『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』の挿入曲とサントラ | 挿入曲を全曲紹介Filmmusik
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『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』の挿入曲とサントラ

1993年にアメリカで制作された映画『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』(原題:The Age of Innocence)は、アメリカの女流作家イーディス・ウォートンによる同名小説をマーティン・スコセッシが映画化した作品です。

第66回アカデミー賞では5部門にノミネートされ、衣裳デザイン賞を受賞しました。

『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』の挿入曲

『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)

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オープニング

この後、オペラを見るシーンで流れる曲は、『ファウスト』からアリアなどが抜粋・編集され『At the Opera』のタイトルでサントラに収められています。

Faust, Act 1: Introduction
歌劇《ファウスト》- 第1幕 Introduction
作曲者シャルル・グノー(Charles Gounod, 1818-1893)
フランスの作曲家。
優雅で美しい旋律と色彩感に満ちたハーモニーが特徴。「フランス近代歌曲の父」と呼ばれ今日も広く愛されている。
初演1859年:パリ・リリック座

歌劇『ファウスト』は、ドイツの文豪ゲーテの戯曲『ファウスト』を題材にグノーがフランス語で作った全5幕のオペラです。1859年にパリで初演され、その後ヨーロッパやアメリカで上演されるたびに人気を高め、当時最も成功を収めた作品となりました。
日本では1894年11月24日、日清戦争の傷病兵のために開催された「赤十字慈善コンサート」で第1幕が抜粋上演されました。これが日本で初めてのオペラが上演された日と見做されて、11月24日はオペラの日とされています。

ボーフォート邸での舞踏会(最初の曲)

Radetzky March, Op.228
ラデツキー行進曲 Op.228
作曲者ヨハン・シュトラウス1世(Johann Strauss I. 1804-1849)
オーストリアの作曲家/指揮者/ヴァイオリニスト。
ウィーンで絶大な人気を誇り「ワルツ王」と呼ばれたが、死後その名は長男ヨハン・シュトラウス2世に継承され「ワルツの父」と呼ばれるようになる。
作曲年1848年
Artistベルリン放送交響楽団(Rundfunk Sinfonieorchester Berlin)
ベルリンを拠点とするドイツの交響楽団。1923年設立。

ボーフォート邸での舞踏会(アーチャーが応接間を通りぬけホールに入る)

Kaiser Walzer (Emperor Waltz) Op. 437
皇帝円舞曲 Op. 437
作曲者ヨハン・シュトラウス2世(Johann Strauss II. 1825-1899)
19世紀にウィーンを中心に活躍したオーストリアの作曲家/指揮者。
初代「ワルツ王」ヨハン・シュトラウス1世の息子。
ワルツ、ポルカをはじめとする舞踊音楽の名曲を数多く残しワルツの人気と発展に多大な貢献を果たす。父親の死後「ワルツ王」の名を継承しヨーロッパ中で絶大な支持を獲得した。
作曲年1889年
Artistロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(London Philharmonic Orchestra)
イギリスのロンドンに本拠を置くオーケストラ。1932年設立。映画音楽、ゲーム音楽などポピュラー音楽の演奏に携わることが多い。

『皇帝円舞曲』は、ヨハン・シュトラウス2世が1889年に作曲した演奏会用のウィンナ・ワルツです。
『美しく青きドナウ』『ウィーンの森の物語』とともに「三大ワルツ」の一つに数えられる人気のある曲です。

この曲は、ドイツ帝国の首都ベルリンに作られたコンサートホールの「こけら落とし演奏会」のために作られました。ドイツ皇帝とオーストリア=ハンガリー皇帝が臨席することから両国の親善を祝う意味で『Hand in Hand(手に手をとって)』のタイトルで初演され、楽譜の出版時に『皇帝円舞曲』とタイトルが変更されました。

ボーフォート邸での舞踏会(アーチャーとメイが庭のベンチに座り話しをする)

