1973年にアメリカで制作された映画『追憶』(原題:The Way We Were)は、1937年に大学で出会った正反対の男女二人の20年間を描いた恋愛映画です。バーブラ・ストライサンドとロバート・レッドフォードが主演をつとめ、シドニー・ポラックが監督をつとめました。
第46回アカデミー賞では6部門にノミネートされ、歌曲賞と劇映画作曲賞を受賞しました。
『追憶』の挿入曲
『追憶』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)
オープニングクレジット
邦題『追憶』
Artist | バーブラ・ストライサンド(Barbra Streisand) ケイティ・モロスキーを演じるアメリカの歌手/女優/作曲家/映画プロデューサー/映画監督、1942年生まれ。 映画『ファニー・ガール』(1968) でアカデミー主演女優賞を、『スター誕生』(1976) でアカデミー歌曲賞を受賞した。 |
リリース | 1973年 |
作曲者 | マーヴィン・ハムリッシュ(Marvin Hamlisch, 1944-2012) アメリカの作曲家/指揮者。 第46回アカデミー賞で、劇映画作曲賞(追憶)、編曲・歌曲賞(スティング)、歌曲賞(追憶)の3冠を達成。アメリカの4つのトップ・エンターテイメント賞(エミー賞、グラミー賞、アカデミー賞/オスカー、トニー賞)全てを獲得した人物に与えられる称号「EGOT」を持つ。 |
アラン&マリリン・バーグマン(Alan and Marilyn Bergman) アラン・バーグマン(Alan Bergman)とマリリン・キース(Marilyn Bergman, 1928-2022)の夫婦による作曲家コンビ。映画『愛のイエントル』(1983) でアカデミー作曲賞(※編曲・歌曲賞)を、映画『華麗なる賭け』(1968) 『追憶』(1973) で2回のアカデミー歌曲賞を受賞した。 |
『The Way We Were』は、映画『追憶』(1973) の主題歌です。
この後も様々なシーンで流れています。
マーヴィン・ハムリッシュとアラン&マリリン・バーグマンは、この曲でアカデミー歌曲賞を受賞しました。
ダンスパーティーでバンドが演奏する曲 1曲目
委員を務めるケイティとフランキーが、皆が踊るのを見ながら飲み物の係をするシーン
ザ・グローリー・オブ・ラヴ
作曲者 | ビリー・ヒル(Billy Hill, 1899-1940) アメリカのソングライター/ヴァイオリン奏者/ピアニスト。 |
Original ver. | 1936年:Willie Bryant and His Orchestra ウィリー・ブライアント(Willie Bryant, 1908-1964) アメリカのジャズバンドリーダー/ボーカリスト/DJ。 |
『The Glory of Love』は、ポピュラーミュージックのスタンダードナンバーです。
1967年のアメリカ映画『招かれざる客』の主題歌に使われ、広く知られるようになりました。
ダンスパーティーでバンドが演奏する曲 2曲目
女性歌手が歌い、ケイティとフランキーがダンスをする曲
邦題『明るい表通りで』
作曲者 | ジミー・マクヒュー(Jimmy McHugh, 1894-1969) アメリカの作曲家。 |
ドロシー・フィールズ(Dorothy Fields, 1904-1974) アメリカの台本作家/作詞家。 ティンパン・アレイ、ハリウッドで最初に成功した女性ソングライターの一人として知られる。 代表曲『明るい表通りで』『今宵の君は』 | |
Original ver. | 1930年:テッド・ルイス(Ted Lewis and His Band) |
『On the Sunny Side of the Street 』は、ジャズのスタンダードナンバーです。
1930年初演のブロードウェイ・ミュージカル『ルー・レスリーのインターナショナル・レビュー 』(Lew Leslie’s International Revue)で主演のハリー・リッチマン(Harry Richman, 1895-1972)によって披露され、その後多くのアーティストによってカバーされました。
ダンスパーティーでバンドが演奏する曲 3曲目
チークタイムのシーン
レッド・セイルズ・イン・ザ・サンセット
作曲者 | ヴィルヘルム・グロシュ(Will Grosz, 1894-1939) オーストリア出身の作曲家/ピアニスト/指揮者。 ナチス・ドイツから逃れイギリスに亡命し、1938年にアメリカに移住。 |
ジミー・ケネディ(Jimmy Kennedy, 1902-1984) 北アイルランド出身の作詞家。 | |
出版年 | 1935年 |
Original ver. | 1935年:ルー・ストーン楽団(Lew Stone and His Band) |
『Red Sails in the Sunset』は、1935年のブロードウェイミュージカル『Provincetown Follies』で使われた曲です。
ダンスパーティーでバンドが演奏する曲 4曲目
ハベルとケイティがチークを踊るシーン
作曲者 | ハリー・バリス(Harry Barris, 1905-1962) アメリカの歌手/作曲家。 |
ビル・モール(Billy Moll, 1905-1968) ウィスコンシン州マディソン出身のソングライター。 | |
テッド・ケーラー(Ted Koehler, 1894-1973) アメリカの作詞家。 | |
Original ver. | 1931年:ビング・クロスビー(Bing Crosby, 1903-1977) アメリカの歌手/俳優/テレビプロデューサー/ラジオ&テレビパーソナリティ/実業家。 世界初のマルチメディア・スターとも言われた、20世紀を代表する世界的な人気と影響力を持つミュージシャン。 |
