1987年に制作された映画『ラストエンペラー』(原題:The Last Emperor)は、清朝最後の皇帝、愛新覚羅溥儀の生涯を描いた叙事詩的映画です。
ベルナルド・ベルトルッチが監督を務め、第60回アカデミー賞では作品賞・監督賞・作曲賞を含む9部門を受賞しました。
『ラストエンペラー』の挿入曲
『ラストエンペラー』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)
オープニング
メイン・タイトル・テーマ
リリース | 1988年:Soundtrack『ラストエンペラー』 |
作曲者 | デヴィッド・バーン(David Byrne) スコットランド系アメリカ人の歌手/ソングライター/音楽プロデューサー/俳優/作家/音楽理論家/ビジュアルアーティスト/映画製作者、1952年ダンバートン生まれ。 ロックバンド「トーキング・ヘッズ」(Talking Heads) のフロントマンとして注目を集め、ソロ転向後も音楽、映画、舞台と幅広い活動を行う。映画『ラストエンペラー』(1987) では、坂本龍一、蘇聡と共同で音楽を手がけ、アカデミー作曲賞を受賞した。 |
1927年天津、パーティで溥儀が歌う
アム・アイ・ブルー
作曲者 | ハリー・アクスト(Harry Akst, 1894-1963) アメリカのソングライター。 ヴォードヴィルの伴奏ピアニストとしてキャリアをスタートさせ、後にブロードウェイミュージカルの曲を数多く手掛けた。 代表曲『ダイナ』『ベイビー・フェイス』 |
グラント・クラーク(Grant Clarke, 1891-1931) アメリカのソングライター。 | |
Original ver. | 1929年:エセル・ウォーターズ(Ethel Waters, 1896-1977) アメリカの歌手/女優。自身の冠番組を持った最初のアフリカ系アメリカ人パフォーマーとして知られる。 |
『Am I Blue』は、1929年のミュージカル映画『On with the Show!』のオリジナル・サウンドトラックです。
1927年天津、パーティで溥儀と婉容がダンスをする
ダンスの最中、蒋介石が上海を制圧したとの知らせが入り、溥儀は甘粕と日本大使館に向かいます。
チャイナ・ボーイ
作曲者 | ディック・ウィンフリー(Dick Winfree, 1898-1975) アメリカの作曲家/作詞家。 |
フィル・ブーテリエ(Phil Boutelje, 1895-1979) アメリカのピアニスト/作詞家/作曲家/編曲家/指揮者。 パラマウント映画とユナイテッド・アーティスツの音楽監督を務め、多くの映画音楽を作曲した。 | |
Original ver. | 1923年:アーノルド・ジョンソン楽団(Arnold Johnson and His Orchestra) |
文繡が溥儀との別れを決意し、雨に濡れながら去って行く
レイン
リリース | 1988年:Soundtrack『ラストエンペラー』 |
作曲者 | 坂本龍一(Ryuichi Sakamoto, 1952-2023) 日本の作曲家/編曲家/ピアニスト/俳優/音楽プロデューサー。 イエロー・マジック・オーケストラ (Yellow Magic Orchestra)の活動を通し、エレクトロニック・ミュージックの普及・発展に大きな貢献を果たした。またソロアーティストとしても多様なスタイルを追求し続け、日本を代表する音楽家としてその名を世界に残した。 映画『ラストエンペラー』(1987) では、デヴィッド・バーン、蘇聡と共同で音楽を手がけ、アカデミー作曲賞を受賞した。 |
1931年天津、ジョンストンと溥儀の別れ(駅で楽隊が演奏する曲)
オールド・ラング・サイン
作曲者 | ロバート・バーンズ(Robert Burns, 1759-1796) スコットランドの詩人/作詞家。 |
Original ver. | 1890年:エミール・ベルリナー(Emile Berliner, 1851-1929) |
『オールド・ラング・サイン』は、スコットランドの民謡です。
日本では『蛍の光』の原曲として知られています。
1934年満州、パーティでゲストが踊る
(婉容が蘭の花を食べるシーン)
皇帝円舞曲 Op. 437
作曲者 | ヨハン・シュトラウス2世(Johann Strauss II. 1825-1899) 19世紀にウィーンを中心に活躍したオーストリアの作曲家/指揮者。 初代「ワルツ王」ヨハン・シュトラウス1世の息子。 ワルツ、ポルカをはじめとする舞踊音楽の名曲を数多く残しワルツの人気と発展に多大な貢献を果たす。父親の死後「ワルツ王」の名を継承しヨーロッパ中で絶大な支持を獲得した。 |
作曲年 | 1889年 |
Artist | ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(Berliner Philharmoniker) ベルリンに拠点を置くドイツのオーケストラ。1882年設立。 |