Künstlerleben, Op.316
ワルツ「芸術家の生活」 Op. 316
作曲者ヨハン・シュトラウス2世(Johann Strauss II. 1825-1899)
19世紀にウィーンを中心に活躍したオーストリアの作曲家/指揮者。
初代「ワルツ王」ヨハン・シュトラウス1世の息子。
ワルツ、ポルカをはじめとする舞踊音楽の名曲を数多く残しワルツの人気と発展に多大な貢献を果たす。父親の死後「ワルツ王」の名を継承しヨーロッパ中で絶大な支持を獲得した。
初演1867年
Artistレナード・バーンスタイン(Leonard Bernstein, 1918-1990)
ユダヤ系アメリカ人の指揮者/作曲家/ピアニスト。
ニューヨーク・フィルハーモニック(New York Philharmonic
アメリカのニューヨークを本拠に活動するオーケストラ。1842年設立。
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ボーフォート邸での舞踏会(アーチャーとメイがダンスを踊る)

(映画とは異なるアーティストによる演奏です)
Tales from the Vienna Woods Op.325
ワルツ《ウィーンの森の物語》作品325
作曲者ヨハン・シュトラウス2世(Johann Strauss II. 1825-1899)
19世紀にウィーンを中心に活躍したオーストリアの作曲家/指揮者。
初代「ワルツ王」ヨハン・シュトラウス1世の息子。
ワルツ、ポルカをはじめとする舞踊音楽の名曲を数多く残しワルツの人気と発展に多大な貢献を果たす。父親の死後「ワルツ王」の名を継承しヨーロッパ中で絶大な支持を獲得した。
作曲年1868年
Artistロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(London Philharmonic Orchestra)
イギリスのロンドンに本拠を置くオーケストラ。1932年設立。映画音楽、ゲーム音楽などポピュラー音楽の演奏に携わることが多い。

『ウィーンの森の物語』は、シュトラウスが1868年に作曲した演奏会用のウィンナ・ワルツです。

オーストリアのウィーン郊外やニーダーエスターライヒ州東部に広がる広大な森林地帯「ウィーンの森」の美しさが描写されています。この土地は、11世紀以来19世紀中頃まで王室の狩猟場として使われ、現在では人気のレクリエーションエリアとされています。

ライデン夫妻の晩餐会でアーチャーとエレンが二人きりで話をする

Piano Sonata No.8 in C minor, Op.13 “Pathétique” – II. Adagio cantabile
ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調「悲愴」- 第2楽章 アンダンテ・カンタービレ
作曲者ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven, 1770-1827)
ドイツの作曲家。ウィーンの古典音楽を最高の発展に導き、ロマン派音楽への道を切り開いた音楽史において極めて重要な作曲家の一人。
聴力を失いながらも音楽への情熱を燃やし続け、数々の名曲を生み出したその偉業から日本では「楽聖」として称えられる。
作曲年1799年

『ピアノ・ソナタ 第8番』は、ベートーヴェン27歳の作品です。
ベートーヴェン自身が命名した数少ない作品の一つで、初版譜の表紙に「悲愴」と標題が掲げられていました。


この後「エレンの送別を兼ねた晩餐会、食後に男性達が葉巻を吸い会話を楽しむ」でもこの曲が使われています。

劇場で上演される芝居の劇音楽

String Quintet No. 2 in B-Flat Major, Op. 87 – III. Adagio e lento
弦楽五重奏曲第2番 変ロ長調 Op. 87 – 第3楽章
作曲者フェリックス・メンデルスゾーン(Felix Mendelssohn, 1809-1847)
ドイツ・ロマン派の作曲家/指揮者/ピアニスト/オルガニスト。
作曲年1845年

