2021年アメリカで制作された映画『Mr.ノーバディ』(原題:Nobody)は、うだつの上がらない会社員として生活するハッチが、強盗騒動に巻き込まれたことから過去の姿を思いだしていくハードボイルド・アクションスリラー映画です。ロシア・モスクワ生まれのイリヤ・ナイシュラーが監督をつとめ『ジョン・ウィック』シリーズのデレク・コルスタッドが脚本をつとめました。
2024年現在、続編の撮影が進んでおり、2025年8月15日に全米公開される予定です。
- 『Mr.ノーバディ』の挿入曲
- オープニング
- 隣人がハッチに自慢する車から聞こえる曲
- 家を飛び出したハッチが強盗を探しタトゥーショップをまわり歩く
- ユリアンの弟達が無謀な運転でバスの横に現れる
- ユリアンの弟達が酒瓶を持ちバスに乗り込んでくる
- ナイトクラブ1曲目 – 車を降りたユリアンが道路を渡り店内に入る
- ナイトクラブ2曲目 – 歌い終わったユリアンを皆が拍手で迎える
- ユリアンがハッチのメトロカードを受け取る(ハッチが口笛で吹く曲)
- ハッチが理髪師(バーバー)を訪ねる
- ハッチがラザニアを作り家族をもてなす
- ハッチが拉致された車内で流れる曲(逃げ切ったハッチは父に電話をかける)
- ハッチがレコードで流す曲(金塊をカバンに入れ、酒を飲む)
- ハッチがレコードで流す曲(レコードから火が出て家が燃える)
- ハッチがユリアンの事務所に侵入しオブシャクを焼き払う
- 車で去るハッチをユリアンと手下が追いつめる
- ハッチと父親、ハリーが共に戦う
- 取調室でハッチがタバコを吸う
- エンディング
- 『Mr.ノーバディ』のサントラ
- 『Mr.ノーバディ』キャスト・スタッフ
『Mr.ノーバディ』の挿入曲
『Mr.ノーバディ』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)
オープニング
邦題『悲しき願い』
Artist | ニーナ・シモン(Nina Simone, 1933-2003) ノースカロライナ州トライオン出身のアフリカ系アメリカ人歌手/ソングライター/ピアニスト/作曲家/アレンジャー/公民権活動家。 |
リリース | 1964年 |
作曲者 | ベニー・ベンジャミン(Bennie Benjamin, 1907-1989) ヴァージン諸島生まれのアメリカの作曲家。ソル・マーカスとの共同執筆で知られる。 |
ソル・マーカス(Sol Marcus, 1912-1976) アメリカのソングライター/ピアニスト。 | |
グロリア・コールドウェル(Gloria Caldwell) ホレス・オット(Horace Ott)の配偶者。 | |
『Don’t Let Me Be Misunderstood』は、アメリカのミュージシャン、ホレス・オット(Horace Ott)が、後に妻となるガールフレンドのグロリア・コールドウェル(Gloria Caldwell)と喧嘩をした際に着想を得て、その後ホレス・オットの作曲パートナーが完成させた曲です。作曲者のクレジットには、ホレス・オットの代わりにガールフレンドのグロリア・コールドウェルの名前が登録されています。
アニマルズ(The Animals)によるブルースロックバージョン、サンタ・エスメラルダ(Santa Esmeralda)によるディスコバージョンなど、様々なスタイルで数多くの歌手たちによってカバーされた人気のスタンダードナンバーです。
この後「取調室でハッチがタバコを吸う」でもこの曲が使われています。
隣人がハッチに自慢する車から聞こえる曲
Artist | パット・ベネター(Pat Benatar) アメリカの女性ロックミュージシャン/シンガーソングライター、1953年ブルックリン生まれ。 |
リリース | 1978年 |
作曲者 | クリフ・ウェイド(Cliff Wade) イギリスのロックミュージック・ソングライター。 |
ジェフ・ギル(Geoff Gill) イギリス出身のドラマー/作曲家。ザ・スモーク(The Smoke)、フィックル・ピックル(FICKLE PICKLE)のドラマーとして活躍。 |
この後「車で去るハッチをユリアンと手下が追いつめる」でもこの曲が使われています。
家を飛び出したハッチが強盗を探しタトゥーショップをまわり歩く
Artist | ルーサー・アリスン(Luther Allison, 1939-1997) アメリカのブルース・シンガーソングライター/ギタリスト。 |
リリース | 1984年 |
作曲者 | ルーサー・アリスン(Luther Allison, 1939-1997) |
ユリアンの弟達が無謀な運転でバスの横に現れる
Artist | Mandarinki |
作曲者 | イリヤ・ドゥルジャキン(Ilya Druzyakin) ロシアのミュージシャン/DJ/プロデューサー/サウンド・エンジニア/編曲家。「СЯВА」の作品で知られる。 |
ヴャチェスラフ・ハルキン(Viacheslav Khakhalkin) ロシアのミュージシャン/DJ/プロデューサー/俳優/テレビ・ラジオの司会者。 |
ユリアンの弟達が酒瓶を持ちバスに乗り込んでくる
Artist | スティーヴ・ローレンス&イーディ・ゴーメ(Steve Lawrence & Eydie Gormé) スティーヴ・ローレンス(Steve Lawrence)とイーディ・ゴーメ(Eydie Gormé, 1928-2013)の夫婦によるボーカル・デュオ。 妻イーディ・ゴーメが健康上の理由により引退するまで50年以上に渡りおしどり夫婦としてテレビ・ラジオ、ショービジネス界でも活躍し人気を博す。 |
