90年代ガーリー・カルチャーの牽引者ソフィア・コッポラ(Sofia Carmina Coppola)は、独特な色使いと選曲、繊細でみずみずしい脚本など、唯一無二の存在として活躍するアメリカの映画監督です。『地獄の黙示録』や『ゴッドファーザー』で知られるフランシス・フォード・コッポラの娘としても知られています。
長編デビュー『ヴァージン・スーサイズ』から最新作『プリシラ』まで、ソフィア・コッポラが監督をつとめた映画と作中で使われたオススメの曲をご紹介します。ソフィア・コッポラが監督したMV(ミュージック・ビデオ)も最後にまとめて紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
ソフィア・コッポラ監督映画を年代順に紹介
ソフィア・コッポラが監督した映画を年代順に紹介します。それぞれ予告編と印象的な挿入曲を合わせて紹介するので、ぜひお楽しみください。
1999年 – ヴァージン・スーサイズ
ソフィア・コッポラ監督初の長編作は、1999年に製作された映画『ヴァージン・スーサイズ』(原題:The Virgin Suicides)です。ジェフリー・ユージェニデスの小説『ヘビトンボの季節に自殺した五人姉妹』を基に、ソフィア・コッポラが脚本を執筆しました。制作には父フランシス・フォード・コッポラや『バッファロー’66』『アメリカン・サイコ』のプロデューサーとして知られるクリス・ハンリー(Chris Hanly)が名を連ねています。
1970年、アメリカ・ミシガン州に暮らすリスボン家の5姉妹の繊細な心情が描かれた青春映画です。長女ラックスを演じたキルスティン・ダンストは、今作以降も多くのソフィア・コッポラ作品に出演しています。
オススメ曲:Crazy on You
2003年 – ロスト・イン・トランスレーション
ソフィア・コッポラ2作目の監督作品は、2003年に製作された映画『ロスト・イン・トランスレーション』(原題:Lost in Translation)です。今作では監督・脚本・制作を手掛け、第76回アカデミー賞では作品賞・監督賞を含む4部門にノミネートされ、脚本賞を受賞しました。
ソフィア・コッポラが日本に滞在した時の体験を基に作られた半自伝的作品で、2000年代の渋谷スクランブル交差点や新宿、首都高などがロケ地となっています。「相互理解の難しさ」がテーマとなっていることから、日本語のセリフは意図的に翻訳されず、英語圏では字幕なしで公開されています。
オススメ曲:Sometimes
2006年 – マリー・アントワネット
ソフィア・コッポラ3作目の監督作品は、2006年に製作された映画『マリー・アントワネット』(原題:Marie-Antoinette)です。第79回アカデミー衣装デザイン賞を受賞しました。
マリー・アントワネットの生涯を「14歳の若さで異国に嫁いだ少女」という目線で描いた作品です。キルスティン・ダンストがマリー・アントワネットを演じました。
オススメ曲:Fools Rush In
2010年 – SOMEWHERE
ソフィア・コッポラ4作目の監督作品は、2010年に製作された映画『SOMEWHERE』です。監督・脚本・制作をソフィア・コッポラがつとめ、さらに兄のロマン・コッポラも制作に名を連ねました。
空虚な生活を送っていたハリウッド俳優が、元妻の失踪をきっかけに11歳の娘と過ごす夏の様子が描かれています。第67回ヴェネツィア映画祭で金獅子賞を受賞しました。
オススメ曲:Love Like A Sunset Part I
2013年 – ブリングリング
ソフィア・コッポラ5作目の監督作品は、2013年に製作された映画『ブリングリング』(原題:The Bling Ring)です。2012年に設立したばかりのA24が北米配給権を獲得し話題となりました。
2009年ごろロサンゼルスで多発した実際の強盗事件が題材となっており、2010年に雑誌『ヴァニティ・フェア』に掲載されたナンシー・ジョー セールズによるインタビュー記事『ブリングリング こうして僕たちはハリウッドセレブから300万ドル盗んだ』(原題:The Suspects Wore Louboutins)が原作となっています。
オススメ曲:Power
2015年 – ビル・マーレイ・クリスマス
『ビル・マーレイ・クリスマス』はソフィア・コッポラがNetflixの企画で制作したクリスマス・スペシャル番組です。
昔ながらのクリスマス・バラエティショーのオマージュ的なコメディ作品になっています。
オススメ曲:Fairytale Of New York
2017年 – The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ
ソフィア・コッポラ7作目の監督作品は、2017年に製作された映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』(原題:The Beguiled)です。トーマス・カリナンによる同名小説の映画化で、1864年南北戦争真っ只中のバージニア州にある女子学園を舞台に描かれるサイコスリラー映画です。1971年には『白い肌の異常な夜』のタイトルで、ドン・シーゲル監督クリント・イーストウッド主演でも映画化されています。
第70回カンヌ国際映画祭では監督賞を受賞しました。
オススメ曲:Lorena
2020年 – オン・ザ・ロック
ソフィア・コッポラ7作目の監督作品は、2020年に製作された映画『オン・ザ・ロック』(原題:On The Rocks)です。A24とAppleが業務提携を結んで配給する第一作目として制作・配信されました。
ソフィア・コッポラ自身が暮らすNYを舞台とした映画です。2人の子供を持つ小説家が、夫の浮気を疑い父親に相談することで起こる騒動が描かれています。
オススメ曲:I Fall in Love Too Easily
2024年 – プリシラ
ソフィア・コッポラ8作目の監督作品は、2023年に製作された映画『プリシラ』(原題:Priscilla)です。エルヴィス・プレスリーの元妻プリシラ・プレスリーの回想録『私のエルヴィス』を基にソフィア・コッポラが脚本を執筆しました。日本では2024年4月公開予定です。
プリシラ役を演じたケイリー・スピーニーは第80回ヴェネツィア国際映画祭で女優賞を受賞しました。
ソフィア・コッポラが制作したMV一覧
ソフィア・コッポラは、親交のあるミュージシャンのためにいくつかのミュージックビデオも制作しています。ソフィア・コッポラが手がけたMVをまとめてご紹介します。
(古いMVは画質が悪いのもありますがご了承ください。)
Shine – Walt Mink (1993)
This Here Giraffe – The Flaming Lips (1996)
Playground Love – Air (2000)
City Girl – Kevin Shields (2003)
I Just Don’t Know What to Do with Myself – The White Stripes (2003)
Chloroform – Phoenix (2013)
ソフィア・コッポラ監督映画まとめ
ソフィア・コッポラが監督した長編映画とミュージックビデオを全て紹介しました。独特の色使い・明暗のある映像にマッチする名曲の数々が映画を盛り上げてくれます。今後の活躍も楽しみです。
コメント