2022年に制作された映画『逆転のトライアングル』(原題:Triangle of Sadness)は、セレブを乗せた豪華クルージング船が事故により無人島に流れ着き、サバイバル生活を余儀なくされる様子を描いたブラックコメディ映画です。スウェーデン出身の監督リューベン・オストルンド初の英語作品になります。
第75回カンヌ国際映画祭ではパルム・ドールを受賞、第95回アカデミー賞では作品賞・監督賞・脚本賞の3部門でノミネートされました。
- 『逆転のトライアングル』の挿入曲
- 審査員がウォーキングの手本を見せる(審査員が歌う)
- Part 1 – カール&ヤヤのオープニング
- ファッションショーのオープニング(チェリストが演奏する曲)
- ヤヤがランウェイに登場する(BGM)
- ヤヤとカールがテーブルの真ん中に置かれた伝票を巡り口論をする(レストランのBGM)
- ヤヤが怒って席を立つ(レストランのBGM)
- Part 2 – ヨットのオープニング
- ヤヤのSNS用の写真をカールが撮影する(デッキで昼間に流れているBGM)
- マネージャーが避難訓練の時間を知らせに船長の部屋をノックする(客室廊下のBGM)
- レストランの自動演奏ピアノから流れる曲(1曲目)
- レストランの自動演奏ピアノから流れる曲(2曲目)
- デッキで開かれているナイトパーティーのBGM
- 客の指示で勤務中の女性従業員がプールに入るシーン
- トーマス船長の客室で流れている曲
- 乗務員がウォーター・スライダーを滑り海にダイブするシーン
- トイレから逆流した汚物が船内に流れ出すシーン
- Part 3 – 島のオープニング
- エンディング
- エンドクレジット
- 『逆転のトライアングル』のサントラ
- 『逆転のトライアングル』キャスト・スタッフ
『逆転のトライアングル』の挿入曲
『逆転のトライアングル』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)
審査員がウォーキングの手本を見せる(審査員が歌う)
ステイン・アライヴ
Artist | ビージーズ(Bee Gees) ギブ三兄弟を中心に結成された男性ボーカルグループ。 1963年にオーストラリアでデビューし半世紀にわたる息の長い活動を続け数々の名曲を残した。 |
リリース | 1977年:Soundtrack『サタデー・ナイト・フィーバー』 |
作曲者 | Bee Gees バリー・ギブ(Barry Gibb) ロビン・ギブ(Robin Gibb, 1949-2012) モーリス・ギブ(Maurice Gibb, 1949-2003) |
Part 1 – カール&ヤヤのオープニング
Artist | エム・アイ・エイ(M.I.A.) タミル系スリランカ人歌手/ソングライター/音楽プロデューサー/ファッションデザイナー/ビジュアルアーティスト、1975年生まれ。 タミル人のテロ組織「タミル・タイガー」(LTTE) の創設メンバーである父親をもち、スリランカ内戦を機に母親と共に難民としてロンドンに移住。芸名(M.I.A.)は、内戦終了後も連絡が取れない父親に対するメッセージとされる「Missing In Action」(戦闘中行方不明)の略。 |
リリース | 2010年 |
作曲者 | M.I.A., Dave Taylor, Alan Vega, Martin Rev and John Hill |
ファッションショーのオープニング(チェリストが演奏する曲)
Artist | リネア・オルソン(Linnea Olson) スウェーデン出身のギタリスト/ジャーナリスト、1986年生まれ。 |
リリース | 2011年 |
作曲者 | リネア・オルソン(Linnea Olson) |
ヤヤがランウェイに登場する(BGM)
Artist | Asle デンマークのハウスDJ/プロデューサー。 |
リリース | 2018年 |
作曲者 | George Duke and Asle Bjørn |
ヤヤとカールがテーブルの真ん中に置かれた伝票を巡り口論をする(レストランのBGM)
弦楽五重奏曲 ホ長調 作品11-5 G. 275 – 第3楽章「メヌエット」
