1985年にアメリカで制作された映画『愛と哀しみの果て』(原題:Out of Africa)は、デンマークの小説家カレン・ブリクセンの著書をもとにして作られた大河ロマン作品です。シドニー・ポラックが監督をつとめ、メリル・ストリープ、ロバート・レッドフォードらが出演しています。
第58回アカデミー賞では11部門にノミネートされ、作品賞・監督賞を含む7部門を受賞しました。
- 『愛と哀しみの果て』の挿入曲
- オープニング(カレンの部屋のレコードプレイヤーから流れる曲)
- カレンとブリクセン男爵の結婚式でバグバイクが演奏する曲
- 結婚式後のパーティで流れる曲 2曲目
- ディナーの後にデニスとコールがカレンにむけて歌う
- 戦勝パレードの2曲目(カレンがデニスと話をするシーン)
- 新年祝賀パーティで楽隊が演奏する曲(カレンがコールとダンスをする)
- 新年祝賀パーティで楽隊が演奏する曲(カレンがデニスとダンスをする)
- 新年祝賀パーティで楽隊が演奏する曲(新年を迎え全員が歌う)
- 新年祝賀パーティで女性客が天井に向け銃を発砲し、注目を集め歌う曲
- デニスがカレンにプレゼントする蓄音機から流れる曲
- 猿に蓄音機で聞かせてみる曲
- デニスとカレンのサバンナでのディナー(レコードをかけ流す)
- サバンナでのディナーの後、カレンとデニスがダンスをする
- コールを招いてのカレン宅でのディナーで流れる曲
- カレンとデニスのディナーで流れる曲
- カレンとデニスが一緒に暮らし始めるシーン
- カレンが仕事から戻ると家から聞こえてくる曲(デニスがポーチで眠っている)
- 家財道具を運び出した家でカレンが一人食事をする(蓄音機から流れる曲)
- カレンとデニスが最後にダンスをする曲
- 『愛と哀しみの果て』のサントラ
- 『愛と哀しみの果て』キャスト・スタッフ
『愛と哀しみの果て』の挿入曲
『愛と哀しみの果て』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)
オープニング(カレンの部屋のレコードプレイヤーから流れる曲)
クラリネット協奏曲 イ長調 K.622 – 第2楽章
作曲者 | ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756 -1791) 18世紀古典派を代表するオーストリアの作曲家。 |
作曲年 | 1791年 |
Artist | ジャック・ブライマー(Jack Brymer, 1915-2003) イギリスのクラリネット奏者/サックス奏者。 |
アカデミー室内管弦楽団(The Academy of St. Martin-in-the-Fields) ロンドンに拠点を置く室内管弦楽団。 ネヴィル・マリナーによって1959年に設立。 | |
ネヴィル・マリナー(Neville Marriner, 1924-2016) イギリスの指揮者/ヴァイオリニスト。アカデミー室内管弦楽団の創設者。 |
この後「カレンとデニスが一緒に暮らし始めるシーン」でもこの曲が使われています。
カレンとブリクセン男爵の結婚式でバグバイクが演奏する曲
歌劇《ローエングリン》 第3幕 より、婚礼の合唱「真心込めて先導いたします」
作曲者 | リヒャルト・ワーグナー(Richard Wagner, 1813-1883) 19世紀ドイツの作曲家/指揮者/思想家。 |
作曲年 | 1845年から1848年の間 |
『ローエングリン』は、ドイツの作曲家ワーグナーがローエングリンの伝説をもとに台本も自身で手掛け作曲したオペラです。
ここで使われた「婚礼の合唱」は、『ワーグナーの結婚行進曲』の通称で知られています。
結婚式後のパーティで流れる曲 2曲目
カレンがデニスの部屋に勝手に入り、コールと知り合うシーン
喜歌劇《ミカド》第2幕 – 34. There is beauty in the bellow of the blast
作曲者 | アーサー・サリヴァン(Arthur Sullivan, 1842-1900) イギリスの作曲家。 |
初演 | 1885年:サヴォイ劇場(ロンドン) |
『ミカド』は、幕末の日本を舞台に作られたコミックオペラです。
1885年にロンドンで初演され、672回というロングランを達成し当時の歌劇史上2番目の上演回数を記録しました。
映画では、インストゥルメンタル版が使われていました。
ディナーの後にデニスとコールがカレンにむけて歌う
オラトリオ《マカベウスのユダ》 HWV 63 – 第3部「見よ、勇者は帰る」
作曲者 | ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(George Frideric Handel) イギリスで活躍したドイツ出身の作曲家。 |
初演 | 1747年:ロイヤル・オペラ・ハウス(ロンドン) |
『See, the conqu’ring hero comes!』は、新しい鉄道路線や駅の開通式でブラスバンドが演奏する曲として19世紀頃イギリスで親しまれていました。
戦勝パレードの2曲目(カレンがデニスと話をするシーン)
邦題『遥かなティペラリー』
作曲者 | ジャック・ジャッジ(Jack Judge, 1872-1938) イギリスのソングライター/ミュージックホール・エンターテイナー。 |
『It’s a Long, Long Way to Tipperary』は、ジャック・ジャッジが1912年にミュージックホールで披露した曲です。
もともとは、ロンドンに住むアイルランド人のために書かれたバラッドでしたが、曲を買い受けた権利者によって出版時に行進曲として宣伝されました。