リリース | 1967年 |
作曲者 | ウォルター・マークス(Walter Marks) アメリカの作詞家/劇作家/脚本家/小説家。 |
『I’ve Gotta Be Me』は、1968年初演のブロードウェイ・ミュージカル『Golden Rainbow』のために作られた曲です。
ナイトクラブ1曲目 – 車を降りたユリアンが道路を渡り店内に入る
Artist | Kombinatsiya and Alyona Apina 1988年に結成されたロシアの女性ポップバンド。 |
作曲者 | ヴィタリー・オコロコフ(Vitaliy Okorokov) ロシアの作曲家/ソングライター/音楽監督。 |
アリーナ・アピナ(Alyona Apina) ウクライナ出身の女性ラッパー。 |
ナイトクラブ2曲目 – 歌い終わったユリアンを皆が拍手で迎える
Artist | ナターシャ・コロリオワ(Natasha Korolyova) ウクライナ出身のポピュラー音楽歌手。 |
作曲者 | イゴール・ニコラエフ(Igor Nikolaev) ロシアの作曲家/歌手/ソングライター。二人目の妻がポピュラー音楽歌手のナターシャ・コロリオワ(Natasha Korolyova)。 |
ユリアンがハッチのメトロカードを受け取る(ハッチが口笛で吹く曲)
『ピアノ協奏曲 第1番 変ロ短調, Op 23』より第1楽章
作曲者 | ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(Pyotr Ilyich Tchaikovsky, 1840-1893) 19世紀ロシアを代表する作曲家。 |
作曲年 | 1874年 – 1875年 |
ハッチが理髪師(バーバー)を訪ねる
Artist | クライド・マクファター(Clyde McPhatter, 1932-1972) アメリカのR&B/ソウル/ロックンロール歌手。 ビリー・ワード&ザ・ドミノズやドリフターズを経てソロ歌手に転向。 |
リリース | 1959年 |
作曲者 | オーティス・ブラックウェル(Otis Blackwell, 1932-2002) アメリカのソングライター/歌手/ピアニスト。 |
ジミー・ウィリアムス(Jimmy Williams) アメリカのR&B/ソウル・シンガー。 |
ハッチがラザニアを作り家族をもてなす
Artist | Almost Here |
作曲者 | Magnus Ringblom |
ハッチが拉致された車内で流れる曲(逃げ切ったハッチは父に電話をかける)
Artist | エドウィン・スター(Edwin Starr, 1942-2003) テネシー州ナッシュビル出身のソウルミュージックシンガー。 |
リリース | 1971年 |
作曲者 | バレット・ストロング(Barrett Strong, 1941-2023) ミシシッピ州ウェストポイント出身の歌手/ソングライター。 |
ノーマン・ホィットフィールド(Norman Whitfield, 1940-2008) アメリカのソングライター/音楽プロデューサー。 |
ハッチがレコードで流す曲(金塊をカバンに入れ、酒を飲む)
Artist cover ver. | ディーン・ハドソン楽団(Dean Hudson and His Orchestra feat. The Sherry Sisters) ディーン・ハドソン(Dean Hudson, 1913-1991) アメリカのトランペット奏者/歌手。 |
作曲者 | ナット・キング・コール(Nat King Cole, 1919-1965) アメリカのジャズピアニスト/歌手。 |
アーヴィング・ミルズ (Irving Mills, 1894-1985) アメリカのジャズ音楽の出版者/エージェント/オーケストラリーダー/作詞家。 | |
Original ver. | 1944年:キング・コール・トリオ(The King Cole Trio) |
ハッチがレコードで流す曲(レコードから火が出て家が燃える)
邦題『この素晴らしき世界』
Artist | ルイ・アームストロング(Louis Armstrong, 1901-1971) アメリカのトランペット奏者/作曲家/歌手。 |
リリース | 1967年 |
作曲者 | ボブ・シール(Bob Thiele, 1922-1996) ジョージ・ダグラス (George Douglas) のペンネームでも活躍したアメリカの音楽プロデューサー。「フライング・ダッチマン・レコード」「ドクター・ジャズ・レコード」の創設者。 |
ジョージ・デイヴィッド・ウェイス(George David Weiss, 1921- 2010) アメリカのソングライター/アレンジャー。 代表作『バードランドの子守唄』『ライオンは寝ている』『好きにならずにいられない』『この素晴らしき世界』 |
ハッチがユリアンの事務所に侵入しオブシャクを焼き払う
Artist | アンディ・ウィリアムス(Andy Williams, 1927-2012) アイオワ州ウォールレイク出身の歌手。「イージーリスニングの帝王」と呼ばれ世界中で愛されたアメリカ・ポピュラー音楽史を代表する歌手。 |
