2010年に制作された映画『英国王のスピーチ』(原題:The King’s Speech)は、トム・フーパー監督による歴史映画です。吃音症のイギリス国王ジョージ6世が1939年9月3日第二次世界大戦開戦を受け、ラジオ演説をするまでが描かれています。
第83回アカデミー賞では、12部門にノミネートされ、作品賞・主演男優賞を含む4部門を受賞しました。
- 『英国王のスピーチ』の挿入曲
- アルバート王子が装着するヘッドフォンから流れている曲
- アルバート王子がソファに横になりレコードで聞いている曲
- アルバート王子がローグの言語療法に取り組む様子が描かれているシーン
- ジョージ5世の死去を伝えるラジオ放送で流れる曲
- 知っている曲を聞かれたアルバート王子が答える曲
- アルバート王子がメロディに言葉をのせて歌う曲
- アルバート王子が乳母の話をするときに言葉をのせて歌う曲
- バルモラル城でのクリスマスパーティのBGM
- クリスマスパーティでジョージ5世がシンプソン夫人に酒を注ぐシーン
- 国王一家が観ている戴冠式の映像で流れている曲
- 国王一家が観ているヒトラーの映像で流れている曲
- ジョージ6世がスピーチ前に原稿を歌詞にしてワルツを踊り歌う曲
- ジョージ6世が緊急ラジオ放送で戦争スピーチをするシーン
- ジョージ6世がスピーチを終えるラストシーン
- エンドクレジット
- 『英国王のスピーチ』のサントラ
- 『英国王のスピーチ』キャスト・スタッフ
『英国王のスピーチ』の挿入曲
『英国王のスピーチ』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)
アルバート王子が装着するヘッドフォンから流れている曲
Le nozze di Figaro, K.492 – Overture
作曲:Wolfgang Amadeus Mozart
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲の歌劇『フィガロの結婚』より序曲。
最初のセラピーで、王子はヘッドフォンを装着し、自分の声が聞こえない状態で朗読を行いました。朗読に使われたのはシェイクスピアの『ハムレット』です。
アルバート王子がソファに横になりレコードで聞いている曲
Who’s Been Polishing the Sun
作曲:Noel Gay、Charles Gaynor
アーティスト:Bert Ambrose and His Orchestra
ノエル・ゲイ作曲の『Who’s Been Polishing the Sun?』は、1934年の英国コメディ・アドベンチャー映画『The Camels are Coming』のサウンドトラックです。バート・アンブローズ・オーケストラによる演奏が使われています。
1934年サンドリンガム・ハウスで、クリスマス恒例となった国王ジョージ5世のラジオ中継が行われました。収録後、アルバート王子は国王から厳しいスピーチの指導を受け帰宅しました。
アルバート王子がローグの言語療法に取り組む様子が描かれているシーン
Clarinet Concerto in A Major, K.622 – I. Allegro
作曲:Wolfgang Amadeus Mozart
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲の『クラリネット協奏曲 イ長調 K.622』より第1楽章です。
ジョージ5世の死去を伝えるラジオ放送で流れる曲
Ein deutsches Requiem, op.45 – II. Denn alles Fleisch
作曲:Johannes Brahms
ヨハネス・ブラームス作曲の『ドイツ・レクイエム』より第2楽章「人はみな草のごとく」。
知っている曲を聞かれたアルバート王子が答える曲
Swanee River
作曲:Stephen Foster
『スワニー河(Swanee River)』は、アメリカの作曲家スティーブン・フォスターが1851年に作った曲です。『Old Folks at Hom』のタイトルを持つことから、邦題『故郷の人々』としても知られています。
なかなか言葉が出てこないアルバート王子に、ローグは歌のメロディに言葉を乗せるよう提案。そして、歌うのを嫌がるアルバート王子にローグは自ら歌ってみせます。
アルバート王子がメロディに言葉をのせて歌う曲
Camptown Races
作曲:Stephen Foster
『Camptown Races』は、『スワニー河』と同じスティーブン・フォスターの作品で、1850年に出版されました。
アルバート王子が歌うのを嫌がる『スワニー河』の代わりにローグが提案する曲です。
デイヴィッド王子が即位しても世継ぎが生まれない場合、アルバート王子が次の王になり、娘エリザベスが王座を継ぐ日が来るのではとローグが話すと、アルバート王子はこの曲のメロディにのせて「そうはならない」と絶妙なタイミングで答えます。
アルバート王子が乳母の話をするときに言葉をのせて歌う曲
Swanee River
作曲:Stephen Foster
スティーブン・フォスター作曲の『スワニー河(Swanee River)』です。
映画後半、ジョージ6世がローグと一緒に、緊急ラジオ放送のスピーチのリハーサルをするシーンでもこの曲が歌われます。
バルモラル城でのクリスマスパーティのBGM
Shout for Happiness
作曲:Jack Hart and Tom Blight
アーティスト:Al Bowlly and the New Mayfair Dance Orchestra
『Shout for Happiness』は、1930年代にイギリスで人気を博したボーカリスト兼ジャズギタリスト、アル・ボウリーとニュー・メイフェア・ダンス・オーケストラがリリースした曲です。
ヨーク公夫妻(アルバートとエリザベス)がエドワード8世に招待されバルモラル城を訪れるシーンです。夫妻はシンプソン夫人と挨拶をかわします。
@バルモラル城(スコットランド)
クリスマスパーティでジョージ5世がシンプソン夫人に酒を注ぐシーン
I Love You, Truly
