1994年にイギリスで制作された映画『フォー・ウェディング』(原題:Four Weddings and a Funeral)は、4度の結婚式を通し、愛や結婚について悩む男女の機微を描いたロマンチック・コメディです。
第67回アカデミー賞では作品賞・脚本賞にノミネートされました。
- 『フォー・ウェディング』の挿入曲
- 結婚式1 – パーティでゲストがチークダンスをする(バンドの演奏)
- 結婚式1 – オルガンで演奏される曲(入場シーン)
- 結婚式1 – 皆が歌う賛美歌
- 結婚式1 – 男女がギター伴奏で歌う
- 結婚式1 – オルガンで演奏される曲(退場シーン)
- 結婚式1 – パーティで花婿と花嫁がダンスをする(バンドの演奏)
- 結婚式1 – パーティでダンスをするキャリーをチャールズが見つめる(バンドの演奏)
- 結婚式1 – パーティでゲストがチークダンスをする(バンドの演奏)
- 結婚式1 – パーティでゲストがチークダンスをする(男女デュオが歌う)
- 結婚式2 – オルガンで演奏される曲
- 結婚式2 – パーティでチャールズの弟が女性とダンスを踊る
- チャールズがキャリーのウェディングドレス選びを付き合う
- 結婚式3 – バグパイプで演奏される曲(式場から移動するシーン)
- 結婚式3 – パーティーで新郎のスピーチの後に皆が歌う曲
- 結婚式4 – オルガンで演奏される曲
- エンドクレジット 1曲目
- エンドクレジット 2曲目
- 『フォー・ウェディング』のサントラ
- 『フォー・ウェディング』キャスト・スタッフ
『フォー・ウェディング』の挿入曲
『フォー・ウェディング』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)
結婚式1 – パーティでゲストがチークダンスをする(バンドの演奏)
バット・ノット・フォー・ミー
Artist cover ver. | エルトン・ジョン(Elton John) イギリスのミュージシャン/歌手/ソングライター、1947年生まれ。 全世界で3億枚以上のレコード・セールスを記録した「史上最も売れている音楽アーティスト」の1人。 |
リリース | 1994年:Soundtrack『フォー・ウェディング』 |
作曲者 | ジョージ・ガーシュウィン(George Gershwin, 1898-1937) アメリカの作曲家/ピアニスト。 15歳からティン・パン・アレーで試演ピアニストとして働き、ブロードウェイで曲を書くようになり『スワニー』(1919) で成功を収める。その後、作詞家となった兄アイラと組んでレビューやミュージカル向けにポピュラー・ソングを送り出し、数多くのスタンダード・ナンバーを残す。 『ラプソディ・イン・ブルー』『パリのアメリカ人』などジャズとクラシックを融合させた作品で世界的に評価され、20世紀アメリカを代表する作曲家として知られる。 |
アイラ・ガーシュウィン(Ira Gershwin, 1896-1983) アメリカの作詞家。ジョージ・ガーシュウィンの兄。 1924年から弟ジョージとソングライティング・チームを組み、20世紀を代表する数多くの楽曲を残した。 | |
Original ver. | 1930年:ブロードウェイミュージカル『ガール・クレイジー』 ジンジャー・ロジャース&ウィリー・ハワード(Ginger Rogers and Willie Howard) |
『But Not For Me』は、1930年初演のブロードウェイミュージカル『ガール・クレイジー』(Girl Crazy)のために作られました。
このミュージカルは、学業に専念させる目的で田舎に移されたプレイボーイの若い男性が地元で人気の魅力的な女性に一目惚れをすることから始まるストーリーで、1943年にはジュディ・ガーランドとミッキー・ルーニー主演により映画化されました。
この後「チャールズがキャリーのウェディングドレス選びを付き合う」でもこの曲が使われていました。
結婚式1 – オルガンで演奏される曲(入場シーン)
歌劇《ローエングリン》 第3幕 より、婚礼の合唱「真心込めて先導いたします」
作曲者 | リヒャルト・ワーグナー(Richard Wagner, 1813-1883) 19世紀のドイツの作曲家/指揮者/思想家。 |
作曲年 | 1845年から1848年の間 |
『ローエングリン』は、19世紀のドイツの作曲家ワーグナーがローエングリンの伝説を基に台本も自身で手掛け作曲したオペラです。1850年、ピアニスト/作曲家として名高いフランツ・リストの指揮で初演されました。
結婚式1 – 皆が歌う賛美歌
チャールズが指輪を忘れてきて代わりのものを探すシーン
聖歌『エルサレム』
作曲者 | ウィリアム・ブレイク(William Blake, 1757-1827) イギリスの詩人/画家/銅版画職人/編集者。 |