その後、ジョン・マコーマック(John McCormack)の演奏が第一次世界大戦で兵士たちの行進曲として使用されたことで、第一次世界大戦を象徴する軍歌として知られるようになりました。
新年祝賀パーティで楽隊が演奏する曲(カレンがコールとダンスをする)
1919年の新年祝賀パーティでカレンがフェリシティと再会するシーン
シャイン・オン・ハーベスト・ムーン
作曲者 | ノラ・ベイズ(Nora Bayes, 1880-1928) アメリカの女性歌手/ヴォードヴィルパフォーマー。 |
ジャック・ノーワース(Jack Norworth, 1879-1959) アメリカのソングライター/歌手/ヴォードヴィルパフォーマー。 代表作『私を野球に連れてって』 | |
Original ver. | 1909年:ミス・スティーブンソン&ハリー・マクドノー(Miss Stevenson and Harry Macdonough) |
新年祝賀パーティで楽隊が演奏する曲(カレンがデニスとダンスをする)
作曲者 | アーネスト・ボール(Ernest Ball, 1878-1927) アメリカのシンガーソングライター。 |
Original ver. | 1919年:キャンベル&バー(Campbell and Burr) |
この後、以下のシーンでもこの曲が使われていました。
「サバンナでのディナーの後、カレンとデニスがダンスをする」
「家財道具を運び出した後カレンが一人で食事をする(プレイヤーで流す曲)」
「カレンとデニスが最後にダンスをする曲」
新年祝賀パーティで楽隊が演奏する曲(新年を迎え全員が歌う)
オールド・ラング・サイン
作曲者 | ロバート・バーンズ(Robert Burns, 1759-1796) スコットランドの詩人/作詞家。 |
Original ver. | 1890年:エミール・ベルリナー(Emile Berliner, 1851-1929) |
『オールド・ラング・サイン』は、スコットランドの民謡です。
日本では『蛍の光』の原曲として知られています。
英語圏の国々では、大晦日のカウントダウンで年が明けた瞬間にこの曲が歌われます。
新年祝賀パーティで女性客が天井に向け銃を発砲し、注目を集め歌う曲
邦題『国王陛下万歳』
『God Save the King』は、イギリスにおいて一般に国歌として広く認知されている(法律では制定されていない)王を称える歌です。邦題『神よ王を守り給え』『国王陛下万歳』として知られています。
デニスがカレンにプレゼントする蓄音機から流れる曲
ディヴェルティメント ニ長調 K.136 – 第1楽章
作曲者 | ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756 -1791) 18世紀古典派を代表するオーストリアの作曲家。 |
作曲年 | 1772年 |
Artist | アカデミー室内管弦楽団(The Academy of St. Martin-in-the-Fields) ロンドンに拠点を置く室内管弦楽団。ネヴィル・マリナーによって1959年に設立。 |
ネヴィル・マリナー(Neville Marriner, 1924-2016) イギリスの指揮者/ヴァイオリニスト。アカデミー室内管弦楽団の創設者。 |
この後「猿に蓄音機で聞かせてみる曲」でもこの曲が使われています。
猿に蓄音機で聞かせてみる曲
ディヴェルティメント ニ長調 K.136 – 第1楽章
作曲者 | ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756 -1791) |
作曲年 | 1772年 |
Artist | アカデミー室内管弦楽団(The Academy of St. Martin-in-the-Fields) |
ネヴィル・マリナー(Neville Marriner, 1924-2016) |
「デニスがカレンにプレゼントする蓄音機から流れる曲」でもこの曲が使われていました。
デニスとカレンのサバンナでのディナー(レコードをかけ流す)
ピアノ・ソナタ第11番 イ長調「トルコ行進曲付き」 K.331 – 第1楽章 主題と変奏
作曲者 | ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756 -1791) 18世紀古典派を代表するオーストリアの作曲家。 |
作曲年 | 1783年頃 |
Original ver. | アンドラーシュ・シフ(András Schiff) ハンガリー出身のピアニスト、1953年ブダペスト生まれ。 |
サバンナでのディナーの後、カレンとデニスがダンスをする
作曲者 | アーネスト・ボール(Ernest Ball, 1878-1927) アメリカのシンガーソングライター。 |
Original ver. | 1919年:キャンベル&バー(Campbell and Burr) |
「新年祝賀パーティで楽隊が演奏する曲(カレンがデニスとダンスをする)」でもこの曲が使われていました。
コールを招いてのカレン宅でのディナーで流れる曲
maestoso
ヴァイオリンとヴィオラのための協奏交響曲 変ホ長調 K.364 – 第1楽章
作曲者 | ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756 -1791) 18世紀古典派を代表するオーストリアの作曲家。 |
作曲年 | 1779年 |
Artist | アラン・ラブデイ(Alan Loveday, 1928-2016) ニュージーランドのバイオリニスト。 |
スティーヴン・シングルス(Stephen Shingles) イギリスのビオラ奏者/教育者。 | |