ボストンで二人きりの時間を過ごした後、エレンがアーチャーのもとから立ち去る

Marble Halls
(The Bohemian Girl, Act II: I Dreamt I Dwelt in Marble Halls)
歌劇《ボヘミアの娘》第2幕「大理石の広間に暮らすことを夢見ていた」
Artistエンヤ(Enya)
アイルランドの歌手/作曲家/音楽プロデューサー/音楽家、1961年生まれ。
リリース1991年
作曲者マイケル・ウィリアム・バルフ(Michael William Balfe, 1808-1870)
アイルランドの作曲家/指揮者。
編曲ニッキー・ライアン(Nicky Ryan)
アイルランドの音楽プロデューサー/レコーディングエンジニア/マネージャー、1949年ダブリン生まれ。
ローマ・ライアン(Roma Ryan)
アイルランドの作詞家/作家/詩人/ビジュアルアーティスト、1950年ベルファスト生まれ。ニッキー・ライアンの妻。

『Marble Halls』は、オペラ『ボヘミアの少女』の第2幕で伯爵令嬢アイリーンが子供時代の漠然とした思い出を歌うアリア『I Dreamt I Dwelt in Marble Halls』(大理石の広間に暮らすことを夢見ていた)をカバーしたものです。

オペラ『ボヘミアの少女』は、1843年にロンドンのドルリー・レーン劇場で初演されました。その後ニューヨーク、ダブリン、フィラデルフィア、シドニーなど世界中で何度も再演されマイケル・ウィリアム・バルフの代表作となりました。

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エレンの送別を兼ねた晩餐会、食後に男性達が葉巻を吸い会話を楽しむ

Piano Sonata No.8 in C minor, Op.13 “Pathétique” – II. Adagio cantabile
ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調「悲愴」- 第2楽章 アンダンテ・カンタービレ
作曲者ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven, 1770-1827)
作曲年1799年

ライデン夫妻の晩餐会でアーチャーとエレンが二人きりで話をする」でもこの曲が使われていました。

『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』のサントラ

『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』はエルマー・バーンスタイン(Elmer Bernstein)が音楽を担当しました。

エルマー・バーンスタインは、アメリカ・ニューヨーク生まれの作曲家です。『荒野の七人』や『アラバマ物語』の音楽を手掛け、『モダン・ミリー』でアカデミー作曲賞を受賞しました。

作曲:Elmer Bernstein
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『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』キャスト・スタッフ

監督マーティン・スコセッシ(Martin Scorsese)
脚本ジェイ・コックス(Jay Cocks)
マーティン・スコセッシ(Martin Scorsese)
原作イーディス・ウォートン(Edith Wharton)
製作バーバラ・デ・フィーナ(Barbara De Fina)
音楽エルマー・バーンスタイン(Elmer Bernstein)
配給コロンビア映画
公開 1993年9月17日
1994年1月22日
上映時間139分

ニューランド・アーチャー:ダニエル・デイ=ルイス(Daniel Day-Lewis)
エレン・オレンスカ:ミシェル・ファイファー(Michelle Pfeiffer)
メイ・ウェランド:ウィノナ・ライダー(Winona Ryder)
ミセス・ウェランド:ジェラルディン・チャップリン(Geraldine Chaplin)
ヘンリー・ヴァン・デル・ライデン:マイケル・ガフ(Michael Gough)
ルイザ・ヴァン・デル・ライデン:アレクシス・スミス(Alexis Smith)
ラリー・レファッツ:リチャード・E・グラント(Richard E. Grant)
テッド・アーチャー:ロバート・ショーン・レナード(Robert Sean Leonard)
ミセス・ミンゴット:ミリアム・マーゴリーズ(Miriam Margolyes)
リビエール:ジョナサン・プライス(Jonathan Pryce)
ジュリアス・ボーフォート:スチュアート・ウィルソン(Stuart Wilson)
レジーナ・ボーフォート:メアリー・ベス・ハート(Mary Beth Hurt)
レタブレア:ノーマン・ロイド(Norman Lloyd)
シラトン・ジャクソン:アレック・マッコーエン(Alec McCowen)
アーチャー夫人:シアン・フィリップス(Siân Phillips)
ナレーション:ジョアン・ウッドワード(Joanne Woodward)

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