2014年にアメリカで制作された映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』(原題:Birdman or The Unexpected Virtue of Ignorance)は、落ち目の俳優リーガンが再起をかけブロードウェイに挑戦する様子を描いたブラック・コメディです。アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥが監督をつとめ、マイケル・キートンがリーガンを演じました。
第87回アカデミー賞では作品賞を含む4部門を受賞しました。
- 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』の挿入曲
- ローラがリーガンに妊娠を告げ去って行く
- プレビュー初日、マイクがジンを水にすり替えられことに気付き暴れ出す
- リーガンと口論したサムが部屋を後にし、リーガンは吸い殻に火を付ける
- サムとマイクが劇場の屋上でゲームをするシーン(街中で流れる曲)
- プレビュー最終日、開演前のリーガンの楽屋にレズリーが入って行く
- プレビュー最終日、サムとマイクが舞台上のキャットウォークで話をする
- プレビュー最終日、リーガンが舞台袖でローラと話をしながら準備をする
- プレビュー最終日、舞台袖でマイクとサムとのキスを目撃したリーガンがタバコを吸いに外に出る
- リーガンがタビサと口論をしバーを出て、酒を買い夜の街を歩く
- リーガンがバードマンと共に街を歩く(指を鳴らし街中で戦闘が始まるシーン)
- リーガンが空に浮かび上がり、ビルの屋上に立つ
- リーガンが屋上からジャンプし、空を飛ぶ
- リーガンが道路の真上を飛行し劇場に向かう
- 空から降りてきたリーガンが劇場の前に着地し音楽を止める
- エンディング
- 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のサントラ
- 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』キャスト・スタッフ
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』の挿入曲
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)
ローラがリーガンに妊娠を告げ去って行く
亡き王女のためのパヴァーヌ
作曲者 | モーリス・ラヴェル(Maurice Ravel, 1875-1937) 印象派を代表するフランスの作曲家/ピアニスト/指揮者。 |
作曲年 | 1899年 |
Artist | リヨン国立管弦楽団(Orchestre National de Lyon) リヨンを拠点とするフランスのオーケストラ。1969年創設。 |
プレビュー初日、マイクがジンを水にすり替えられことに気付き暴れ出す
(舞台で流れる曲 – リーガンが愛について語るシーン)
交響曲第9番 ニ長調 – 第1楽章 アンダンテ・コモド
作曲者 | グスタフ・マーラー(Gustav Mahler, 1860-1911) ボヘミア生まれのユダヤ人作曲家/指揮者。 後期ロマン派を代表する作曲家。 |
初演 | 1912年6月26日、ウィーン |
Artist | ポーランド国立放送交響楽団 (Narodowa Orkiestra Symfoniczna Polskiego Radia w Katowicach) ポーランド南部の都市カトヴィツェを本拠地とするオーケストラ。1935年ワルシャワで設立。 |
この後「プレビュー最終日、サムとマイクが舞台上のキャットウォークで話をする」でもこの曲が使われています。
リーガンと口論したサムが部屋を後にし、リーガンは吸い殻に火を付ける
(舞台で流れる曲 – ローラのモノローグシーン)
交響曲第5番 ホ短調 Op. 64 – 第2楽章
作曲者 | ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(Pyotr Ilyich Tchaikovsky, 1840-1893) 19世紀ロシアを代表する作曲家。 |
初演 | 1888年11月17日、マリインスキー劇場(ロシア) |
Artist | ステファノ・セゲードニ(Stefano Seghedoni) イタリアの作曲家/編曲家/指揮者。 |