アカデミー室内管弦楽団(The Academy of St. Martin-in-the-Fields) ロンドンに拠点を置く室内管弦楽団。ネヴィル・マリナーによって1959年に設立。 | |
ネヴィル・マリナー(Neville Marriner, 1924-2016) イギリスの指揮者/ヴァイオリニスト。アカデミー室内管弦楽団の創設者。 |
カレンとデニスのディナーで流れる曲
コールの具合が悪そうなので様子を見てきてほしいとカレンがデニスに話すシーン
ディヴェルティメント ニ長調 K.136 – 第2楽章
作曲者 | ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756 -1791) 18世紀古典派を代表するオーストリアの作曲家。 |
作曲年 | 1772年 |
Artist | アカデミー室内管弦楽団(The Academy of St. Martin-in-the-Fields) ロンドンに拠点を置く室内管弦楽団。ネヴィル・マリナーによって1959年に設立。 |
ネヴィル・マリナー(Neville Marriner, 1924-2016) イギリスの指揮者/ヴァイオリニスト。アカデミー室内管弦楽団の創設者。 |
カレンとデニスが一緒に暮らし始めるシーン
クラリネット協奏曲 イ長調 K.622 – 第2楽章
作曲者 | ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756 -1791) |
作曲年 | 1791年 |
Artist | ジャック・ブライマー(Jack Brymer, 1915-2003) |
アカデミー室内管弦楽団(The Academy of St. Martin-in-the-Fields) | |
ネヴィル・マリナー(Neville Marriner, 1924-2016) |
「オープニング(カレンの部屋のレコードプレイヤーから流れる曲)」でもこの曲が使われていました。
カレンが仕事から戻ると家から聞こえてくる曲(デニスがポーチで眠っている)
クラリネット協奏曲 イ長調 K.622 – 第2楽章
作曲者 | ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756 -1791) |
作曲年 | 1791年 |
Artist | ジャック・ブライマー(Jack Brymer, 1915-2003) |
アカデミー室内管弦楽団(The Academy of St. Martin-in-the-Fields) | |
ネヴィル・マリナー(Neville Marriner, 1924-2016) |
「オープニング(カレンの部屋のレコードプレイヤーから流れる曲)」でもこの曲が使われていました。
家財道具を運び出した家でカレンが一人食事をする(蓄音機から流れる曲)
作曲者 | アーネスト・ボール(Ernest Ball, 1878-1927) アメリカのシンガーソングライター。 |
Original ver. | 1919年:キャンベル&バー(Campbell and Burr) |
「新年祝賀パーティで楽隊が演奏する曲(カレンがデニスとダンスをする)」でもこの曲が使われていました。
カレンとデニスが最後にダンスをする曲
作曲者 | アーネスト・ボール(Ernest Ball, 1878-1927) アメリカのシンガーソングライター。 |
Original ver. | 1919年:キャンベル&バー(Campbell and Burr) |
「新年祝賀パーティで楽隊が演奏する曲(カレンがデニスとダンスをする)」でもこの曲が使われていました。
『愛と哀しみの果て』のサントラ
『愛と哀しみの果て』はジョン・バリー(John Barry)が音楽を担当しました。
ジョン・バリーは、イギリス・ヨーク出身の作曲家です。『愛と哀しみの果て』や『ダンス・ウィズ・ウルブズ』など4作品でアカデミー作曲賞を受賞しました。
『愛と哀しみの果て』キャスト・スタッフ
監督 | シドニー・ポラック(Sydney Pollack) |
脚本 | カート・リュードック(Kurt Luedtke) |
原作 | アイザック・ディネーセン(Isak Dinesen) |
ジュディス・サーマン(Judith Thurman) | |
エロール・トルビゼンスキー(Errol Trzebinski) | |
製作 | シドニー・ポラック(Sydney Pollack) |
音楽 | ジョン・バリー(John Barry) |
配給 | UIP |
公開 | 1985年12月18日 |
1986年3月15日 | |
上映時間 | 161分 |
カレン・ブリクセン:メリル・ストリープ(Meryl Streep)
デニス・フィンチ・ハットン:ロバート・レッドフォード(Robert Redford)
ブロル・ブリクセン男爵:クラウス・マリア・ブランダウアー(Klaus Maria Brandauer)
バークレー・コール:マイケル・キッチン(Michael Kitchen)
ファラ:マリック・ボーウェンズ (Malick Bowens)
”D”、デラメア男爵:マイケル・ガフ(Michael Gough)
カマンテ:ジョセフ・シアカ(Joseph Thiaka)
デラメア夫人:ミュリエル・グロス(Michael Gough)
総督:グレアム・クロウデン(Graham Crowden)
ベルフィールド伯爵夫人:レイチェル・ケンプソン(Rachel Kempson)
フェリシティ:スザンナ・ハミルトン(Suzanna Hamilton)
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