1970年にアメリカで制作された映画『パットン大戦車軍団』(原題:Patton)は、第二次世界大戦で活躍したアメリカ陸軍の将軍ジョージ・S・パットンの半生を描いた戦争ドラマです。フランシス・フォード・コッポラが脚本を共同執筆し、フランクリン・J・シャフナーが監督、ジョージ・C・スコットが主演を務めました。
第43回アカデミー賞では10部門にノミネートされ、作品賞、監督賞など7部門を受賞しました。
『パットン大戦車軍団』の挿入曲
『パットン大戦車軍団』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)
オープニング(巨大な星条旗が掲げられたステージにパットンが登場する)
『To the Colors』は、国歌の代わりに演奏されるビューグル・コール(軍隊ラッパによる合図)です。
オープニング・クレジット
パットン大戦車軍団 – メイン・タイトル
リリース | 1970年:Soundtrack『パットン大戦車軍団』 |
作曲者 | ジェリー・ゴールドスミス(Jerry Goldsmith, 1929-2004) アメリカの作曲家/指揮者/オーケストレーター。 1976年のホラー映画『オーメン』(The Omen)でアカデミー作曲賞を受賞した。 |
『Patton March – Main Theme』は、映画『パットン大戦車軍団』(原題:Patton)のオープニングテーマ曲です。
軍の幹部たちを招いた食事会が開かれる(ピアニストが演奏する曲)
ソナタ ヘ短調 K. 481
作曲者 | ドメニコ・スカルラッティ(Domenico Scarlatti, 1685-1757) イタリアの作曲家/チェンバロ奏者。 ナポリ楽派の祖とされるアレッサンドロ・スカルラッティの息子。 生涯をかけて500曲を超えるチェンバロソナタを作曲し、鍵盤音楽の音楽的/技術的水準の向上に重要な貢献を果たした。 |
パットンが指揮する第7軍がパレルモを陥落させ、歓迎パレードが行われる(楽隊が演奏する曲)
邦題『ワシントン・ポスト』
作曲者 | ジョン・フィリップ・スーザ(John Philip Sousa, 1854-1932) アメリカの作曲家/指揮者/海兵隊楽団長。 100曲を超える行進曲を作曲し「マーチ王」と称される。 代表作『雷神』『ワシントン・ポスト』『星条旗よ永遠なれ』 |
作曲年 | 1889年 |
『The Washington Post』は、アメリカの新聞『ワシントン・ポスト』の宣伝をかねて紙上で行われたエッセイコンテスト授賞式で使う行進曲として作られました。
ベンジャミン・ハリソン大統領出席のもと開催された式典で披露されるとその人気は瞬く間にヨーロッパにも広がり、イギリスのジャーナリストはスーザを「マーチ王」と賞賛しました。
モントゴメリー将軍が率いるイギリス軍がメッシナに入って来る(バグパイプ隊による演奏)
邦題『勇敢なるスコットランド』
『Scotland the Brave』は、スコットランドの愛国歌です。
イギリス軍を出迎えるパットンのアメリカ軍楽隊が、バグパイプ隊の演奏をかき消すように演奏する
邦題『星条旗よ永遠なれ』
作曲者 | ジョン・フィリップ・スーザ(John Philip Sousa, 1854-1932) アメリカの作曲家/指揮者/海兵隊楽団長。 100曲を超える行進曲を作曲し「マーチ王」と称される。 代表作『雷神』『ワシントン・ポスト』『星条旗よ永遠なれ』 |
作曲年 | 1896年 |
『The Stars and Stripes Forever』は、海兵隊楽団のリーダーを務めた経験を持つアメリカの作曲家ジョン・フィリップ・スーザ(John Philip Sousa)が1896年に作ったマーチです。
アメリカ人の愛国心の象徴ともいえる行進曲で、1987年にはアメリカの公式行進曲(National March)に制定されました。
この後「ナッツフォードでパットンが婦人クラブ発会式に参加する(パレードで女性楽隊が演奏する)」でもこの曲が使われています。
ナッツフォードでパットンが婦人クラブ発会式に参加する(パレードで女性楽隊が演奏する)
邦題『星条旗よ永遠なれ』
作曲者 | ジョン・フィリップ・スーザ(John Philip Sousa, 1854-1932) アメリカの作曲家/指揮者/海兵隊楽団長。 100曲を超える行進曲を作曲し「マーチ王」と称される。 代表作『雷神』『ワシントン・ポスト』『星条旗よ永遠なれ』 |
作曲年 | 1896年 |
「イギリス軍を出迎えるパットンのアメリカ軍楽隊が、バグパイプ隊の演奏をかき消すように演奏する」でもこの曲が使われていました。
