2017年にアメリカで制作された映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』(原題:The Beguiled)は、1864年南北戦争真っ只中のバージニア州にある女子学園を舞台に描かれるサイコスリラー映画です。トーマス・カリナンによる同名小説の映画化で、1971年にはドン・シーゲル監督によっても映画化されています。(『白い肌の異常な夜』クリント・イーストウッド主演 )
タイトルの「Beguiled」は、英語で「だます・あざむく、魅了する、気を紛らわせる」などの意味があります。
第70回カンヌ国際映画祭ではソフィア・コッポラが監督賞を受賞しました。
『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』の挿入曲
『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)
オープニングタイトル
Lorena
作曲:Oona Laurence、Henry D.L. Webster
『ロレーナ』(Lorena)は、ヘンリー・D・L・ウェブスターという牧師が別れた女性について書いた詩で作られたバラードです。1857年にシカゴで出版され、南北戦争中に双方の兵士の間で流行しました。
牧師の詩は、女性からの別れのメモに書かれていた「If we try, we may forget」という一節を引用して作られています。
きのこを採りに森を訪れたエイミーがハミングする曲
1864年(南北戦争3年目)@アメリカ バージニア州
この後以下のシーンでもこの曲が使われています。
「少女たちがマクバーニーのために歌う曲」
「エンドクレジット」
エイミーがバルコニーで望遠鏡をのぞきながら歌う曲
Aura Lea
作曲:George R. Poulton、W.W. Fosdick
『Aura Lea』は、1861年に出版されたバラードです。当時流行していたミンストレル・ショーで演奏され人気となり、南北戦争時に兵士の間で流行しました。
米陸軍士官学校での卒業生の歌『Army Blue』や、エルヴィス・プレスリーの『ラヴ・ミー・テンダー』では、この曲のメロデイが使われています。
少女たちがマクバーニーのために歌う曲
Lorena
作曲:Oona Laurence、Henry D.L. Webster
南北戦争中に兵士の間で流行った『ロレーナ』(Lorena)です。
「オープニングタイトル」
「エンドクレジット」でもこの曲が使われています。
マクバニーを招いてのディナーでジェーンがヴァイオリンで弾く曲
Violin Concerto in B Minor, Op.35 – II. Andante
作曲:Oskar Rieding
オスカー・リーディング作曲の『ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 作品35』より第2楽章。
オスカー・リーディングは、1846年生まれのドイツのヴァイオリニスト/音楽教師です。中級レベルの学習者のためのヴァイオリンの作品を多く作り、現在でもよく演奏されています。
マクバニーを招いてのディナーでジェーンがピアノで演奏する曲
Virginia Belle
作曲:Stephen Foster
『Virginia Belle』は、アメリカの作曲家スティーブン・フォスターが1860年に作った曲です。
『ヴァージニアの美人』の邦題がつけられています。
エンデイング、エンドクレジット 1曲目
Beguiled Theme
アーティスト:Phoenix
『Beguiled Theme』は、映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』のオリジナルサウンドトラックです。映画の音楽を担当したフランスのインディー・ロックバンド、フェニックス(Phoenix)の作品です。
エンドクレジット 2曲目
Lorena
作曲:Oona Laurence、Henry D.L. Webster
南北戦争中に兵士の間で流行った『ロレーナ』(Lorena)です。
エイミーを演じたアメリカの女優ウーナ・ローレンスがアカペラで歌っています。
「オープニングタイトル」
「少女たちがマクバーニーのために歌う曲」でもこの曲が使われていました。
『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』のサントラ
『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』はフェニックス(Phoenix)が音楽を担当しました。フェニックスは、フランス・ベルサイユで結成されたポップバンドです。リードシンガーのトーマス・マーズは2011年にソフィア・コッポラと結婚しました。
『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』キャスト・スタッフ
監督 | ソフィア・コッポラ(Sofia Coppola) |
脚本 | ソフィア・コッポラ(Sofia Coppola) |
原作 | トーマス・カリナン(Thomas P. Cullinan) |
製作 | ユーリー・ヘンリー(Youree Henley) |
ソフィア・コッポラ(Sofia Coppola) | |
音楽 | フェニックス(Phoenix) |
配給 | アスミック・エース/STAR CHANNEL MOVIES |
公開 | 2017年6月23日 |
2018年2月23日 | |
上映時間 | 94分 |
ジョン・マクバニー:コリン・ファレル(Colin Farrell)
マーサ・ファーンズワース:ニコール・キッドマン(Nicole Kidman)
エドウィナ・モロー:キルスティン・ダンスト(Kirsten Dunst)
アリシア:エル・ファニング(Elle Fanning)
エイミー:ウーナ・ローレンス(Oona Laurence)
ジェーン:アンガーリー・ライス(Angourie Rice)
マリー:アディソン・リッケ(Addison Riecke)
エミリー:エマ・ハワード(Emma Howard)
陸軍大尉:ウェイン・ペレ(Wayne Pere)
ソフィア・コッポラが監督した映画
コメント