2022年に制作された映画『ボーンズ アンド オール』(原題:Bones and All)は、1980年代アメリカ中西部を舞台に、人を食べる特性を持った男女が旅する恋愛ホラー/ロードムービーです。『君の名前で僕を呼んで』のルカ・グァダニーノ監督がティモシー・シャラメと再タッグを組み、話題となりました。
第79回ヴェネツィア国際映画祭ではルカ・グァダニーノが銀獅子賞を、マレン役のテイラー・ラッセルがマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞しました。
- 『ボーンズ アンド オール』の挿入曲
- マレンが一人で講堂のピアノを弾く
- マレンの友人宅で流れる曲(マレンがトレーラーを夜中に抜け出し訪れる)
- マレンの友人宅で流れる曲(マレンが友人の指を喰いちぎろうとする)
- サリーが歌う曲(マレンがこっそり家を出て行くシーン)
- マレンとリーが出会うインディアナ州のスーパーで流れる曲
- スーパーで女性客に絡んだ男の部屋でリーがかけるレコードの曲
- 食肉処理場の牛舎で流れる曲
- マレンが運転する車で流れる曲(助手席のリーが歌う)
- 遊園地(観覧車でマレンとリーがキスをする)
- 遊園地(リーがゲーム場の係員の男に近づいて行く)
- 遊園地(リーがゲーム場の係員の男と話をし、会う約束をする)
- マレンがサリーと別れ一人で入るダイナーで流れる曲
- 電話ボックス脇の酒場で流れる曲(リーが自宅に帰ることを電話で伝える)
- アイスクリーム店で流れる曲(リーの妹ケイラが友達と店から出てくる)
- マレンがリーと再会、二人は西に車を走らせる
- エンディング
- 『ボーンズ アンド オール』のサントラ
- 『ボーンズ アンド オール』キャスト・スタッフ
『ボーンズ アンド オール』の挿入曲
『ボーンズ アンド オール』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)
マレンが一人で講堂のピアノを弾く
組曲《レンミンカイネン》Op.22 – 第2曲「トゥオネラの白鳥」
作曲者 | ジャン・シベリウス(Jean Sibelius, 1865-1957) 後期ロマン派から近代にかけて活躍したフィンランドの作曲家/ヴァイオリニスト。 帝政ロシアの支配下で愛国心を高めていたフィンランド国民から絶大な支持を受け、国民的英雄として尊敬を集めた。 |
組曲《レンミンカイネン》は、フィンランドの民族叙事詩『カレワラ』(第12章から第15章)に基づき作られました。
超人的な能力をもつ若者レンミンカイネンは、求婚した娘の母親からトゥオネラの白鳥(死の川を泳ぐ神聖な白鳥)を撃ってくるように求めらますが、獲物を狙う途中に毒矢で撃たれ川に落ちて死んでしまいます。
第2曲「トゥオネラの白鳥」では、レンミンカイネンが白鳥狩りに挑む前の「トゥオネラ川と白鳥の様子」が描かれています。
マレンの友人宅で流れる曲(マレンがトレーラーを夜中に抜け出し訪れる)
@バージニア州
Artist | メン・アット・ワーク(Men at Work) 1979年にメルボルンで結成されたオーストラリアのロックバンド。 |
リリース | 1985年 |
作曲者 | コリン・ヘイ(Colin Hay) スコットランド系オーストラリア人のミュージシャン/シンガー/ソングライター/俳優、1953年生まれ。「メン・アット・ワーク」のボーカリスト。 |
マレンの友人宅で流れる曲(マレンが友人の指を喰いちぎろうとする)
セイブ・ア・プレーヤー
Artist | デュラン・デュラン(Duran Duran) 1978年にバーミンガムで結成されたイギリスのポップロックバンド。 |
リリース | 1982年 |
作曲者 | デュラン・デュラン サイモン・ル・ボン(Simon Le Bon) ニック・ローズ(Nick Rhodes) アンディ・テイラー(Andy Taylor) ジョン・テイラー(John Taylor) ロジャー・テイラー(Roger Taylor) |
サリーが歌う曲(マレンがこっそり家を出て行くシーン)
@ミネソタ州
ビューティフル・ブラウン・アイズ
作曲者 | ラボン・デルモア(Rabon Delmore, 1916-1952) アメリカのカントリーミュージック歌手/ギタリスト/フィドル奏者/ソングライター。 |
アルトン・デルモア(AltonDelmore, 1908-1964) アメリカのカントリーミュージック歌手/ソングライター/ギタリスト。 | |
アーサー・スミス(Arthur Smith, 1898-1971) テネシー州出身のカントリー/ブルーグラスのフィドル奏者。 | |
ジェリー・ケープハート(Jerry Capehart, 1928-1998) アメリカのロカビリー歌手/マネージャー。 | |
