2021年に制作された映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』(原題:No Time to Die)は、映画「ジェームズ・ボンド」シリーズの第25作目の作品です。ダニエル・クレイグが5度目のボンド役を演じました。
主題歌『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』で、ビリー・アイリッシュが第94回アカデミー歌曲賞を受賞しました。前々作『スカイフォール』ではサム・スミスが、前作『スペクター』ではアデルがアカデミー歌曲賞を受賞しています。
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の挿入曲
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)
マドレーヌ(少女)の母が部屋に流している曲
Dans la Ville Endormie
作曲:William Sheller、Claude Lemesle
アーティスト:Dalida
リリース年:1968年
ダリダ(Dalida)は、エジプト出身のイタリア系フランス人歌手です。
イタリア人歌手ミーナと俳優アルベルト・ルーポのデュエット曲『あまい囁き』(原題:Paroles, Paroles)をアラン・ドロンとカバーし、一世を風靡しました。
『Dans la Ville Endormie』は、ダリダの21枚目のアルバム『Le temps des fleurs』に収録されています。
幼少期、マドレーヌが母と過ごした家でのシーンから映画は始まります。
マドレーヌはフランス人の母とノルウェーでくらしています。
マドレーヌ(少女)がヘッドフォンで聴いている曲
J’t’Emmène au Vent
作曲:Alexandre Margraff, Arnaud Samuel, Gaëtan Roussel, and Robin Feix
アーティスト:Louise Attaque
リリース年:1997年
『J’t’Emmène au Vent』は、フランスのフォークロックバンド、ルイーズ・アタック(Louise Attaque)のデビューアルバム『Louise Attaque』に収録されている曲です。このアルバムはフランスで250万枚を売り上げました。
マドレーヌは、ベッドに横になりヘッドフォンで音楽を聴きながらたまごっちで遊んでいます。
1996年に日本で発売されたたまごっちは、欧米圏でも1997年に販売が開始されていたそうです。
ホテルの部屋のプレーヤーから流れる曲
La bohème, SC 67 / Act 1, “Che Gelida Mania”
作曲:Giacomo Puccini
演奏:Enrico Caruso
ジャコモ・プッチーニ作曲の歌劇《ラ・ボエーム》第1幕より、アリア「冷たい手を」。
イタリア出身のテノール歌手エンリコ・カルーソー(Enrico Caruso)の演奏が使われています。
『ラ・ボエーム』は、イタリアの作曲家プッチーニが、アンリ・ミュルジェールの小説『ボヘミアン生活の情景』を題材に作った全4幕からなるオペラです。
1896年、トリノ・レージョ劇場でアルトゥーロ・トスカニーニの指揮により初演されました。
ここで伝われているアリア『冷たい手を』は、テノール歌手が歌う屈指の名アリアとして知られています。
ボンドとマドレーヌは、イタリアのマテーラにあるホテルを訪れています。
オープニングクレジット
No Time to Die
作曲:Finneas O’Connell、Billie Eilish
アーティスト:Billie Eilish
リリース年:2020年
『ノー・タイム・トゥ・ダイ』(No Time to Die)は、アメリカのシンガーソングライター、ビリー・アイリッシュとその兄のフィニアス・オコネル(Finneas O’Connell)が作った今作の主題歌です。第94回アカデミー賞ではアカデミー歌曲賞を受賞しました。
この曲を歌ったビリー・アイリッシュは当時18歳で、007シリーズの主題歌を歌ったアーティストの中で史上最年少となります。
ジャマイカの路上で流れている曲
Rastafari Way