この後「プレビュー最終日、舞台袖でマイクとサムとのキスを目撃したリーガンがタバコを吸いに外に出る」でもこの曲が使われています。
サムとマイクが劇場の屋上でゲームをするシーン(街中で流れる曲)
Artist | ジェフ・バーナット(Jeff Bernat) フィリピン系アメリカ人の歌手/ソングライター/音楽プロデューサー、1989年生まれ。 |
リリース | 2013年 |
作曲者 | ジェフ・バーナット(Jeff Bernat) ジョエル・カウエル(Joel Cowell) |
プレビュー最終日、開演前のリーガンの楽屋にレズリーが入って行く
リュッケルト歌曲集 – 「私はこの世に捨てられて」
作曲者 | グスタフ・マーラー(Gustav Mahler, 1860-1911) ボヘミア生まれのユダヤ人作曲家/指揮者。 後期ロマン派を代表する作曲家。 |
作曲年 | 1901年 |
Artist | ヴィオレッタ・ウルマーナ(Violeta Urmana) リトアニアのオペラ歌手、1961年生まれ。 |
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(Wiener Philharmoniker) オーストリアのウィーンに本拠を置くオーケストラ。1842年設立。 | |
ピエール・ブーレーズ(Pierre Boulez, 1925-2016) フランスの作曲家/指揮者。 |
プレビュー最終日、サムとマイクが舞台上のキャットウォークで話をする
(舞台で流れる曲 – リーガンが愛について語るシーン)
交響曲第9番ニ長調 – 第1楽章
作曲者 | グスタフ・マーラー(Gustav Mahler, 1860-1911) |
初演 | 1912年6月26日、ウィーン |
Artist | ポーランド国立放送交響楽団(Narodowa Orkiestra Symfoniczna Polskiego Radia w Katowicach) |
「プレビュー初日、マイクがジンを水にすり替えられことに気付き暴れ出す」でもこの曲が使われています。
プレビュー最終日、リーガンが舞台袖でローラと話をしながら準備をする
(舞台で流れる曲 – レズリーがメルとの関係を話すシーン)
交響曲第4番 ヘ短調 Op. 36 – 第2楽章
作曲者 | ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(Pyotr Ilyich Tchaikovsky, 1840-1893) 19世紀ロシアを代表する作曲家。 |
初演 | 1878年2月22日、モスクワ |
Artist | スロベニア放送交響楽団(RSO Ljubijana) スロベニアの首都リュブリャナを本拠とする放送管弦楽団。1956年設立。 |
アントン・ナヌート(Anton Nanut, 1932-2017) スロベニア出身の指揮者。 |
プレビュー最終日、舞台袖でマイクとサムとのキスを目撃したリーガンがタバコを吸いに外に出る
(舞台で流れる曲 – ローラのモノローグシーン)
交響曲第5番 ホ短調 Op. 64 – 第2楽章
作曲者 | ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(Pyotr Ilyich Tchaikovsky, 1840-1893) 19世紀ロシアを代表する作曲家。 |
初演 | 1888年11月17日、マリインスキー劇場(ロシア) |
Artist | ステファノ・セゲードニ(Stefano Seghedoni) イタリアの作曲家/編曲家/指揮者。 |
「リーガンと口論したサムが部屋を後にし、リーガンは吸い殻に火を付ける」でもこの曲が使われていました。
リーガンがタビサと口論をしバーを出て、酒を買い夜の街を歩く
道端で酔い潰れ寝てしまい、朝になり目を覚ますシーンまで流れています。
ピアノ三重奏曲 イ短調 – 第3楽章: パッサカーユ (とてもゆったりと)
作曲者 | モーリス・ラヴェル(Maurice Ravel, 1875-1937) 印象派を代表するフランスの作曲家/ピアニスト/指揮者。 |
初演 | 1915年1月、パリ |
Artist | ボザール・トリオ(Beaux Arts Trio) 1955年にピアニストのメナヘム・プレスラー(Menahem Pressler)によって結成されたアメリカのピアノ三重奏団。2008年の解散まで半世紀にわたりメンバーを変えながら演奏を重ね、多くの名録音を残した。 |