ヒューバート・パリー(Hubert Parry, 1848-1918) イギリスの作曲家/教育者。 | |
作曲年 | 1916年 |
聖歌『エルサレム』は、第一次世界大戦時にイギリス国民の愛国心を高める目的で作られた合唱曲です。
18世紀のイギリスの詩人ウィリアム・ブレイクの預言詩『ミルトン』(Milton)の序詩にヒューバート・パリーが曲をつける形で作られ、1922年にエドワード・エルガー(Edward Elgar)によって編曲され管弦楽伴奏版も作られました。
イギリス国王ジョージ5世がエルガーの管弦楽版を気に入り、代替国歌として扱われるようになりました。
現在ではイギリスの第二の国歌と呼ばれ、ロンドンで毎年夏に開催される「BBCプロムス」の最終夜では『国王陛下万歳』(God Save the King)、エルガーの『希望と栄光の国』と共にこの曲が必ず演奏されます。また、ラグビーリーグを含むいくつかのスポーツではイギリス国歌として使用されています。
結婚式1 – 男女がギター伴奏で歌う
Artist cover ver. | バリー・マニロウ(Barry Manilow) アメリカの歌手/作曲家/プロデューサー、1943年ニューヨーク生まれ。 |
リリース | 1978年 |
作曲者 | クリストファー・アーノルド(Christopher Arnold) イギリスのソングライター。 |
デイヴィッド・マーティン(David Martin) イギリスのソングライター/歌手。 | |
ジェフ・モロウ(Geoff Morrow) イギリスのソングライター、1942年生まれ。 | |
Original ver. | 1975年:デイヴィッド・マーティン(David Martin) |
結婚式1 – オルガンで演奏される曲(退場シーン)
アイランド・プリンセス – トランペット・チューン/ベル・シンフォニー Z.49
作曲者 | ヘンリー・パーセル(Henry Purcell, 1659-1695) イギリスの作曲家。 17世紀後半に王室付音楽家として賛歌、頌歌、戴冠式のための音楽などの作曲に従事し名声を高め、その後オペラ作曲家として40を超える劇付随音楽を作曲。「英国のオルフェウス」と称えられた。 |
結婚式1 – パーティで花婿と花嫁がダンスをする(バンドの演奏)
クロコダイル・ロック
Artist cover ver. | エルトン・ジョン(Elton John) イギリスのミュージシャン/歌手/ソングライター、1947年生まれ。 全世界で3億枚以上のレコード・セールスを記録した「史上最も売れている音楽アーティスト」の1人。 |
リリース | 1972年 |
作曲者 | エルトン・ジョン(Elton John) |
バーニー・トーピン(Bernie Taupin) イギリス系アメリカ人の作詞家、1950年生まれ。エルトン・ジョンとの共作で知られる。 | |
結婚式1 – パーティでダンスをするキャリーをチャールズが見つめる(バンドの演奏)
邦題『恋のサバイバル』
Artist cover ver. | グロリア・ゲイナー(Gloria Gaynor) アメリカの歌手、1943年ニュージャージー州ニューアーク生まれ。 ディスコ・ミュージックでの活躍で知られる。 |
リリース | 1978年 |
作曲者 | ディーノ・フェカリス(Dino Fekaris) アメリカの音楽プロデューサー/ソングライター、1945年ミシガン州デトロイト生まれ。 代表曲『恋のサバイバル』 |
フレディ・ペレン(Freddie Perren, 1943-2004) アメリカのソングライター/レコードプロデューサー/アレンジャー/オーケストラ指揮者。 代表曲『恋のサバイバル』『Shake Your Groove Thing』 |
『I Will Survive』は、全米1位を記録したディスコ・ナンバーの代名詞的作品です。
恋人に捨てられた主人公が、喪失感を乗り越え新たな人生を歩み出す強い意志が表現されていて、女性開放のアンセムとして絶大な支持を受けました。また、ゲイ・アンセム(LGBTの賛歌)を代表する一曲としても知られています。
結婚式1 – パーティでゲストがチークダンスをする(バンドの演奏)
チャールズとキャリーが会話をするシーン
邦題『愛にすべてを』
Artist cover ver. | ウェット・ウェット・ウェット(Wet Wet Wet) 1982年に結成されたスコットランドのソフトロックバンド。 |
リリース | 1994年 |
作曲者 | レッグ・プレスリー(Reg Presley, 1941-2013) イギリスのシンガーソングライター。 ブリティッシュビートバンド「ザ・トロッグス」(The Troggs) のリードシンガー。 |
