、フランス出身のシャンソン歌手/女優、ジュリエット・グレコ(Juliette Gréco)のカバーバージョンが使われています。
『17歳の肖像』では、ジュリエット・グレコの曲が2曲使われています。


ジェニーがデイヴィッドの車を降りるシーンから音楽は流れています。

セントジョンズ・スミス・スクエアでのコンサートの演目

Introduction et allegro
作曲:Maurice Ravel

モーリス・ラヴェル作曲の『序奏とアレグロ』。
『序奏とアレグロ』は、フランスの作曲家ラヴェルが、1905年に作曲した「ハープとフルート、クラリネットおよび弦楽四重奏のための七重奏曲」です。フランスの楽器製作会社エラール社が新改良したハープの普及のためにラヴェルに依嘱し作られました。

ナイトクラブで女性歌手が歌っている曲 1曲目

A Sunday Kind of Love
作曲:Barbara Bell, Louis Prima, Anita Leonard and Stan Rhodes
オリジナル版:Claude Thornhill and His Orchestra – Vocal by Fran Warren(1947)

『A Sunday Kind of Love』は、アメリカの女性歌手フラン・ローレン(Fran Warren)の代表曲として広く知られている曲です。
ルイ・プリマ(Louis Prima)や、デル・ヴァイキングス(The Del-Vikings)のカバーバージョンがヒットしスタンダードナンバーになりました。

ナイトクラブで女性歌手が歌っている曲 2曲目

You Got Me Wrapped Around Your Little Finger
作曲:Beth Rowley and Ben Castle
アーティスト:Beth Rowley
リリース年:2009年 ( SOUNDTRACK『An Education 』)

『You Got Me Wrapped Around Your Little Finger』は、映画『17歳の肖像』のオリジナルサウンドトラックです。
ナイトクラブの歌手として映画に出演したイギリスのシンガーソングライター、べス・ロウリー(Beth Rowley)が歌っています。


ダニーとヘレンが見つめ合い口ずさむ曲

オックスフォードへ向かう車の中では、ジェニー達四人がこの曲を歌っていました。

ダニーのアパートで流れている曲

One O’clock Jump
作曲:Count Basie
オリジナル版:Count Basie and His Orchestra(1937)
アーティスト:Wolverines Big Band(1986)

『ワン・オクロック・ジャンプ』(One O’clock Jump)は、ジャズのスタンダードナンバーです。
アメリカのジャズピアニスト/バンドリーダー、カウント・ベイシーの作品で、1937年にリリースされました。

映画では、ミネソタ州ミネアポリスに拠点を置くジャズバンド、ウルヴァリンズ・ビッグ・バンド(Wolverines Big Band)の演奏が使われていました。


ジェニーがダニーのアパートを初めて訪れるシーン

ジェニーの家で流れている曲(デイヴィッドの訪問)

Song of Tonfano
作曲:Anthony Mawer

『Song of Tonfano』は、イギリスの作曲家、アンソニー・モウアー(Anthony Mawer)が作った曲です。


デイヴィッドがジェニーの家を訪れ、ジェニーがオックスフォード大学の見学に行けるよう父親を言葉巧みに説き伏せるシーン

ジェニーがヘレンのクローゼットでドレスアップをするシーン

Sweet Nothin’s
作曲:Ronnie Self
アーティスト:Brenda Lee
リリース年:1959年

『Sweet Nothin’s』は、ロカビリー歌手ロニー・セルフ(Ronnie Self)が書いた曲です。
ブレンダ・リーがレコーディングを行い、1959年にリリースされました。

ブレンダ・リー(Brenda Lee)は、1944年ジョージア州アトランタ生まれのアメリカの女性歌手です。10歳でデビューし、身体が小柄ながらパンチの効いた歌声を持ち「リトル・ミス・ダイナマイト」と呼ばれていました。

大学近くのパブ BGM 1曲目

Teen Scene
作曲:Teddy Randazzo
アーティスト:The Hunters
リリース年:1960年

ハンターズ(The Hunters)は、50年代後半から60年代前半にかけて活躍したイギリスのインストゥルメンタルバンドです。
『Teen Scene』は、1960年にシングルとしてリリースされました。


ヘレンがパブにいる女子大学生達の見た目を悪く言うシーン

大学近くのパブ BGM 2曲目

Maybe Tomorrow
作曲:Billy Fury
アーティスト:Billy Fury
リリース年:1959年

ビリー・フューリー(Billy Fury)は、1940年リヴァプール生まれのイギリスのロックンロール歌手です。エルヴィス・プレスリーの影響を受けたパフォーマンスが人気を博し、1950年代後半から1960年代前半にかけてイギリスでヒットを連発しました。
『Maybe Tomorrow』は、ビリー・フューリーのデビュー曲です。


デイヴィッドが『ライオンと魔女』の本に、筆者のサインをまねて書くシーン

ジェニーの家で流れている曲(ジェニー17歳の誕生日)

Theme from ‘A Summer Place’
作曲:Max Steiner
アーティスト:Percy Faith and His Orchestra
リリース年:1959年