作曲者 | ルイジ・ボッケリーニ(Luigi Boccherini, 1743-1805) イタリアの作曲家/チェリスト。 |
作曲年 | 1771年 |
Artist | ブダペスト・ストリングス(Budapest Strings) ベラ・バンファルヴィ(Béla Bánfalvi) |
ヤヤが怒って席を立つ(レストランのBGM)
トッカータとフーガ ニ短調 BWV 565
作曲者 | ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685-1750) バロック時代を代表するドイツの作曲家/オルガニスト。 宗教音楽や器楽曲など幅広いジャンルで多くの傑作を残し、西洋音楽の歴史の中で最も偉大な作曲家の一人と評される。 |
Artist | エイミー・ターク(Amy Turk) イギリスの女性ハープ奏者。 |
『トッカータとフーガ ニ短調 BWV 565』は、バッハがオルガンの為に作った作品です。
Part 2 – ヨットのオープニング
ホテルの部屋で2人の言い争いが終わるシーンから曲が始まります。
邦題『エジプトの幻想』
Artist cover ver. | ヴァンサン・ペイラーニ(Vincent Peirani) フランスのジャズアコーディオン奏者/ボーカリスト/作曲家、1980年生まれ。 |
エミール・パリジャン(Emile Parisien) フランスのサックス奏者/作曲家、1982年生まれ。 | |
リリース | 2014年 |
作曲者 | シドニー・ベシェ(Sidney Bechet, 1897-1959) アメリカのジャズサックス奏者/クラリネット奏者/作曲家。 |
Original ver. | 1941年:シドニー・ベシェ |
この後、以下のシーンでもこの曲が使われています。
「客の指示で勤務中の女性従業員がプールに入るシーン」
「乗務員がウオーター・スライダーを滑り海にダイブするシーン」
ヤヤのSNS用の写真をカールが撮影する(デッキで昼間に流れているBGM)
ライフ
Artist | デズリー(Des’ree) イギリスの歌手/シンガーソングライター、1968年ロンドン生まれ。 |
リリース | 1998年 |
作曲者 | Des’ree & Prince Sampson |
マネージャーが避難訓練の時間を知らせに船長の部屋をノックする(客室廊下のBGM)
作曲者 | エルンスト・アウグスト・クヴェレ(Ernst August Quelle, 1931-2022) ドイツの作曲家/ピアニスト。 |
レストランの自動演奏ピアノから流れる曲(1曲目)
ランチでヤヤがパスタを口に運ぶところをカールが撮影するシーン。
二日目に行われた「キャプテンズ・ディナー」で船長が客を迎えるシーンでもこの曲が流れていました。
ワンス・イン・ア・ホワイト
作曲者 | バド・グリーン(Bud Green, 1897-1981) アメリカの作詞家。 |
マイケル・エドワーズ(Michael Edwards, 1893-1962) アメリカの作曲家/ヴァイオリニスト/オルガニスト/アレンジャー。 | |
Original ver. | 1937年:トミー・ドーシー楽団(Tommy Dorsey and His Orchestra) |
『Once in a While』は、1937年に出版されたポピュラーソングです。
ルイ・アームストロング、サラ・ヴォーンなど多くののアーティストにカバーされ、スタンダードナンバーになりました。
レストランの自動演奏ピアノから流れる曲(2曲目)
ロシアの大富豪ディミトリが、カール達に自分の仕事の話をするシーン。
二日目にディミトリがトーマス船長と二人で酒を飲むシーンでもこの曲が流れていました。
ラッシュ・ライフ
作曲者 | ビリー・ストレイホーン(Billy Strayhorn, 1915-1967) アメリカジャズピアニスト/作曲家/アレンジャー。 デューク・エリントンとのコラボで知られる。 代表曲『A列車で行こう』 |