作曲:Carrie Jacobs-Bond and Irving King
アーティスト:Al Bowlly with Ray Noble (uncredited) and His Orchestra
『I Love You Truly』(1901年出版)は、アメリカの女性歌手キャリー・ジェイコブス=ボンドが作り1912年にリリースした曲です。この曲は大ヒットし、キャリー・ジェイコブス=ボンドは「100万枚の曲を販売した最初の女性」として知られるようになりました。
ここでもアル・ボウリーの演奏が使われています。
国王一家が観ている戴冠式の映像で流れている曲
God Save the King (Traditional)
『God Save the King』は王を称える歌で、イギリスの国歌とされている曲です。邦題『神よ王を守り給え』『国王陛下万歳』として知られています。
国王一家が観ているヒトラーの映像で流れている曲
Das Lied der Deutschen
作詞:August Heinrich Hoffmann
作曲:Franz Joseph Haydn
『Das Lied der Deutschen』は、ドイツ連邦共和国の国歌です。オーストリア出身の作曲家フランツ・ヨーゼフ・ハイドンが作った皇帝讃歌『神よ、皇帝フランツを守り給え』のメロディが使われています。邦題は『ドイツの歌』『ドイツ人の歌』とされています。
ジョージ6世がスピーチ前に原稿を歌詞にしてワルツを踊り歌う曲
The Sleeping Beauty (Suite) , Op.66a, TH.234 – V. Waltz
作曲:Pyotr Ilyich Tchaikovsky
ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー作曲のバレエ音楽『眠れる森の美女』の第1幕で演奏される「ワルツ」です。この曲は、チャイコフスキー自身が選曲した演奏会用組曲『眠れる森の美女』の第5曲としても収録されています。
ジョージ6世が緊急ラジオ放送で戦争スピーチをするシーン
Symphony No.7 in A major, Op.92 – II. Allegretto
作曲:Ludwig van Beethoven
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲の『交響曲第7番 イ長調 作品92』より第2楽章。
ジョージ6世がスピーチを終えるラストシーン
Piano Concerto No.5 in E flat major, Op.73 “Emperor” – II. Adagio un poco mosso
作曲:Ludwig van Beethoven
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲の『ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73』より第2楽章。ベートーヴェンの死後に、曲の印象からつけられた「皇帝」の通称で知られています。
エンドクレジット
Clarinet Concerto in A Major, K.622 – I. Allegro
作曲:Wolfgang Amadeus Mozart
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲の『クラリネット協奏曲 イ長調 K.622』より第1楽章です。
『英国王のスピーチ』のサントラ
『英国王のスピーチ』はアレクサンドル・デスプラ(Alexandre Desplat)が音楽を担当しました。アレクサンドル・デスプラは、フランス・パリ出身の作曲家です。『英国王のスピーチ』はアカデミー作曲賞にノミネートされました。
2014年にはウェス・アンダーソン監督作品『グランド・ブダペスト・ホテル』で、2017年にはギレルモ・デル・トロ監督『シェイプ・オブ・ウォーター』でアカデミー作曲賞を受賞しました。
『英国王のスピーチ』キャスト・スタッフ
監督 | トム・フーパー(Tom Hooper) |
脚本 | デヴィッド・サイドラー(David Seidler) |
製作 | イアン・カニング(Iain Canning) |
エミール・シャーマン(Emile Sherman) | |
ガレス・アンウィン(Gareth Unwin) | |
音楽 | アレクサンドル・デプラ(Alexandre Desplat) |
配給 | モメンタム・ピクチャーズ |
ギャガ | |
公開 | 2010年11月26日 |
2011年1月7日 | |
2011年2月26日 | |
上映時間 | 118分 |
ジョージ6世:コリン・ファース(Colin Firth)
ライオネル・ローグ:ジェフリー・ラッシュ(Geoffrey Rush)
エリザベス妃:ヘレナ・ボナム=カーター(Helena Bonham Carter )
エドワード8世:ガイ・ピアース(Guy Pearce)
ウィンストン・チャーチル:ティモシー・スポール(Timothy Spall)
大司教コスモ・ラング:デレク・ジャコビ(Derek Jacobi)
マートル・ローグ:ジェニファー・イーリー(Jennifer Ehle )
ジョージ5世:マイケル・ガンボン(Michael Gambon)
スタンリー・ボールドウィン:アンソニー・アンドリュース(Anthony Andrews)
ネヴィル・チェンバレン:ロジャー・パロット(Roger Parrot)
ウォリス・シンプソン:イヴ・ベスト(Eve Best)
エリザベス王女:フレイア・ウィルソン(Freya Wilson)
マーガレット王女:ラモーナ・マルケス(Ramona Marquez)
メアリー王太后:クレア・ブルーム(Claire Bloom)
グロスター公爵:ティム・ダウニー(Tim Downie)
ロバート・ウッド:アンドリュー・ヘイヴィル(Andrew Havill)
ラジオアナウンサー:エイドリアン・スカボロ(Adrian Scarborough)
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