Original ver. | 1937年:アーサー・スミス・トリオ(Arthur Smith Trio) |
『Beautiful Brown Eyes』は、「良い恋愛に恵まれず “もう二度と青い目を愛することはない” と振り返る心情」が歌われたカントリーソングです。
マレンとリーが出会うインディアナ州のスーパーで流れる曲
Artist | ダーウッド・ハドック(Durwood Haddock) テキサス州出身のカントリーミュージック歌手/ソングライター/プロモーター、1934年生まれ。 |
作曲者 | ダーウッド・ハドック(Durwood Haddock) |
スーパーで女性客に絡んだ男の部屋でリーがかけるレコードの曲
邦題『地獄の回想』
Artist | キッス(KISS) 1973年にニューヨークで結成されたアメリカのハードロックバンド。フェイスペイントと奇抜な衣装、ショックロックスタイルのライブパフォーマンスで世界的に注目されロック界を代表するバンドとなる。2023年3月に最後の公演を行い50年の歴史に幕を下した。 |
リリース | 1983年 |
作曲者 | ヴィニー・ヴィンセント(Vinnie Vincent) アメリカのミュージシャン/ロックギタリスト/作曲家、1952年コネチカット州ブリッジポート生まれ。「キッス」の2代目リードギタリスト。 |
ポール・スタンレー(Paul Stanley) アメリカのロックミュージシャン/ギタリスト/歌手/プロデューサー/画家、1952年ニューヨーク生まれ。「キッス」のオリジナルメンバー。 | |
食肉処理場の牛舎で流れる曲
セレナード第10番 変ロ長調「グラン・パルティータ」 K.361 – 第3楽章 アダージョ
作曲者 | ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756 -1791) 18世紀古典派を代表するオーストリアの作曲家。 |
作曲年 | 1783年末から1784年初めにかけて |
Artist | ニューヨーク・フィロムジカ・ウィンズ(New York Philomusica Winds) |
マレンが運転する車で流れる曲(助手席のリーが歌う)
@ミズーリ州
Artist cover ver. | ジョージ・ストレイト(George Strait) アメリカのカントリー・ミュージック歌手、1952年テキサス州パーサル生まれ。 |
リリース | 1982年 |
作曲者 | ポール・フレーサー(Paul Fraser) |
テリー・スタッフォード(Terry Stafford, 1941-1996) アメリカのシンガーソングライター。 | |
Original ver. | 1973年:テリー・スタッフォード(Terry Stafford, 1941-1996) |
遊園地(観覧車でマレンとリーがキスをする)
@アイオワ州
アトモスフィア
Artist | ジョイ・ディヴィジョン(Joy Division) 1976年にサルフォードで結成されたイギリスのロックバンド。1980年、初のアメリカツアーの前夜にボーカリストのイアンが自死しバンドは解散、残されたメンバーはニュー・オーダー(New Order)を結成。 |
リリース | 1980年 |
作曲者 | ジョイ・ディヴィジョン イアン・カーティス(Ian Curtis, 1956-1980) ピーター・フック(Peter Hook) スティーヴン・モリス(Stephen Morris) バーナード・サムナー(Bernard Sumner) |
遊園地(リーがゲーム場の係員の男に近づいて行く)
邦題『シャイン・オン・TV』
Artist | a-ha(アーハ) 1982年にオスロで結成されたノルウェーのシンセポップバンド。 |
リリース | 1985年 |
作曲者 | ポール・ワークター(Pål Waaktaar) ノルウェー出身のミュージシャン、1960年生まれ。a-ha(アーハ)のギタリスト。 |
遊園地(リーがゲーム場の係員の男と話をし、会う約束をする)
Artist | アニモーション(Animotion) カリフォルニア州ロサンゼルス出身のアメリカのシンセポップバンド。 |
リリース | 1984年 |
作曲者 | ホリー・ナイト(Holly Knight) アメリカの女性ソングライター/ミュージシャン/歌手、1956年生まれ。 1980年代に、ポップロックグループ「スパイダー」(Spider)、「デヴァイス」(Device) のメンバーとして活動しながら、ティナ・ターナー 、パット・ベネター、ボニー・タイラーなど他のアーティストのために曲を書いたことで知られる。 |
マイケル・デ・バレス(Michael Des Barres) イギリスの俳優/ポップシンガー、1948年生まれ。 |