ビクター・スタンプハウザー(Victor Stumpfhauser) メキシコのミュージシャン/映画音楽作曲家、1980年生まれ。 |
リーガンがタビサと口論をしバーを出るシーンまでは、ビクター・スタンプハウザー(Victor Stumpfhauser)による演奏が、そして、夜の街を歩き酒を買うシーンからは、ボザール・トリオ(Beaux Arts Trio)による演奏が使われています。
リーガンがバードマンと共に街を歩く(指を鳴らし街中で戦闘が始まるシーン)
歌劇《クリングホーファーの死》- プロローグ(流浪のパレスティナ人の合唱)
作曲者 | ジョン・アダムズ(John Adams) アメリカのミニマリスト作曲家/指揮者、1947年生まれ。 |
初演 | 1991年3月19日、モネ劇場(ベルギー) |
Artist | リヨン国立オペラ(Lyon National Opera Orchestra) フランスのリヨンを本拠とするフランス国立の歌劇団。 |
ケント・ナガノ(Kent Nagano) アメリカの指揮者、1951年生まれ。 |
リーガンが空に浮かび上がり、ビルの屋上に立つ
ハーモニウム – III. 激しい夜
作曲者 | ジョン・アダムズ(John Adams) アメリカのミニマリスト作曲家/指揮者、1947年生まれ。 |
初演 | 1981年4月15日、デービス・シンフォニーホール(サンフランシスコ) |
Artist | サンフランシスコ交響楽団&合唱団(San Francisco Symphony & Chorus) カリフォルニア州サンフランシスコを拠点とするアメリカのオーケストラ。 |
ジョン・アダムズ(John Adams) |
リーガンが屋上からジャンプし、空を飛ぶ
交響曲第2番 ホ短調 Op.27 – 第2楽章
作曲者 | セルゲイ・ラフマニノフ(Sergei Rachmaninoff, 1873-1943) ロシア帝国出身の作曲家/ピアニスト/指揮者。 ロシア革命後、母国を離れヨーロッパ、アメリカで主にピアニストとして活動し亡命生活を送る。19世紀末から20世紀初頭にかけて最も活躍したヴィルトゥオーゾ・ピアニストとして知られ、作曲とピアノ演奏の両面で大きな成功を収めた。 |
初演 | 1908年1月26日、マリインスキー劇場(ロシア) |
Artist | シュトゥットガルト放送交響楽団(Stutgart Radio Symphony) シュトゥットガルトを本拠に活動していた南西ドイツ放送(SWR)所属のオーケストラ。 1945年にアメリカ占領軍により創設され、2016年バーデン=バーデン・フライブルクSWR交響楽団と統廃合され南西ドイツ放送交響楽団として生まれ変わった。 |
ラフマニノフ作曲『交響曲第2番』第2楽章の中間部「Meno mosso」が使われています。
リーガンが道路の真上を飛行し劇場に向かう
バードマンが「連中を見下ろせ」と囁く後のシーン
交響曲第2番 ホ短調 Op.27 – 第1楽章
作曲者 | セルゲイ・ラフマニノフ(Sergei Rachmaninoff, 1873-1943) ロシア帝国出身の作曲家/ピアニスト/指揮者。 ロシア革命後、母国を離れヨーロッパ、アメリカで主にピアニストとして活動し亡命生活を送る。19世紀末から20世紀初頭にかけて最も活躍したヴィルトゥオーゾ・ピアニストとして知られ、作曲とピアノ演奏の両面で大きな成功を収めた。 |
初演 | 1908年1月26日、マリインスキー劇場(ロシア) |
Artist | シュトゥットガルト放送交響楽団(Stutgart Radio Symphony) シュトゥットガルトを本拠に活動していた南西ドイツ放送(SWR)所属のオーケストラ。 1945年にアメリカ占領軍により創設され、2016年バーデン=バーデン・フライブルクSWR交響楽団と統廃合され南西ドイツ放送交響楽団として生まれ変わった。 |
ラフマニノフ作曲『交響曲第2番』第1楽章後半「Allegro moderato」の第2主題が使われています。
空から降りてきたリーガンが劇場の前に着地し音楽を止める
交響曲第2番 ホ短調 Op.27 – 第2楽章
作曲者 | セルゲイ・ラフマニノフ(Sergei Rachmaninoff, 1873-1943) |
初演 | 1908年1月26日、マリインスキー劇場(ロシア) |
