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映画コラム

Happy Birthdayの歌が映画で使われにくかった理由とは?

日本でも誕生日を祝う曲として定番の歌『Happy Birthday to You』

世界で最も歌われている英語の曲として1998年にギネス世界記録に認定されていますが、古い映画やドラマの中で歌われているシーンを見つけるのは意外と困難です。

その理由について、調査してみました。

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Happy Birthdayの歌について

『Happy Birthday』の原曲は、1893年にアメリカ人のヒル姉妹が作詞・作曲した『Good Morning to All』です。

19世紀末、ヒル姉妹の姉パティ(Patty)は、米・ケンタッキー州ルイビルにある幼稚園の校長を務めていました。妹のミルドレッド(Mildred)はピアニスト兼作曲家で、姉と共に『Good Morning to All(意味:みなさん、おはよう)』という曲を幼稚園の生徒のために作ったそうです。

いつ『Happy Birthday』の歌詞がうまれたのかは定かではありませんが、最も古い正式な記録は1924年にサミー社から出版された楽譜で、『Good Morning to All』の2番目の歌詞として掲載されました。

著作権論争

『Happy Birthday』の歌は、たちまちアメリカ全土に広まったといわれています。

1931年にはブロードウェイミュージカル『バンド・ワゴン』で、1933年には同じくミュージカル『アズ・サウザンズ・チア(As Thousands Cheer)』で、楽曲が無断使用され、ヒル姉妹とサミー社が裁判を起こします。しかし、当時の著作権法では保護されなかったため、訴えは棄却されてしまいます。

1935年にはサミー社のクレイトン・サミー(Clayton Summy)とヒル姉妹が共有名義で著作権を登録し、『Happy Birthday』の歌を映画やテレビで使う際には、使用料を払わないといけなくなり、

これが、長きにわたる著作権論争の幕開けとなったのです。

高額な使用料が疑問視されるように

『Happy Birthday』の歌は、世界各国で歌われる歌となりましたが、著作権の関係から、使用が難しい曲として、映画・TV業界では知られることとなります。

1988年、サミー社をワーナー・ミュージック・グループが買収したことで、『Happy Birthday』の著作権はワーナー社に帰属し、年間200万ドルもの使用料を徴収することが話題となりました。

ドキュメンタリー映画「フープ・ドリームス」では、家族で『Happy Birthday』の曲を歌うシーンがでてくるため、5000ドルの使用料を支払わなくてはなりませんでした。

映画制作者たちが訴訟を起こす

2000年台後半、アメリカの著作権期間延長法の論争により、『Happy Birthday』の著作権問題が注目を集めるようになります。

これまで、ほとんどの映画作品では、パブリックドメインの『For He’s A Jolly Good Fellow』を歌うことで、『Happy Birthday』の曲を歌わないことをチョイスしていましたが、『Happy Birthday』はパブリックドメインなのではないかという議論が起きたのです。

そして、2013年、映画制作者ジェニファー・ネルソンが著作権を有するワーナー/チャペル社に対して集団訴訟を起こします。

この訴訟は2015年9月に連邦判事がワーナー/チャペル社の著作権主張は無効であると宣言し、ワーナー/チャペル社が損害賠償金を払う代わりに1400万ドルの和解金をしはらうことで解決しました。

この訴訟により、『Happy Birthday』はパブリックドメインとして使用できるようになったのです。

文・構成
Filmmusik 管理人

映画の素晴らしさをもっと多くの人に伝えられたら…そんな気持ちでFilmlmusikを開設。
音楽・映画好きの管理人自ら執筆しています。

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