Original ver. | 1967年:ザ・トロッグス(The Troggs) 1964年に結成されたブリティッシュ・ビート・バンド。 |
この後「エンドクレジット 2曲目」でもこの曲が使われています。
結婚式1 – パーティでゲストがチークダンスをする(男女デュオが歌う)
Artist | タミー・ワイネット(Tammy Wynette, 1942-1998) カントリーミュージックのシンガーソングライター、1942年ミシシッピ州イウカ生まれ。 70年代から80年代初頭にかけて、婚姻関係にあったジョージ・ジョーンズとカントリー・カップルとして活躍した。 |
リリース | 1968年 |
作曲者 | タミー・ワイネット(Tammy Wynette, 1942-1998) |
ビリー・シャーリル(Billy Sherrill, 1936-2015) カントリーアーティスト。 ジョージ・ジョーンズ&タミー・ウィネットの音楽プロデューサー/ソングライター/アレンジャーとして活躍。 |
結婚式2 – オルガンで演奏される曲
オラトリオ「ソロモン」 HWV 67 – 第3幕 シンフォニア「シバの女王の入城」
作曲者 | ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(George Frideric Handel, 1685-1759) イギリスで活躍したドイツ出身の作曲家。 |
作曲年 | 1748年 |
『ソロモン』は、ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデルが1748年に作曲したオラトリオです。
旧約聖書の『列王記』に登場する古代イスラエルの第3代の王「ソロモン」の伝記にもとづき作られました。
ここで使われた「シバの女王の入城」は、単独で演奏されることが多い人気の曲です。
2012年ロンドンオリンピック開会式では、エリザベス2世がパラシュートでスタジアムに舞い降りる演出の際に、ジェームズ・ボンド(演:ダニエル・クレイグ)がバッキンガム宮殿に到着するシーンで使われていました。
結婚式2 – パーティでチャールズの弟が女性とダンスを踊る
邦題『煙が目にしみる』
Artist cover ver. | ニュー・カラーズ(Nu Colours) イギリスのゴスペル/ソウル/ファンク/ニュージャックスウィング・グループ |
作曲者 | ジェローム・カーン(Jerome Kern, 1885-1945) ニューヨーク出身のユダヤ系アメリカ人作曲家。 映画『有頂天時代』(1936)、『レディ・ビー・グッド』(1941) の音楽を担当したことでアカデミー歌曲賞を2度受賞。 代表曲『煙が目にしみる』『イエスタデイズ』 |
オットー・ハルバック(Otto A. Harbach, 1873-1963) アメリカの作詞家/台本作家。 20世紀初頭の主要なブロードウェイ作曲家のジェローム・カーン、ジョージ・ガーシュウィンらと作詞家として協力し数多くの作品を作った。またオスカー・ハマースタイン2世の師としても知られる。 | |
Original ver. | 1933年:ブロードウェイミュージカル『ロバータ』 タマラ・ドラシン(Tamara Drasin, 1905-1943) |
『Smoke Gets In Your Eyes』は、1933年初演のブロードウェイミュージカル『ロバータ』(Roberta)のために作られました。
チャールズがキャリーのウェディングドレス選びを付き合う
バット・ノット・フォー・ミー
Artist cover ver. | エルトン・ジョン(Elton John) |
リリース | 1994年:Soundtrack『フォー・ウェディング』 |
作曲者 | ジョージ・ガーシュウィン(George Gershwin, 1898-1937) |
アイラ・ガーシュウィン(Ira Gershwin, 1896-1983) | |
Original ver. | 1930年:ブロードウェイミュージカル『ガール・クレイジー』 ジンジャー・ロジャース&ウィリー・ハワード(Ginger Rogers and Willie Howard) |
「オープニングクレジット」でもこの曲が使われていました。
結婚式3 – バグパイプで演奏される曲(式場から移動するシーン)
ハイランド・カテドラル
作曲者 | ウルリヒ・ルーファー(Ulrich Roever, 1934-1997) ドイツの音楽プロデューサー/作曲家。 |
ミヒャエル・コープ(Michael Korb) ドイツのミュージシャン。 | |
作曲年 | 1982年 |
『Highland Cathedral』は、グレート・ハイランド・バグパイプのために作られた人気のある曲です。
