2024年制作された映画『ブルータリスト』(原題:The Brutalist)は、ホロコーストを生き延びたハンガリー系ユダヤ人建築家ラースロー・トートがアメリカに移住してからの半生を描いたドラマ映画です。
第97回アカデミー賞では作品賞を含む10部門にノミネートされています。
『ブルータリスト』の挿入曲
『ブルータリスト』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)
ラースローが英語の早口言葉を練習しながら髭を剃る
William Tell Overture
歌劇《ウィリアム・テル》- 序曲
歌劇《ウィリアム・テル》- 序曲
Artist | スパイク・ジョーンズ(Spike Jones, 1911-1965) アメリカのミュージシャン/コメディアン。 銃声/笛/カウベル/しゃっくり/ゲップ等を効果音に取り入れる独創的かつ想像力に富んだアレンジで “冗談音楽の王様” と呼ばれ一世を風靡した。 |
リリース | 1948年 |
作曲者 | ジョアキーノ・ロッシーニ(Gioachino Rossini, 1792-1868) イタリアのロマン派を代表するオペラ作曲家。 18歳の時にオペラ作曲家としてデビューし人気のあるイタリアオペラの作曲家としてヨーロッパ中にその名を轟かせたが、37歳の時『ウィリアム・テル』を作曲しオペラ界から事実上の引退。その後30年以上にわたる引退生活では、宗教音楽/サロン向けの歌曲/ピアノ曲/室内楽を中心に作曲を行った。 また「ロッシーニ風」という料理名の由来にもなり、美食家としても知られている。 |
作曲年 | 1829年 |
アティラとオードリーが曲に合わせ踊る(アティラの家で流れる曲 1曲目)
Buttons & Bows
邦題『ボタンとリボン』
邦題『ボタンとリボン』
Artist | ダイナ・ショア(Dinah Shore, 1916-1994) アメリカの歌手/女優/トークショーの司会者。 ロシア系ユダヤ人移民の両親のもとテネシー州で育つ。ナッシュビルのヴァンダービルト大学でユダヤ人初のチアリーダーになり地元を中心に人気を獲得。ラジオのオーディション番組をきっかけに歌手デビューを果たし、1940年代を通じてラジオ番組に出演し80のヒット曲をチャートインさせる。その後、テレビの音楽/バラエティー番組にも出演。トークショーの司会を務めるなどアメリカを代表するテレビスターとして絶大な人気を博した。 |
リリース | 1948年 |
作曲者 | リビングストン&エバンズ(Livingston & Evans) ジェイ・リビングストン(Jay Livingston, 1915-2001)とレイ・エバンズ(Ray Evans, 1915-2007)のユダヤ系アメリカ人二人によるソングライティング/作曲家コンビ。映画『腰抜け二挺拳銃』(1948)、『別働隊』(1950)、『知りすぎていた男』(1956) の主題歌を手掛けアカデミー歌曲賞を3度受賞した。 代表作『モナ・リザ』『ケ・セラ・セラ』『タミー』 |
『Buttons & Bows』は、1948年のアメリカ映画『腰抜け二挺拳銃』(原題:The Paleface)で、主演のボブ・ホープ(Bob Hope)によって披露された曲です。
作曲したユダヤ系アメリカ人作曲家の二人は、第21回アカデミー賞で歌曲賞を受賞しました。
アティラにうながされ、ラースローがオードリーと踊る(アティラの家で流れる曲 2曲目)
It’s So Nice To Have A Man Around The House
Artist | ダイナ・ショア(Dinah Shore, 1916-1994) アメリカの歌手/女優/トークショーの司会者。 |
リリース | 1950年 |
作曲者 | ハロルド・スピーナ(Harold Spina, 1906-1997) アメリカのポピュラー音楽作曲家。 |
ジャック・エリオット(Jack Elliott, 1914-1972) アメリカのソングライター。 |
ラースローとゴードンがクレーンの上で作業をする(ゴードンが歌う曲)
To Each His Own
Artist | エディ・ハワード(Eddy Howard, 1914-1963) アメリカのボーカリスト/バンドリーダー。 |
リリース | 1946年 |
作曲者 | リビングストン&エバンズ(Livingston & Evans) ジェイ・リビングストン(Jay Livingston, 1915-2001)とレイ・エバンズ(Ray Evans, 1915-2007)のユダヤ系アメリカ人二人によるソングライティング/作曲家コンビ。映画『腰抜け二挺拳銃』(1948)、『別働隊』(1950)、『知りすぎていた男』(1956) の主題歌を手掛けアカデミー歌曲賞を3度受賞した。 代表作『モナ・リザ』『ケ・セラ・セラ』『タミー』 |
『To Each His Own』は、1946年のアメリカ映画『遥かなる我が子』(原題:To Each His Own)の主題歌です。
ハリソン・ヴァン・ビューレンがラースローとランチをし、書斎の件を謝る(ダイナーで流れる曲)
So Tired
Artist | ラス・モーガン(Russ Morgan, 1904-1969) アメリカのミュージシャン/ビッグバンドリーダー/アレンジャー。 ペンシルベニア州スクラントンで生まれ、炭鉱職員の父とボードビルピアニストの母のもと7歳から音楽を学び始める。ピアノやトロンボーンのレッスン費用を稼ぐために鉱山で働き、10代後半にニューヨークに移りツアーミュージシャン/アレンジャーとして働き始める。 その後、ビッグバンドを率いてラジオ/テレビに出演。ヒット曲を数多く生み出し成功を収めた。 |