酔ったハベルを連れて自宅に戻るケイティがラジオをつけて流す曲
イン・ザ・ムード
作曲者 | ジョー・ガーランド(Joe Garland, 1903-1977) アメリカのジャズ・サクソフォーン奏者/作曲家/編曲家。 |
アンディー・ラザフ(Andy Razaf, 1895-1973) アメリカの詩人/作曲家/作詞家。 | |
ウィンギー・マノン(Wingy Manone, 1900-1982) アメリカのジャズトランペット奏者/作曲家/歌手/バンドリーダー。 | |
Original ver. | 1938年: エドガー・ヘイズ楽団(Edgar Hayes and His Orchestra) |
『In the Mood』は、ジャズのスタンダードナンバーです。
ジャズトランペット奏者で作曲家のウィンギー・マノン(Wingy Manone)が作った『Tar Paper Stomp』をベースに作られました。
1939年にグレン・ミラー楽団のカバー・バージョンが大ヒットしたことで、ビッグバンドの定番レパートリーとしても知られるようになりました。
ハベルがケイティを連れて行くパーティでピアノ伴奏付きで歌われる曲
ペーパー・ドール
作曲者 | ジョニー・ブラック(Johnny Black, 1891-1936) セントルイス生まれのソングライター/舞台パフォーマー。 |
Original ver. | 1942年:ミルズ・ブラザーズ(The Mills Brothers) 理髪店を営む父のもとオハイオ州ピクアに生まれたミル4兄弟で結成されたアメリカのジャズ/ポップボーカルカルテット。長男が20代で亡くなくなってからは父親が代わりを務めその後もトリオとして活動を続け、20年代後半〜80年代初頭まで活躍し続けた。イギリス王族の前でパフォーマンスをした最初のアフリカ系アメリカ人として、また、全国ネットワークラジオで独自のショーを行った最初のアフリカ系アメリカ人アーティストとして記憶されている。 |
映画監督宅の庭のラジオから流れる曲(ハベルがケイティとテニスラケットを持ち訪問)
邦題『パパはマンボがお好き』
作曲者 | アル・ホフマン(Al Hoffman, 1902-1960) ロシア系アメリカ人作曲家。 代表曲『ビビディ・バビディ・ブー』『夢はひそかに』 |
ディック・マニング(Dick Manning, 1912-1991) ロシア系アメリカ人のソングライター。アル・ホフマンとのコラボレーションで知られる。 | |
ビックレー・ライヒナー(Bickley Reichner, 1905-1989) フィラデルフィア出身の犯罪レポーター/ソングライター。 | |
Original ver. | 1954年:ジョニー・レイ(Johnnie Ray, 1927-1990) |
『Papa Loves Mambo』は、ペリー・コモ(Perry Como, 1912-2001)のカバーバージョンのヒットにより広く知られるようになりました。
『追憶』のサントラ
『追憶』はマーヴィン・ハムリッシュ(Marvin Hamlisch)が音楽を担当しました。
マーヴィン・ハムリッシュは、アメリカ・ニューヨーク出身の作曲家/指揮者です。第46回アカデミー賞では、今作『追憶』で劇映画作曲賞、歌曲賞を獲得、『スティング』では編曲・歌曲賞を受賞し、3冠を達成しました。
※サントラ収録曲
1. The Way We Were(追憶)
2. Red Sails In The Sunset(夕日に赤い帆)
3. Look What I’ve Got(邦訳:私が手に入れたものを見て!)
4. Like Pretty(恋人のように)
5. River, Stay ‘Way from My Door(邦訳:川よ、私のドアから離れて)
6. The Way We Were – Instrumental(追憶 – インストゥルメンタル)
7. Katie(ケイティのテーマ)
8. In The Mood(イン・ザ・ムード)
9. Did You Know It Was Me?(私だって知ってたの?)
10. Remembering(邦訳:思い出すこと)
11. Wrap Your Troubles in Dreams (And Dream Your Troubles Away)(悩みを夢に包んで(そして悩みを夢に流して))
12. The Way We Were – Finale(追憶 – ファイナル)

『追憶』キャスト・スタッフ
監督 | シドニー・ポラック(Sydney Pollack) |
脚本 | アーサー・ローレンツ(Arthur Laurents) |
原作 | アーサー・ローレンツ(Arthur Laurents) |
製作 | レイ・スターク(Ray Stark) |
音楽 | マーヴィン・ハムリッシュ(Marvin Hamlisch) |
配給 | コロンビア ピクチャーズ |
公開 | 1973年10月16日 |
1974年4月13日 | |
上映時間 | 118分 |
ハベル・ガードナー:ロバート・レッドフォード(Robert Redford)
ケイティ・モロスキー:バーブラ・ストライサンド(Barbra Streisand)
J・J:ブラッドフォード・ディルマン(Bradford Dillman)
キャロル:ロイス・チャイルズ(Lois Chiles)
ジョージ:パトリック・オニール(Patrick O’Neal)
フランキー:ジェームズ・ウッズ(James Woods)
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