1986年、アメリカで制作された映画『プラトーン』(原題:Platoon)は、ベトナム戦争の現実を描いた戦争映画です。ベトナム帰還兵のオリバー・ストーン監督が実体験に基づき制作しました。1967年、大学を中退し志願兵としてアメリカ陸軍に入隊した男クリス・テイラーがベトナムで体験したことが描かれています。
第59回アカデミー賞では作品賞・監督賞など4部門を受賞しました。
『プラトーン』の挿入曲
『プラトーン』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)
オープニング
1967年9月、@カンボジア国境付近
弦楽のためのアダージョ Op.11
作曲者 | サミュエル・バーバー(Samuel Barber, 1910-1981) アメリカの作曲家/ピアニスト/指揮者/バリトン歌手/音楽教育者。 |
作曲年 | 1936年 |
『弦楽のためのアダージョ』は、アメリカの作曲家サミュエル・バーバーが自身の作品『弦楽四重奏曲 ロ短調 Op.11』の第2楽章を弦楽合奏用に編曲したものです。『バーバーのアダージョ』とも呼ばれています。
1938年に、アルトゥーロ・トスカニーニ指揮、NBC交響楽団によって初演されました。
この曲は、第32代アメリカ合衆国大統領フランクリン・D・ルーズベルトの死の発表時にラジオで放送されてから、アルバート・アインシュタイン、ジョン・F・ケネディ大統領、モナコのグレース王女などの葬儀でも使用され、個人の訃報や葬送、惨事の慰霊祭などの定番曲として使われるようになりました。
この後以下のシーンでもこの曲が使われています。
「エリアスが銃撃に倒れる」
「米兵が村を焼き払う」
「兵達が雨の中、熱帯雨林を進んでいく」
「エリアスが銃撃に倒れる」
「エンディング & エンドクレジット」
テイラーが列に加わり任務に向かう(兵士が歌う曲)
邦題『おおスザンナ』
作曲者 | スティーブン・フォスター(Stephen Foster, 1826-1864) アメリカの作曲家。ミンストレル・ショーでの曲を主に書いた19世紀半ばのアメリカを代表する歌曲作曲家。「アメリカ音楽の父」と称される。 |
出版年 | 1848年 |
『おおスザンナ』(Oh! Susanna)は、アメリカの作曲家スティーブン・フォスターが作ったミンストレル・ソングです。
1847年にペンシルバニア州ピッツバーグでのコンサートで地元のクインテットによって初めて演奏され、1848年に出版されました。
テイラーがエリアス達の溜まり場に連れて来られる
ホワイト・ラビット
Artist | ジェファーソン・エアプレイン(Jefferson Airplane) 1965年にサンフランシスコで結成されたアメリカのロックバンド。 |
リリース | 1967年 |
作曲者 | グレイス・スリック(Grace Slick) アメリカのシンガーソングライター/画家、1939年生まれ。 ジェファーソン・エアプレイン、スターシップの元メンバー。 |
『White Rabbit』は、ジェファーソン・エアプレインの顔とも言える女性ヴォーカリスト、グレイス・スリックが、バンド加入前の1965年に制作した曲です。加入後にリリースされた2作目のアルバム『シュールリアリスティック・ピロー』(Surrealistic Pillow) に収録されています。このアルバムをきっかけにジェファーソン・エアプレインは一気にブレークしました。
『不思議の国のアリス』をモチーフに使いドラックの幻覚作用を比喩的に表現した曲だと言われています。
兵舎のラジオから流れる曲(バーンズ達がカードゲームをする)
邦題『さすらいの流れ者』
Artist | マール・ハガード(Merle Haggard, 1937-2016) アメリカのカントリー歌手/ソングライター/ギタリスト/フィドル奏者。 サン・クエンティン刑務所に服役中、慰問コンサートに訪れたジョニー・キャッシュのステージに感銘をうけ音楽の道を志すようになる。1960年に釈放され3年後にレコードデビュー。『Okie from Muskogee』(1969) 、『The Fightin’ Side of Me』(1970) といったヒット曲で労働者階級や異端者を代弁する存在になった。 |
リリース | 1969年 |
作曲者 | マール・ハガード |