パリ解放を伝えるニュース映像が流れる(ニュース映像のBGM)
ラ・マルセイエーズ
作曲者 | クロード=ジョゼフ・ルジェ・ド・リール(Claude Joseph Rouget de Lisle, 1760-1836) フランスの軍人/作曲家/作詞家。 『ラ・マルセイエーズ』を作曲したことで、ルイ・フィリップ1世から名誉軍団国家勲章を授与された。 |
作曲年 | 1792年 |
『ラ・マルセイエーズ』は、フランスの国歌です。
1792年、フランス革命政府がオーストリアへ宣戦布告したという一報をきいたストラスブール市長は、フランスに国家がないことを嘆き、当時ストラスブール(ドイツ国境近くに位置するアルザス州の州都)のライン方面軍に配属されていたリール大尉に曲の制作を依頼しました。
初めは『ライン軍のための軍歌』(Chant de guerre pour l’armée du Rhin) と題されましたが、後にマルセイユの義勇軍がパリ入城の際に歌ったことで一躍有名となったことで1795年に『ラ・マルセイエーズ』(La Marseillaise) のタイトルで国歌に制定されました。
日本では『マルセイユの歌』のタイトルでも知られています。
『パットン大戦車軍団』のサントラ
『パットン大戦車軍団』はジェリー・ゴールドスミス(Jerry Goldsmith)が音楽を担当しました。
ジェリー・ゴールドスミスは、アメリカ・カリフォルニア州出身の作曲家です。『猿の惑星』や『チャイナタウン』などの音楽を手掛け、『オーメン』で第49回アカデミー作曲賞を受賞しました。
※サントラ収録曲
1. Main Title(メイン・タイトル)
2. The Battleground(戦場)
3. The Cemetery(墓地にて)
4. The First Battle(最初の戦い)
5. The Funeral(葬式)
6. The Hospital(野戦病院にて)
7. The Prayer
8. No Assignment(不承認)
9. Entr’acte(間奏)
10. Attack(攻撃)
11. German Advance(ドイツ軍の進撃)
12. An Eloquent Man(誇り高き男)
13. The Payoff(解任)
14. A Change Of Weather
15. Pensive Patton/End Title

『パットン大戦車軍団』キャスト・スタッフ
監督 | フランクリン・J・シャフナー(Franklin J. Schaffner) |
脚本 | フランシス・フォード・コッポラ(Francis Ford Coppola) |
エドマンド・H・ノース(Edmund H. North) | |
製作 | フランク・マッカーシー(Frank McCarthy) |
音楽 | ジェリー・ゴールドスミス(Jerry Goldsmith) |
配給 | 20世紀フォックス |
公開 | 1970年2月4日 |
1970年6月27日 | |
上映時間 | 172分 |
ジョージ・パットン米陸軍大将:ジョージ・C・スコット(George C. Scott)
オマール・ブラッドレー米陸軍大将:カール・マルデン(Karl Malden)
エルヴィン・ロンメル独陸軍元帥:カール・ミヒャエル・フォーグラー(Karl Michael Vogler)
バーナード・モントゴメリー英陸軍元帥:マイケル・ベイツ(Michael Bates)
ウォルター・ベデル・スミス米陸軍少将:エドワード・ヴィンス(Edwards Vince)
ホバート・カーヴァー米陸軍准将:マイケル・ストロング(Michael Strong)
アルフレート・ヨードル独陸軍大将:リヒャルト・ミュンヒ(Richard Muench)
オスカル・シュタイガー独陸軍大尉:ジークフリート・ラオホ(Siegfried Rauch)
チェスター・ハンセン米陸軍大尉:スティーヴン・ヤング(Stephen Young)
チャールズ・コッドマン米陸軍中佐:ポール・スティーブンス(Paul Stevens)
ヘンリー・ダヴェンポート米陸軍中佐:フランク・ラティモア(Frank Latimore)
ルシアン・トラスコット米陸軍少将:ジョン・ダウセット(John Doucette)
ハロルド・アレキサンダー英陸軍大将:ジャック・グウィリム(Jack Gwillim)
アーサー・カニンガム英空軍少将:ジョン・バリー(John Barrie)
アーサー・テッダー英空軍大将:ジェラルド・フルード(Gerald Flood)
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