Artist | シュトゥットガルト放送交響楽団(Stutgart Radio Symphony) |
「リーガンが屋上からジャンプし、空を飛ぶ」でもこの曲が使われていました。
エンディング
交響曲第2番 ホ短調 Op.27 – 第2楽章
作曲者 | セルゲイ・ラフマニノフ(Sergei Rachmaninoff, 1873-1943) ロシア帝国出身の作曲家/ピアニスト/指揮者。 ロシア革命後、母国を離れヨーロッパ、アメリカで主にピアニストとして活動し亡命生活を送る。19世紀末から20世紀初頭にかけて最も活躍したヴィルトゥオーゾ・ピアニストとして知られ、作曲とピアノ演奏の両面で大きな成功を収めた。 |
初演 | 1908年1月26日、マリインスキー劇場(ロシア) |
Artist | シュトゥットガルト放送交響楽団(Stutgart Radio Symphony) シュトゥットガルトを本拠に活動していた南西ドイツ放送(SWR)所属のオーケストラ。 1945年にアメリカ占領軍により創設され、2016年バーデン=バーデン・フライブルクSWR交響楽団と統廃合され南西ドイツ放送交響楽団として生まれ変わった。 |
「リーガンが屋上からジャンプし、空を飛ぶ」でもこの曲が使われていました。
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のサントラ
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』はアントニオ・サンチェス(Antonio Sánchez)が音楽を担当しました。
アントニオ・サンチェスは、メキシコ生まれのジャズ・ドラマーです。パット・メセニー、クリス・ポッターとの活動やソロプロジェクト『バッド・オンブレ』など、現代最高峰のドラマーとして知られています。
『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』キャスト・スタッフ
監督 | アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(Alejandro G. Iñárritu) |
脚本 | アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(Alejandro G. Iñárritu) |
ニコラス・ジャコボーン(Nicolás Giacobone) | |
アーマンド・ボー(Armando Bó) | |
アレクサンダー・ディネラリス・Jr(Alexander Dinelaris Jr.) | |
製作 | アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(Alejandro G. Iñárritu) |
アーノン・ミルチャン(Arnon Milchan) | |
ジョン・レッシャー(John Lesher) | |
ジェームズ・W・スコッチドープル(James W. Skotchdopole) | |
音楽 | アントニオ・サンチェス(Antonio Sánchez) |
配給 | 20世紀フォックス |
公開 | 2014年10月17日 |
2015年4月10日 | |
上映時間 | 119分 |
リーガン・トムソン:マイケル・キートン(Michael Keaton)
マイク・シャイナー:エドワード・ノートン(Edward Norton)
サマンサ(サム)・トムソン:エマ・ストーン(Emma Stone)
レズリー・トルーマン:ナオミ・ワッツ(Naomi Watts)
ジェイク:ザック・ガリフィアナキス(Zach Galifianakis)
ローラ・オーバーン:アンドレア・ライズボロー(Andrea Riseborough)
シルヴィア:エイミー・ライアン(Amy Ryan)
タビサ・ディッキンソン:リンゼイ・ダンカン(Lindsay Duncan)
アニー:メリット・ウェヴァー(Merritt Wever)
ラルフ:ジェレミー・シャーモス(Jeremy Shamos)
ミスター・ラス:フランク・リドリー(Frank Ridley)
ガブリエル:ダミアン・ヤング(Damian Young)
クララ:ナタリー・ゴールド(Natalie Gold)
ハン:キーナン・シミズ(Keenan Shimizu)

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