作曲:Damion Darrel Warren, Sam Gilly, Greg Winston Rose, Manfred Scheer, Herb Pirker, Parvez Syed, and Lorenz Spritzendorfer
アーティスト:Teacha Dee
リリース年:2017年
『Rastafari Way』は、ジャマイカ出身のレゲエ歌手ティーチャ・ディー(Teacha Dee)の2枚目のアルバム『Rastafari Way』に収録されている曲です。
ボンドが旧友のCIA諜報員フェリックスに会うために車で街に向かうシーン
ジャマイカの街で流れている曲(ボンドとフィリックス達が街を歩く)
Bam Bam
作曲:Winston Riley and Ophlin Russell
オリジナル版:Toots and The Maytals(1966)
アーティスト:Ophlin Russell(as Sister Nancy)
『Bam Bam』は、ジャマイカの3人組音楽グループ、トゥーツ・アンド・ザ・メイタルズ(Toots & The Maytals)が、1966年の「ジャマイカ独立記念日の祭典」でのポピュラーソング・コンペティションで披露し優勝した曲です。ジャマイカで多くのアーティストにカバーされています。
ここでは、80年代に女性DJの草分け的存在として活躍したシスター・ナンシーことオリーン・ラッセル(Ophlin Russell)のカバーバージョンが使われています。
フィリックスの同行者ローガンがボンドに挨拶をするシーン
ジャマイカのクラブで流れる曲 1曲目
Champion
作曲:Leroy Sibbles and Buju Banton
アーティスト:Buju Banton
リリース年:1995年
『Champion』は、ジャマイカ出身のレゲエDJ /歌手、ブジュ・バントン(Buju Banton)の曲です。1995年にリリースされました。
フィリックスが「静かなところで話をしたい」と言い、三人がクラブに入るシーン
ジャマイカのクラブで流れる曲 2曲目
Money Up
作曲:Shaggy, Noah Powa, Anthony Kelly, and Lamar Reynolds
アーティスト:Shaggy
リリース年:2019年
『Money Up』は、ジャマイカ系アメリカ人のレゲエDJ/シンガー、シャギー(Shaggy)の曲です。
2019年にリリースされました。
酒を取りに歩くボンドがノーミとぶつかり挨拶をされるシーン
ボンドがクラブを出た時に街で流れている曲
Love in the Arena
作曲:Anthony Campbell and Coxsone Dodd
アーティスト:Jah Buzz
リリース年:1978年
『Love in the Arena』は、レゲエアーティスト、ジャ・バズ(Jah Buzz)の曲です。
1978年にリリースされました。
ボンドが車のボンネットを開けていると、通りかかったノーミが話しかけてくるシーン
ボンドがキューバに降り立ち、街を歩く
Cumbia de Buenaventura
作曲:Emilio Jury Moya
アーティスト:Sonora Matancera
リリース年:1965年
『Cumbia de Buenaventura』は、1924年設立のキューバン・ダンス・バンド、ソノーラ・マタンセーラ(Sonora Matancera)の曲です。
パロマがボンドを待つ店で流れる曲
Ritmo de Mi Cuba
作曲:Silvio Contreras
アーティスト:Pío Leyva
『Ritmo de Mi Cuba』は、1917年キューバ生まれのシンガーソングライター、ピオ・レイヴァ(Pío Leyva)の曲です。
ボンドとパロマが酒を飲むバーで流れる曲
La Mulata Rumbera
作曲:Alejandro Rodriguez and Sunshine
アーティスト:Cuban Jazz Legends
『La Mulata Rumbera』は、キューバの作曲家アレヤンドロ・ロドリゲス(Alejandro Rodriguez)が作った曲です。
スペクターのパーティでバンドが演奏する曲
Donde Estabas Tu?