ヘルベルト・フォン・カラヤン(Herbert von Karajan, 1908-1989) オーストリアの指揮者。レパートリーの広さと現代的な解釈で世界的な名声を得て膨大な数の録音を残した。20世紀後半のクラシック音楽界を代表する指揮者。 |
『皇帝円舞曲』は、ヨハン・シュトラウス2世が1889年に作曲した演奏会用のウィンナ・ワルツです。『美しく青きドナウ』『ウィーンの森の物語』とともに「三大ワルツ」の一つに数えられる人気のある作品です。
この曲は、ドイツ帝国の首都ベルリンに作られたコンサートホールの「こけら落とし演奏会」のために作られました。
ドイツ皇帝とオーストリア=ハンガリー皇帝が臨席することから両国の親善を祝う意味で『Hand in Hand』(手に手をとって)のタイトルで初演され、楽譜の出版時に『皇帝円舞曲』とタイトルが変更されました。
1967年北京、紫禁城の観光ガイドが誘導目的で鳴らすサイレンの曲
ヤンキードゥードゥル
『Yankee Doodle』は、アメリカ独立戦争時に歌われたアメリカの愛国歌です。
手遊び歌として人気の『アルプス一万尺』の原曲とされています。
1853年、ペリー提督が海兵隊を伴いて久里浜(横須賀市)に上陸した際、上陸時の行進曲としてこの曲が演奏されたと伝えられています。
エンディング
ラスト・エンベラー – テーマー
リリース | 1988年:Soundtrack『ラストエンペラー』 |
作曲者 | 坂本龍一(Ryuichi Sakamoto, 1952-2023) 日本の作曲家/編曲家/ピアニスト/俳優/音楽プロデューサー。 イエロー・マジック・オーケストラ (Yellow Magic Orchestra)の活動を通し、エレクトロニック・ミュージックの普及・発展に大きな貢献を果たした。またソロアーティストとしても多様なスタイルを追求し続け、日本を代表する音楽家としてその名を世界に残した。 映画『ラストエンペラー』(1987) では、デヴィッド・バーン、蘇聡と共同で音楽を手がけ、アカデミー作曲賞を受賞した。 |
『ラストエンペラー』のサントラ
『ラストエンペラー』は坂本龍一とデヴィッド・バーン(David Byrne)、蘇聡(Cong Su)の3人が共同で音楽を担当しました。
坂本龍一はクラシックやテクノなど幅広いジャンルで活躍した日本の作曲家です。イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)の一員としても知られています。大島渚監督の映画『戦場のメリークリスマス』でも音楽を手掛けています。
デヴィッド・バーンは、トーキング・ヘッズのフロントマンとして知られています。『きっと ここが帰る場所』『アメリカン・ユートピア』などの映画にも出演しています。
蘇聡(Cong Su)は中国・天津出身の作曲家です。『ジャスミンの花開く』など、主にアジア映画の音楽を手がけています。
『ラストエンペラー』キャスト・スタッフ
監督 | ベルナルド・ベルトルッチ(Bernardo Bertolucci) |
脚本 | ベルナルド・ベルトルッチ(Bernardo Bertolucci) |
マーク・ペプロー(Mark Peploe) | |
製作 | ジェレミー・トーマス(Jeremy Thomas) |
音楽 | 坂本龍一 |
デイヴィッド・バーン(David Byrne) | |
蘇聡(Cong Su) | |
配給 | 松竹富士 |
東北新社(4Kレストア) | |
公開 | 1987年10月4日(第2回東京国際映画祭) |
1987年10月23日 | |
1987年11月20日 | |
1987年11月25日 | |
1988年1月23日 | |
上映時間 | 163分(劇場公開版) |
219分(オリジナル全長版) |
愛新覚羅溥儀:ジョン・ローン(John Lone)
婉容:ジョアン・チェン (Joan Chen)
レジナルド・ジョンストン:ピーター・オトゥール(Peter O’Toole)
甘粕正彦:坂本龍一
戦犯収容所所長:英若誠
陳宝琛(溥儀の教育係):ヴィクター・ウォン(Victor Wong)
西太后:リサ・ルー(Lisa Lu)
川島芳子:マギー・ハン(Maggie Han)
戦犯収容所尋問官:リック・ヤング(Ric Young)
大李(溥儀の召使):デニス・ダン(Denis Dun)
溥儀(3歳):リチャード・ヴゥ(Richard Vuu)
溥儀(8歳):タイジャー・ツゥウ(Tijger Tsou)
溥儀(15歳):ウー・タオ(Wu Tao)
張謙和:ケイリー=ヒロユキ・タガワ(Cary-Hiroyuki Tagawa)
アーモ(溥儀の乳母):イェード・ゴー(Jade Go)
文繡(第二皇妃):ヴィヴィアン・ウー(Vivian Wu)
吉岡安直:池田史比古
溥傑:ファン・グァン 田中亮一
溥傑(老人):林一夫
溥傑(7歳):ヘンリー・キィ(Henry Kyi)
瓜爾佳氏(溥儀の母):リャン・ドン(Dong Liang)
張景恵:チェン・シュ(Shu Chen)
文繡(13歳):ウー・ジュン(Jun Wu)
日本人医師:生田朗
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