マレンがサリーと別れ一人で入るダイナーで流れる曲
父親が残したカセットテープからテープを引き出すシーン
Artist | ミアーズ・ブラザーズ・バンド(The Mears Brothers Band) |
電話ボックス脇の酒場で流れる曲(リーが自宅に帰ることを電話で伝える)
Artist | ロイド・コンガー(Lloyd Conger) 1970年代から80年代にかけて活動したアリゾナ州メサ出身のカントリー&ウェスタン歌手/ソングライター/プロデューサー。 |
作曲者 | ロイド・コンガー(Lloyd Conger) |
アイスクリーム店で流れる曲(リーの妹ケイラが友達と店から出てくる)
マレンがケイラと話をするシーン
Artist | エイリーン・バートン(Eileen Barton, 1924-2006) ニューヨーク出身の歌手。6歳からラジオ番組に出演し1980年代初頭までライブ等で活動を続けた。 |
マレンがリーと再会、二人は西に車を走らせる
@ネブラスカ州
Artist | ニュー・オーダー(New Order) イアン・カーティスの死で活動停止となったロックバンド「ジョイ・ディヴィジョン」(Joy Division)の残された3人のメンバーによって再編成されたロックバンド。 |
リリース | 1983年 |
作曲者 | ニュー・オーダー バーナード・サムナー(Bernard Sumner) スティーヴン・モリス(Stephen Morris) ジリアン・ギルバート(Gillian Gilbert) ピーター・フック(Peter Hook) |
エンディング
リリース | 2022年:Soundtrack『ボーンズ アンド オール』 |
作曲者 | トレント・レズナー(Trent Renor) アメリカのミュージシャン、1965年生まれ。 ロックバンド「ナイン・インチ・ネイルズ」(Nine Inch Nails) のリーダー。映画『ソーシャル・ネットワーク』(2010) の音楽をアッティカス・ロスと共同で担当しアカデミー作曲賞を受賞した。 |
アッティカス・ロス(Atticus Ross) イギリスのミュージシャン/音楽プロデューサー/作曲家、1968年ロンドン生まれ。『ソーシャル・ネットワーク』の音楽をトレント・レズナーと共同で担当しアカデミー作曲賞を受賞。 |
『ボーンズ アンド オール』のサントラ
『ボーンズ アンド オール』はトレント・レズナー(Trent Reznor)とアッティカス・ロス(Atticus Ross)が音楽を担当しました。
トレント・レズナーは、オハイオ州クリーブランドで結成されたインダストリアル・ロックバンド/プロジェクト、ナイン・インチ・ネイルズ(Nine Inch Nails)の首謀者です。アッティカス・ロスはトレント・レズナーの共作者として多くのプロジェクトを共に手掛けています。
二人はデヴィッド・フィンチャー監督映画『ソーシャル・ネットワーク』で第83回アカデミー作曲賞を受賞しました。
『ボーンズ アンド オール』キャスト・スタッフ
監督 | ルカ・グァダニーノ(Luca Guadagnino) |
脚本 | デヴィッド・カイガニック(David Kajganich) |
原作 | カミール・デアンジェリス(Camille DeAngelis) |
製作 | ルカ・グァダニーノ(Luca Guadagnino) |
デヴィッド・カイガニック(David Kajganich) | |
ピーター・スピアーズ(Peter Spears) | |
ティモシー・シャラメ(Timothée Chalamet) | |
音楽 | トレント・レズナー(Trent Reznor) |
アッティカス・ロス(Atticus Ross) | |
配給 | ワーナー・ブラザース映画 |
公開 | 2022年11月18日 |
2023年2月17日 | |
上映時間 | 130分 |
マレン:テイラー・ラッセル(Taylor Russell)
リー:ティモシー・シャラメ(Timothée Chalamet)
サリー:マーク・ライランス(Mark Rylance)
マレンの父:アンドレ・ホランド(André Holland)
マレンの母:クロエ・セヴィニー(Chloë Sevigny)
バーバラ・カーンズ:ジェシカ・ハーパー(Jessica Harper)
ブラッド:デヴィッド・ゴードン・グリーン(David Gordon Green)
ジェイク:マイケル・スタールバーグ(Michael Stuhlbarg)
ランス:ジェイク・ホロウィッツ(Jake Horowitz)
カイラ:アンナ・コブ(Anna Cobb)
ティモシー・シャラメが出演している映画
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