Original ver. | 1949年:ナット・キング・コール(Nat King Cole, 1919-1965) 「キング」の愛称で呼ばれ一世を風靡したアメリカのジャズピアニスト/歌手。 1930年代後半にジャズピアニストとしてキャリアをスタートさせ、ピアノ・ギター・ベースからなる「ナット・キング・コール・トリオ」を結成しトリオバンドの先駆けとなり活躍。歌手としても艶と暖かみのあるスモーキーな声が絶賛され数多くのヒット曲を世に送り出した。 |
デッキで開かれているナイトパーティーのBGM
レディ(ヒア・ミー・トゥナイト)
Artist | モジョ(Modjo) 1999年にパリで結成されたフレンチ・ハウス・ミュージック・デュオ。 |
リリース | 2000年 |
作曲者 | Bernard Edwards, Nile Rodgers, Romain Tranchart & Yann Destagnol |
『Lady (Hear Me Tonight)』には、アメリカのファンクバンド「シック」(Chic) の『Soup for One』(1982) がサンプリングされています。
客の指示で勤務中の女性従業員がプールに入るシーン
邦題『エジプトの幻想』
Artist cover ver. | ヴァンサン・ペイラーニ(Vincent Peirani) フランスのジャズアコーディオン奏者/ボーカリスト/作曲家、1980年生まれ。 |
エミール・パリジャン(Emile Parisien) フランスのサックス奏者/作曲家、1982年生まれ。 | |
リリース | 2014年 |
作曲者 | シドニー・ベシェ(Sidney Bechet, 1897-1959) アメリカのジャズサックス奏者/クラリネット奏者/作曲家。 |
Original ver. | 1941年:シドニー・ベシェ |
「Part 2 – ヨットのオープニング」でもこの曲が使われていました。
トーマス船長の客室で流れている曲
この後「厨房に電話がかかってくるシーン」でもこの曲が流れています。
インターナショナル
『The International』は、社会主義・共産主義を代表する曲です。
ソビエト社会主義共和国連邦では、1917年〜1944年まで国歌とされていました。
ここでは、1981年のアメリカ映画『レッズ』(Reds)のサウンドトラックが使われています。
『レッズ』は、ロシア革命に立ち会い、ルポルタージュ作品『世界をゆるがした10日間』を執筆したアメリカ人ジャーナリスト、ジョン・リードの半生を描いた作品です。
乗務員がウォーター・スライダーを滑り海にダイブするシーン
邦題『エジプトの幻想』
Artist cover ver. | ヴァンサン・ペイラーニ(Vincent Peirani) フランスのジャズアコーディオン奏者/ボーカリスト/作曲家、1980年生まれ。 |
エミール・パリジャン(Emile Parisien) フランスのサックス奏者/作曲家、1982年生まれ。 | |
リリース | 2014年 |
作曲者 | シドニー・ベシェ(Sidney Bechet, 1897-1959) アメリカのジャズサックス奏者/クラリネット奏者/作曲家。 |
Original ver. | 1941年:シドニー・ベシェ |
「Part 2 – ヨットのオープニング」でもこの曲が使われていました。
トイレから逆流した汚物が船内に流れ出すシーン
Artist | リフューズド(Refused) 1991年に結成されたスウェーデンのハードコア・パンクバンド。 |
リリース | 1998年 |
作曲者 | David Sandström, Dennis Lyxzén, Jon Brännström & Kristofer Steen |
Part 3 – 島のオープニング
聖ジュヌヴィエーヴ・デュ・モン教会の鐘の音
作曲者 | マラン・マレー(Marin Marais, 1656-1728) フランスの作曲家/指揮者/ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者。 パリ貧民街で見習い靴職人の子供として生まれる。幼少時に音楽の才能を認められヴィオラ・ダ・ガンバの腕を磨き、23歳でルイ14世の宮廷ヴィオール奏者に任命された。その後、作曲家・指揮者としても成功をおさめた。 |
作曲年 | 1723年 |
Artist | ル・コンセール・デ・ナシオン(Le Concert des Nations) |