リリース | 1971年 |
作曲者 | アンディ・ウィリアムス(Andy Williams, 1927-2012) |
車で去るハッチをユリアンと手下が追いつめる
Artist | パット・ベネター(Pat Benatar) |
リリース | 1978年 |
作曲者 | クリフ・ウェイド(Cliff Wade) |
ジェフ・ギル(Geoff Gill) |
「隣人がハッチに自慢する車から聞こえる曲」でもこの曲が使われていました。
ハッチと父親、ハリーが共に戦う
Artist cover ver. | ジェリー&ザ・ペースメイカーズ(Gerry and the Pacemakers) 1956年に結成されたイギリス・リバプール出身のビートグループ。 |
リリース | 1963年 |
作曲者 | ロジャース&ハマースタイン(Rodgers & Hammerstein) リチャード・ロジャース(Richard Rodgers, 1902-1979)とオスカー・ハマースタイン2世(Oscar Hammerstein II, 1895-1960)によるソングライターコンビ。1940年代から1950年代のミュージカル黄金時代に人気ミュージカルを多数製作し、ブロードウェイミュージカルの基盤を作り上げたと言われている。 代表作『オクラホマ!』『王様と私』『サウンド・オブ・ミュージック』 |
Original ver. | 1945年:クリスティン・ジョンソン(Christine Johnson with Carousel Chorus and Orchestra) |
『You’ll Never Walk Alone』は、1945年初演のブロードウェイミュージカル『回転木馬』のために作られた曲です。
取調室でハッチがタバコを吸う
Artist | ニーナ・シモン(Nina Simone, 1933-2003) |
リリース | 1964年 |
作曲者 | ベニー・ベンジャミン(Bennie Benjamin, 1907-1989) |
ソル・マーカス(Sol Marcus, 1912-1976) | |
グロリア・コールドウェル(Gloria Caldwell) |
「オープニング」でもこの曲が使われていました。
エンディング
Artist cover ver. | バニー・シグラー(Bunny Sigler, 1941-2017) アメリカのR&Bシンガー/ソングライター/マルチ楽器奏者/レコードプロデューサー。 |
リリース | 1967年 |
作曲者 | シャーリー&リー(Shirley & Lee) ルイジアナ州ニューオーリンズ出身のR&Bヴォーカル・デュオ。 共に別の相手と結婚していたが、ロマンチックな男女関係をテーマとした楽曲を多く発表し人気を博した男女デュオ。 |
Original ver. | 『Feel So Good』 – 1955年:シャーリー&リー(Shirley & Lee) 『Let the Good Times Roll』 – 1956年:シャーリー&リー(Shirley & Lee) |
『Mr.ノーバディ』のサントラ
『Mr.ノーバディ』はデヴィッド・バックリー(David Buckley)が音楽を担当しました。デヴィッド・バックリーは、イギリス・ロンドン生まれの作曲家です。ハリウッド映画やドラマ音楽を数多く手掛けています。TVドラマシリーズ『グッド・ワイフ』『グッド・ファイト』の音楽で高い評価を得ています。
『Mr.ノーバディ』キャスト・スタッフ
監督 | イリヤ・ナイシュラー(Ilya Naishuller) |
脚本 | デレク・コルスタッド(Derek Kolstad) |
製作 | ケリー・マコーミック(Kelly McCormick) |
デヴィッド・リーチ(David Leitch) | |
ブレイデン・アフターグッド(Braden Aftergood) | |
ボブ・オデンカーク(Bob Odenkirk) | |
マーク・プロヴィッシエロ(Marc Provissiero) | |
音楽 | デヴィッド・バックリー(David Buckley) |
配給 | 東宝東和 |
公開 | 2021年3月26日 |
2021年6月11日 | |
上映時間 | 92分 |
ハッチ・マンセル:ボブ・オデンカーク(Bob Odenkirk)
ベッカ・マンセル:コニー・ニールセン(Connie Nielsen)
ブレイク・マンセル:ゲージ・マンロー(Aleksei Serebryakov)
サミー・マンセル:ペイズリー・カドラス(Paisley Cadorath)
デイビッド・マンセル:クリストファー・ロイド(Christopher Lloyd)
ハリー・マンセル:RZA
エディ・ウィリアムズ:マイケル・アイアンサイド(Michael Ironside)
チャーリー・ウィリアムズ:ビリー・マクレラン(Billy MacLellan)
ユリアン・クズネストフ:アレクセイ・セレブリャコフ(Aleksandr Pal)
パヴェル:アラヤ・メンゲシャ(Araya Mengesha)
テディ・クズネストフ:アレクサンドル・パル(Aleksandr Pal)
バスのチンピラ:ダニエル・バーンハード(Daniel Bernhardt)
バーバー:コリン・サーモン(Colin Salmon)
ダレン:J・P・マヌー(J. P. Manoux)
コメント