作曲:Ernestro Duarte Brito
アーティスト:Omara Portuondo
『Donde Estabas Tu?』は、キューバのミュージシャン/作曲家エルネスト・ドゥアルテ・ブリート(Ernestro Duarte Brito)が作った曲です。
ボンドとパロマが会話を盗聴しながら会場を歩くシーン
Qの自宅で流れている曲
Incacho (Royal Anthem)
作曲:Moises Vivanco
アーティスト:Yma Sumac
リリース年:1953年
『Incacho (Royal Anthem)』は、イマ・スマック(Yma Sumac)のアルバム『Inca Taqui』に収録されている曲です。
イマ・スマックは、インカ帝国王族の末裔という触れ込みでデビューしたペルー出身の女性歌手です。
コロラトゥーラ・ソプラノの高音域からバスの低音域まで、6オクターブ近い驚異的な音域を持ちエキゾチックな美貌で、50年代に一世を風靡しました。
ボンドとイヴがQの自宅を訪れるシーン
エンディング & エンドクレジット
We Have all the Time in the World
作曲:John Barry、Hal David
アーティスト:Louis Armstrong
リリース年:1969年
『We Have all the Time in the World』は、1969年の「ジェームズ・ボンド」シリーズ第6作目『女王陛下の007』のオリジナルサウンドトラックです。
シリーズの曲を多く手がけた作曲家ジョン・バリー(John Barry)と、代表曲『雨にぬれても』で知られる作詞家ハル・デヴィッドが作りました。歌っているのは、アメリカのトランペット奏者/歌手、ルイ・アームストロングです。
『愛はすべてを越えて』の邦題でも知られています。
1969年の『女王陛下の007』で、ボンドはダイアナ・リグ演じるトレーシーという女性と結婚します。しかし、ハネムーンへ向かう途中スペクターに襲撃され彼女は殺されてしまいます。この時、ボンドがトレイシーの亡骸に顔をうずめ、涙を流しながら語りかけた言葉が「We Have all the Time in the World」で、この曲のタイトルになりました。
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』のサントラ
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』はハンス・ジマー(Hans Zimmer)が音楽を担当しました。ハンス・ジマーは、ドイツ生まれの映画音楽作曲家です。クリストファー・ノーランやリドリー・スコット監督の映画音楽を多数手掛けています。『ライオン・キング』と『デューン』でアカデミー作曲賞を受賞しています。
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』キャスト・スタッフ
監督 | キャリー・ジョージ・フクナガ(Cary Joji Fukunaga) |
脚本 | ニール・パーヴィス(Neal Purvis) |
ロバート・ウェイド(Robert Wade) | |
キャリー・ジョージ・フクナガ(Cary Joji Fukunaga) | |
フィービー・ウォーラー=ブリッジ(Phoebe Waller-Bridge) | |
原作 | イアン・フレミング(Ian Fleming) |
製作 | バーバラ・ブロッコリ(Barbara Broccoli) |
マイケル・G・ウィルソン(Michael G. Wilson) | |
音楽 | ハンス・ジマー(Hans Zimmer) |
配給 | 東宝東和 |
公開 | 2021年9月30日 |
2021年10月1日 | |
上映時間 | 163分 |
ジェームズ・ボンド:ダニエル・クレイグ(Daniel Craig)
マドレーヌ・スワン:レア・セドゥ(Léa Seydoux)
リューツィファー・サフィン:ラミ・マレック(Rami Malek)
ノーミ:ラシャーナ・リンチ(Lashana Lynch)
ギャレス・マロリー / M:レイフ・ファインズ(Ralph Fiennes)
Q:ベン・ウィショー(Ben Whishaw)
イヴ・マネーペニー:ナオミ・ハリス(Naomie Harris)
ビル・タナー:ロリー・キニア(Rory Kinnear)
フィリックス・ライター:ジェフリー・ライト(Jeffrey Wright)
ローガン・アッシュ:ビリー・マグヌッセン(Billy Magnussen)
エルンスト・スタヴロ・ブロフェルド:クリストフ・ヴァルツ(Christoph Waltz)
ヴァルド・オブルチェフ:デヴィッド・デンシック(David Dencik)
パロマ:アナ・デ・アルマス(Ana de Armas)
プリモ:ダリ・ベンサラ(Dali Benssalah)
マチルド:リサ=ドラ・ソネット(Lisa-Dorah Sonnet)
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