結婚式3 – パーティーで新郎のスピーチの後に皆が歌う曲
(チャールズがマシューにギャレスのことを伝えに行くシーン)
フォー・ヒズ・ア・ジョリィ・グッド・フェロー
『For He’s a Jolly Good Fellow』は、大切なイベントを祝う席で対象者を祝福する目的で歌われる定番の曲です。
フランス民謡『マルブルーは戦争に行く』が原曲です。
結婚式4 – オルガンで演奏される曲
劇付随音楽《夏の夜の夢》Op.61 – 第9番「結婚行進曲」
作曲者 | フェリックス・メンデルスゾーン(Felix Mendelssohn, 1809-1847) ドイツ・ロマン派の作曲家/指揮者/ピアニスト/オルガニスト。 |
作曲年 | 1842年 |
『夏の夜の夢』は、シェイクスピアの戯曲『夏の夜の夢』をもとに作られた劇付随音楽です。
メンデルスゾーンが17歳の時に書いた作品(序曲『夏の夜の夢』ホ長調 作品21)に感銘をうけたプロイセン国王フリードリヒ・ヴィルヘルム4世の勅命により、その主題を序曲として組み込む形で作られました。
エンドクレジット 1曲目
邦題『愛のチャペル』
Artist cover ver. | エルトン・ジョン(Elton John) イギリスのミュージシャン/歌手/ソングライター、1947年生まれ。 全世界で3億枚以上のレコード・セールスを記録した「史上最も売れている音楽アーティスト」の1人。 |
リリース | 1994年:Soundtrack『フォー・ウェディング』 |
作曲者 | フィル・スペクター(Phil Spector, 1939-2021) アメリカの音楽プロデューサー。 60年代中期から70年代にかけてウォール・オブ・サウンド(Wall of Sound)と呼ばれる独自のサウンドで一世を風靡した。 |
エリー・グリニッチ&ジェフ・バリー(Ellie Greenwich & Jeff Barry) エリー・グレニッチ(Ellie Greenwich, 1940-2009)とジェフ・バリー(Jeff Barry)の夫婦によるソングライター・デュオ。 代表作『キッスでダウン』『ビー・マイ・ベイビー』『愛のチャペル』 | |
Original ver. | 1964年:ディキシー・カップス(The Dixie Cups) 1963年にニューオーリンズで結成されたホーキンズ姉妹とその従姉妹による女性ボーカルグループ。 |
エンドクレジット 2曲目
邦題『愛にすべてを』
Artist cover ver. | ウェット・ウェット・ウェット(Wet Wet Wet) |
リリース | 1994年 |
作曲者 | レッグ・プレスリー(Reg Presley, 1941-2013) |
Original ver. | 1967年:ザ・トロッグス(The Troggs) |
「結婚式1 -パーティでゲストがチークダンスをする(バンドの演奏)」でもこの曲が使われていました。
『フォー・ウェディング』のサントラ
『フォー・ウェディング』はリチャード・ロドニー・ベネット(Richard Rodney Bennett)が音楽を担当しました。
リチャード・ロドニー・ベネットは、イングランド出身の作曲家です。『オリエント急行殺人事件』や『魅せられて四月』など多くの映画音楽を手掛けたことで知られています。
『フォー・ウェディング』キャスト・スタッフ
監督 | マイク・ニューウェル(Mike Newell) |
脚本 | リチャード・カーティス(Richard Curtis) |
製作 | ダンカン・ケンウォーシー(Duncan Kenworthy) |
音楽 | リチャード・ロドニー・ベネット(Richard Rodney Bennett) |
配給 | 東宝東和 |
公開 | 1994年5月13日 |
1994年10月8日 | |
上映時間 | 117分 |
チャールズ:ヒュー・グラント(Hugh Grant)
キャリー:アンディ・マクダウェル(Andie MacDowell)
フィオナ:クリスティン・スコット・トーマス(Kristin Scott Thomas)
ギャレス:サイモン・キャロウ(Simon Callow)
スカーレット:シャーロット・コールマン(Charlotte Coleman)
トム:ジェームズ・フリート(James Fleet)
マシュー:ジョン・ハナー(John Hannah)
デヴィッド:デヴィッド・バウアー(David Bower)
ハミッシュ:コリン・レッドグレイヴ(Corin Redgrave)
ヘンリエッタ:アンナ・チャンセラー(Anna Chancellor)
司祭:ローワン・アトキンソン(Rowan Atkinson)
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