1979年アメリカで製作された『地獄の黙示録』(原題:Apocalypse Now)は、フランシス・フォード・コッポラ監督による戦争映画です。イギリスの作家、ジョゼフ・コンラッドによる小説『闇の奥』の舞台を、1969年ベトナム戦争に置き換え、壮大なスケールで描きました。
第32回カンヌ国際映画祭ではパルム・ドールを受賞しました。
『地獄の黙示録』の挿入曲
『地獄の黙示録』の挿入曲を紹介していきます。 (ネタバレにご注意ください)
この作品は現時点で3つのエディションが作られていますが、今回は劇場公開版に沿って作成しています。
- 劇場公開版(上映時間153分)
- 特別完全版(上映時間202分)
- ファイナル・カット(上映時間182分)
特別完全版はコッポラ監督自身による再編集版で2001年にリリース、ファイナル・カットは公開40周年を記念し2019年にリリースされました。
エディションにより、シーンの順番が違うので、ご注意ください。
オープニング
ジ・エンド
Artist | ドアーズ(The Doors) 1965年にカリフォルニア州ロサンゼルスで結成されたアメリカのロックバンド。 |
リリース | 1967年 |
作曲者 | ジム・モリソン(Jim Morrison, 1943-1971) レイ・マンザレク(Ray Manzarek, 1939-2013) ジョン・デンスモア(John Densmore) ロビー・クリーガー(Robby Krieger) |
この曲は、「映画冒頭ウィラード大尉が指令待ちをしているホテルの部屋で泥酔しドレッサーの鏡を叩き割るシーン」と「エンディング」でも流れています。
ラジオから流れる曲(ランスが水上スキーをするシーン)
米軍ベトナム放送のラジオDJが「懐かしいヒット曲」と紹介するリクエスト曲
邦題『サティスファクション』
Artist | ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones) 1962年にロンドンで結成されたイギリスのロックバンド。バンド名は、シカゴブルースの父、マディー・ウォーターズの名曲『Rollin’ Stone』に由来。結成以降一度も解散することなく第一線で精力的に活動し続け、ロック界の最高峰に君臨するバンド。 |
リリース | 1965年 |
作曲者 | ジャガー/リチャーズ(Jagger–Richards) ミック・ジャガー(Mick Jagger) キース・リチャーズ(Keith Richards) |
ヘリコプター部隊が襲撃直前に流す曲
楽劇《ワルキューレ》 第3幕より「ワルキューレの騎行」
作曲者 | リヒャルト・ワーグナー(Richard Wagner, 1813-1883) 19世紀のドイツの作曲家/指揮者/思想家。 |
作曲年 | 1856年 |
Artist | ゲオルク・ショルティ(Georg Solti, 1912-1997) イギリス国籍を持つハンガリー出身の指揮者/ピアニスト。 |
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(Wiener Philharmoniker) オーストリア・ウィーンに本拠を置くオーケストラ。1842年設立。 |
「ワルキューレ」とは、北欧神話に出てくる半神半人の女戦士で、戦場で戦う兵士の運命を決める軍団の名前です。楽劇では、武装した8人のワルキューレが翼の生えた馬に乗り岩山に集まる場面で流れています。
この映画では、兵士の士気を高め、住民の恐怖心を煽る神経戦術として、ヘリコプターに積んだスピーカーから大音量で流されます。
シェフが手紙を書いている時にクリーンが歌う曲
シェフは、ジャングルで虎に遭遇した事を愛する人への手紙に書いています。
レット・ザ・グッド・タイムス・ロール
Artist | シャーリー&リー(Shirley & Lee) ニューオーリンズ出身のR&Bの男女ボーカル・デュオ。ロマンチックな男女関係をテーマとした楽曲を多く発表し人気を博した。 |
リリース | 1956年 |
作曲者 | シャーリー&リー(Shirley & Lee) シャーリー・グッドマン(Shirley Goodman, 1936-2005) レオナルド・リー(Leonard Lee, 1935-1976) |
雑誌「PLAYBOY」のプレイメイトによる慰問コンサート
スージーQ
Artist cover ver. | フラッシュ・キャデラック(Flash Cadillac) 1969年にコロラド大学で結成されたロックバンド。 1973年のアメリカ青春映画『アメリカン・グラフィティ』、1975年のテレビドラマ『ハッピー デイズ』に架空バンド「Herby and the Heartbeats」として出演したことで知られる。 |
リリース | 1979年 |