エディ・バーンズ(Eddie Burris) アメリカのドラマー。 |
『Okie from Muskogee』は、ベトナム戦争の抗議活動を見て書かれた曲だといわれています。
ハイになったテイラー達が歌い踊る曲
トラックス・オブ・マイ・ティアーズ
Artist | スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズ(Smokey Robinson & The Miracles) デトロイト出身のアメリカのR&Bヴォーカルグループ。 モータウンの創立者の1人で、長く副社長を務めたミュージシャン、スモーキー・ロビンソンを中心として活躍し、60年代に一世を風靡した。 |
リリース | 1965年 |
作曲者 | スモーキー・ロビンソン(Smokey Robinson) アメリカの歌手/ソングライター/音楽プロデューサー、1940年ミシガン州デトロイト生まれ。モータウンの創立者の1人。ボーカルグループ「ミラクルズ」(The Miracles) のフロントマンとして活躍し、その後長く副社長を務めた。 |
マーヴィン・タープリン(Marvin Tarplin, 1941-2011) アメリカのギタリスト/ソングライター。ボーカルグループ「ミラクルズ」(The Miracles) の創設メンバー。 | |
ウォーレン・ムーア(Warren Moore, 1938-2017) アメリカのシンガーソングライター/音楽プロデューサー。ボーカルグループ「ミラクルズ」(The Miracles) の創設メンバー。 |
兵士達が村を焼き払う
弦楽のためのアダージョ Op.11
作曲者 | サミュエル・バーバー(Samuel Barber, 1910-1981) アメリカの作曲家/ピアニスト/指揮者/バリトン/音楽教育者。 |
作曲年 | 1936年 |
「オープニング」でもこの曲が使われていました。
また、この後以下のシーンでもこの曲が使われています。
「兵士が村を焼き払う」
「兵士達が雨の中、熱帯雨林を進んでいく」
「エリアスが銃撃に倒れる」
「エンディング & エンドクレジット」
『プラトーン』のサントラ
『プラトーン』はジョルジュ・ドルリュー(Georges Delerue)が音楽を担当しました。
ジョルジュ・ドルリューは、フランス出身の作曲家です。フランソワ・トリュフォーとのタッグで知られています。ジャン=リュック・ゴダールの『軽蔑』やジョージ・ロイ・ヒルの『リトル・ロマンス』の映画音楽も手掛けています。

『プラトーン』キャスト・スタッフ
監督 | オリバー・ストーン(Oliver Stone) |
脚本 | オリバー・ストーン(Oliver Stone) |
製作 | アーノルド・コペルソン(Arnold Kopelson) |
音楽 | ジョルジュ・ドルリュー(Georges Delerue) |
配給 | ワーナー・ブラザースン・メイヤー |
公開 | 1986年12月19日 |
1987年4月29日 | |
上映時間 | 120分 |
クリス・テイラー:チャーリー・シーン(Charlie Sheen)
ボブ・バーンズ二等軍曹:トム・ベレンジャー(Tom Berenger)
ゴードン・エリアス三等軍曹:ウィレム・デフォー(Willem Dafoe)
ウォルフ中尉:マーク・モーゼス(Mark Moses)
ハリス大尉:デイル・ダイ(Dale Dye)
キング:キース・デイヴィッド(Keith David)
ビッグ・ハロルド:フォレスト・ウィテカー(Forest Whitaker)
フランシス:コーリー・グローヴァー(Corey Glover)
ラー:フランチェスコ・クイン(Francesco Quinn)
ガーター・ラーナー:ジョニー・デップ(Johnny Depp)
クロフォード:クリス・ペダーセン(Chris Pedersen)
マニー・ワシントン:コーキー・フォード(Corkey Ford)
ドク・ゴメス:ポール・サンチェス(Paul Sanchez)
バニー:ケヴィン・ディロン(Kevin Dillon)
レッド・オニール三等軍曹:ジョン・C・マッギンリー(John C. McGinley)
ウォーレン三等軍曹:トニー・トッド(Tony Todd)
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