『Sonerie de Sainte Genevieve du Mont de Paris』は、マラン・マレーと師サント=コロンブとの師弟愛が描かれた1991年のフランス映画『めぐり逢う朝』(原題:Tous les Matins du Monde)で使われ、話題となりました。
「エンドクレジット」など、パート3ではこの曲が数回流れます。
エンディング
Artist | フレッド・アゲイン(Fred again..) イギリスの音楽プロデューサー/歌手/ソングライター/マルチ楽器奏者/DJ、1993年ロンドン生まれ。 |
ザ・ブレスド・マドンナ(The Blessed Madonna) アメリカのDJ/プロデューサー/ミュージシャン、1977年生まれ。 | |
リリース | 2021年 |
作曲者 | Fred Gibson, The Blessed Madonna and Thibaud Noyer |
『Marea (We’ve Lost Dancing) 』には、ザ・ブレスド・マドンナ(The Blessed Madonna)のスピーチがサンプリングされています。
エンドクレジット
聖ジュヌヴィエーヴ・デュ・モン教会の鐘の音
作曲者 | マラン・マレー(Marin Marais, 1656-1728) フランスの作曲家/指揮者/ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者。 パリ貧民街で見習い靴職人の子供として生まれる。幼少時に音楽の才能を認められヴィオラ・ダ・ガンバの腕を磨き、23歳でルイ14世の宮廷ヴィオール奏者に任命された。その後、作曲家・指揮者としても成功をおさめた。 |
作曲年 | 1723年 |
Artist | ル・コンセール・デ・ナシオン(Le Concert des Nations) |
「Part 3 – 島のオープニング」でもこの曲が使われていました。
『逆転のトライアングル』のサントラ
『逆転のトライアングル』はミケル・マルサ(Mikkel Maltha)とレスリー・ミング(Leslie Ming)が音楽を担当しました。
『ライダーズ・オブ・ジャスティス』(2020)や『アナザーラウンド』(2020)、『ハウス・ジャック・ビルト』(2018) など、北欧映画の音楽を多数手掛けています。
『逆転のトライアングル』キャスト・スタッフ
監督 | リューベン・オストルンド(Ruben Östlund) |
脚本 | リューベン・オストルンド(Ruben Östlund) |
製作 | エリク・ヘンメンドルフ(Erik Hemmendorff) |
フィリップ・ボベール(Philippe Bober) | |
音楽 | ミケル・マルサ(Mikkel Maltha) |
レスリー・ミング(Leslie Ming) | |
配給 | SFスタジオズ |
GAGA | |
公開 | 2022年5月21日 |
上映時間 | 149分 (カンヌ国際映画祭上映版) |
カール:ハリス・ディキンソン(Harris Dickinson)
ヤヤ:チャールビ・ディーン(Charlbi Dean)
アビゲイル:ドリー・デ・レオン(Dolly de Leon)
トーマス・スミス船長:ウディ・ハレルソン(Woody Harrelson)
ディミトリー:ズラッコ・ブリッチ(Zlatko Burić)
イーリス・ベルベン(Iris Berben)
ヴィラ:サニーイー・ベルズ(Sunnyi Melles)
ヨルマ:ビョルクマン – ヘンリック・ドーシン(Per Henrik Dorsin)
リュドミラ:キャロライナ・ギリング(Carolina Gynning)
ポーラ:ヴィッキ・ベルリン(Vicki Berlin Tarp)
ハンナ・オルデンブルグ(Hanna Oloenburg)
ウィンストン:オリヴァー・フォード・デイヴィーズ(Oliver Ford Davies)
クレモンティーヌ:アマンダ・ウォーカー(Amanda Walker)
ダリウス:アーヴィン・カナニアン(Arvin Kananian)
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