作曲者 | デイル・ホーキンス(Dale Hawkins, 1936-2010) ルイジアナ州出身のロカビリー歌手/ソングライター/リズムギタリスト。 |
スタン・ルイス(Stan Lewis, 1927-2018) アメリカのインディーズ・レーベル「Jewel Records」のオーナー。 | |
エレノア・ブロードウォーター(Eleanor Broadwater) アメリカのソングライター。ナッシュビルで活躍したディスクジョッキー、ジーン・ノーブルズ(Gene Nobles)の妻。 | |
Original ver. | 1957年:デイル・ホーキンス(Dale Hawkins, 1936-2010) ルイジアナ州出身のロカビリー歌手/ソングライター/リズムギタリスト |
エンデイング
ジ・エンド
Artist | ドアーズ(The Doors) 1965年にカリフォルニア州ロサンゼルスで結成されたアメリカのロックバンド。 |
リリース | 1967年 |
作曲者 | ジム・モリソン(Jim Morrison, 1943-1971) レイ・マンザレク(Ray Manzarek, 1939-2013) ジョン・デンスモア(John Densmore) ロビー・クリーガー(Robby Krieger) |
「オープニング」でもこの曲が使われていました。
『地獄の黙示録』のサントラ
『地獄の黙示録』はカーマイン・コッポラ(Carmine Coppola)と監督フランシス・フォード・コッポラが音楽を担当しました。カーマイン・コッポラは、監督フランシス・フォード・コッポラの父で、映画音楽作曲家として知られています。
『ゴッドファーザー PART II』(1974)でも音楽を担当し、アカデミー作曲賞を受賞しました。
『地獄の黙示録』キャスト・スタッフ
監督 | フランシス・フォード・コッポラ(Francis Ford Coppola) |
脚本 | ジョン・ミリアス(John Milius) |
フランシス・フォード・コッポラ(Francis Ford Coppola) | |
マイケル・ハー(ナレーション)(Michael Herr) | |
原作 | ジョゼフ・コンラッド(Joseph Conrad) |
製作 | フランシス・フォード・コッポラ(Francis Ford Coppola) |
音楽 | カーマイン・コッポラ(Carmine Coppola) |
フランシス・フォード・コッポラ(Francis Ford Coppola) | |
配給 | ユナイテッド・アーティスツ(1979年) |
ミラマックス(2001年) | |
日本ヘラルド映画(1980年、2001年) | |
KADOKAWA(2020年) | |
公開 | 1979年8月15日 |
1980年3月15日 | |
上映時間 | 153分(劇場公開版) |
202分(特別完全版) | |
182分(ファイナル・カット) |
ウォルター・E・カーツ大佐:マーロン・ブランド(Marlon Brando)
ビル・キルゴア中佐:ロバート・デュヴァル(Robert Duvall)
ベンジャミン・L・ウィラード大尉:マーティン・シーン(Martin Sheen)
ジェイ・“シェフ”・ヒックス:フレデリック・フォレスト (Frederic Forrest)
ランス・B・ジョンソン:サム・ボトムズ(Sam Bottoms)
タイロン・“クリーン”・ミラー:ラリー・フィッシュバーン(Laurence Fishburne)
ジョージ・“チーフ”・フィリップス:アルバート・ホール(Albert Hall)
ルーカス大佐:ハリソン・フォード(Harrison Ford)
報道写真家:デニス・ホッパー(Dennis Hopper)
コーマン将軍:G・D・スプラドリン(G.D.Spradlin)
CIAエージェント:ジェリー・ジーズマー(Jerry Ziesmer)
コルビー大尉:スコット・グレン(Scott Glenn)
マイク:ケリー・ロッサル(Kerry Rossall)
負傷兵:ロン・マックイーン(Ron McQueen)
配給係の軍曹:トム・メイソン(Tom Mason)
キャリー:シンシア・ウッド(Cyntia Wood)
テリー:コリーン・キャンプ(Colleen Camp)
サンドラ:リンダ・カーペンター(Linda Carpenter)
ローチ:ハーブ・ライス(Herb Rice)
ジョニー:ジェリー・ロス(Jerry Ross)
ユベール・ド・マレ:クリスチャン・マルカン(Christian Marquand)
ロクサンヌ・サロー:オーロール・クレマン(Aurore Clément)
パイロット:R・リー・アーメイ(Ronald Lee Ermey)
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