『Theme From A Summer Place』は、1959年のアメリカ映画『避暑地の出来事』の主題歌です。
アカデミー作曲賞を3回受賞したアメリカの作曲家マックス・スタイナーが作りました。
この曲は、『夏の日の恋』の邦題でも知られています。

デビッドとジェニーがパリの観光を楽しむシーン

Sur les Quais du Vieux Paris
作曲:Ralph Erwin、Louis Poterat
オリジナル版:Lucienne Delyle(1939)
アーティスト:Juliette Gréco

『Sur les Quais du Vieux Paris』は、フランスの歌手リュシエンヌ・ドリール(Lucienne Delyle)の曲です。『古きパリの岸辺で』の邦題でも知られています。

ここでは、フランス出身のシャンソン歌手/女優、ジュリエット・グレコ(Juliette Gréco)のカバーバージョンが使われています。

競馬場のバーで流れている曲

Tell the Truth
Written by Lowman Pauling
オリジナル版:The “5” Royales(1958)
アーティスト:Ray Charles

『Tell the Truth』は、R&Bボーカルグループ、ファイブロイヤルズ(The “5” Royales)の創設メンバー、ロウマン ・ポーリング(Lowman Pauling)が作った曲です。1958年にリリースされました。

ここでは、R&Bアーティスト、レイ・チャールズによるカバーバージョンが使われています。


高級シャンパンを飲み、デイヴィッドがジェーンに近況を尋ねるシーン

競馬場のバーでダニーとジェニーが二人で踊る曲

Comin’ Home Baby
作曲:Bob Dorough and Ben Tucker
オリジナル版:The Dave Bailey Quintet(1962)
アーティスト:Mel Tormé

『カミン・ホーム・ベイビー』(Comin’ Home Baby)は、ジャズのスタンダードナンバーです。
アメリカのジャズドラマー、デイヴ・ベイリー(Dave Bailey)らの演奏で1962年にリリースされました。

ここでは、米・ジャズ歌手メル・トーメのカバーバージョンが使われています。

ダニーの家で流れている曲

Since I Fell For You
作曲:Buddy Johnson
オリジナル版:Buddy Johnson and His Orchestra(1947)
アーティスト:The Vince Guaraldi Trio

『Since I Fell For You』は、ジャズのスタンダードナンバーです。
アメリカのジャンプブルースピアニスト、バディ・ジョンソン(Buddy Johnson)が作りました。

ここでは、スヌーピーのアニメ音楽を手掛けていたジャズピアニスト、ヴィンス・ガラルディ(Vince Guaraldi)が率いる「ヴィンス・ガラルディ・トリオ」によるカバーバージョンが使われています。


デビッドがジェニーと婚約したことをダニー達に話すシーン

エンドクレジット

Smoke Without Fire
作曲:Duffy and Bernard Butler
アーティスト:Duffy
リリース年:2008年

『Smoke Without Fire』は、ロンドン出身のギタリスト/音楽プロデューサー、バーナード・バトラー(Bernard Butler)が、映画『17歳の肖像』の為に作った曲です。歌っているのは、バトラーがプロデュースしていた英国シンガーソングライター、ダフィー(Duffy)です。

映画公開の前年、ダフィーのシングル『Rain on Your Parade』のB面に収録されリリースされました。

『17歳の肖像』のサントラ

『17歳の肖像』はポール・イングリッシュビィ(Paul Englishby)が音楽を担当しました。ポール・イングリッシュビィは、イギリス・ランカシャー州出身の作曲家/ピアニストです。BBCのドラマ作品や舞台音楽を手掛けています。

『17歳の肖像』で第82回アカデミー作曲賞にノミネートされています。

『17歳の肖像』キャスト・スタッフ

監督ロネ・シェルフィグ(Lone Scherfig)
脚本ニック・ホーンビィ(Nick Hornby)
原作リン・バーバー(Lynn Barber)
製作フィノラ・ドワイヤー(Finola Dwyer)
アマンダ・ポージー(Amanda Posey)
音楽ポール・イングリッシュビィ(Paul Englishby)
配給 ソニー・ピクチャーズ
公開 2009年10月30日
2010年4月17日
上映時間95分

ジェニー・メラー:キャリー・マリガン(Carey Mulligan)
デイヴィッド・ゴールドマン:ピーター・サースガード(Peter Sarsgaard)
ダニー:ドミニク・クーパー(Dominic Cooper)
ヘレン:ロザムンド・パイク(Rosamund Pike)
ウォルターズ校長:エマ・トンプソン(Emma Thompson)
ジャック・メラー(ジェニーの父):アルフレッド・モリーナ(Alfred Molina)
マージョリー・メラー(ジェニーの母):カーラ・シーモア(Cara Seymour)
スタッブズ先生:オリヴィア・ウィリアムズ(Olivia Williams)
セイラ:サリー・ホーキンス (Sally Hawkins)
グラハム:マシュー・ビアード(Matthew Beard)
ヘイディ:アマンダ・フェアバンク=ハインズ(Amanda Fairbank-Hynes)
ティナ:エリー・ケンドリック(Ellie Kendrick)

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