リリース | 1948年 |
作曲者 | ラス・モーガン |
ジャック・スチュアート(Jack Stuart) アメリカのソングライター。 |
ヴァン・ビューレンがラースローを自室に呼び、コミュニティセンターの詳しい構想について伝える
Serenade No. 13 in G Major, K. 525, “Eine kleine Nachtmusik” – IV. Rondo: Allegro
セレナード第13番 ト長調「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」 K. 525 – 第4楽章 ロンド
セレナード第13番 ト長調「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」 K. 525 – 第4楽章 ロンド
作曲者 | ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756 -1791) 18世紀古典派を代表するオーストリアの作曲家。 幼い頃から並外れた音楽の才能を示し「神童」と呼ばれる。5歳ですでに作曲を始め35歳の若さで亡くなるまで600を超える作品を作る。オペラ、協奏曲、交響曲、室内楽、器楽曲などあらゆるジャンルにわたり名作を残し西洋音楽に大きな影響を与えた。 |
作曲年 | 1787年 |
カッラーラ、オラツィオの大理石採掘場パーティでラースローや客が踊る曲
You are my destiny
邦題『君は我が運命』
邦題『君は我が運命』
Artist | ミーナ(Mina) イタリアの歌手/女優、1940年生まれ。 1958年にデビュー。長身と美貌、 3オクターブの声域の軽快で俊敏なソプラノボイスを特徴とし、イタリアン・ポップス界の女王的存在として一世を風靡した。 |
リリース | 1960年 |
作曲者 | ポール・アンカ(Paul Anka) カナダ出身のアメリカのシンガーソングライター/歌手、1941年生まれ。 代表曲『ダイアナ』『電話でキッス』『THIS IS IT』 |
Original ver. | 1957年:ポール・アンカ(Paul Anka) |
エンドクレジット
One for You, One for Me
ワン・フォー・ユー、ワン・フォー・ミー
ワン・フォー・ユー、ワン・フォー・ミー
Artist | ラ・ビオンダ(La Bionda) ビオンダ兄弟によるイタリアのディスコ・デュオ。 イタロ・ディスコのパイオニアとして知られる。 |
リリース | 1978年 |
作曲者 | La Bionda カルメロ・ラ・ビオンダ(Carmelo La Bionda, 1949-2022) ミケランジェロ・ラ・ビオンダ(Michelangelo La Bionda) |
リチャード・パーマー・ジェイムス(Richard Palmer-James) イギリスのギタリスト/ソングライター/作詞家、1947年生まれ。ロックバンド「スーパートランプ」(Supertramp) の創設メンバーの一人。1970年代初頭に「キング・クリムゾン」(King Crimson) の作詞を担当していた。 |
『ブルータリスト』のサントラ
『ブルータリスト』はダニエル・ブルンバーグ(Daniel Blumberg)が音楽を担当しました。
ダニエル・ブルンバーグは、イギリス・ロンドン出身の作曲家/ミュージシャンです。ケイジャン・ダンス・パーティのリードシンガーとしても知られています。
メインアーティスト:Daniel Blumberg
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『ブルータリスト』キャスト・スタッフ
監督 | ラディ・コーベット(Brady Corbet) |
脚本 | ブラディ・コーベット(Brady Corbet) |
モナ・ファストヴォールド(Mona Fastvold) | |
製作 | ブラディ・コーベット(Brady Corbet) |
トレヴァー・マシューズ(Trevor Matthews) | |
ニック・ゴードン(Nick Gordon) | |
ブライアン・ヤング(Brian Young) | |
アンドリュー・モリソン(Andrew Morrison) | |
アンドリュー・ローレン(Andrew Lauren) | |
D・J・グゲンハイム(D.J. Gugenheim) | |
音楽 | ダニエル・ブルームバーグ(Daniel Blumberg) |
配給 | パルコ=ユニバーサル映画 |
公開 | 2024年12月20日 |
2025年2月21日 | |
上映時間 | 215分 |
ラースロー・トート:エイドリアン・ブロディ(Adrien Brody)
エルジェーベト・トート:フェリシティ・ジョーンズ(Felicity Jones)
ハリソン:ガイ・ピアース(Guy Pearce)
ハリー:ジョー・アルウィン(Joe Alwyn)
ジョーフィア:ラフィー・キャシディ(Raffey Cassidy)
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