1991年にアメリカで制作された映画『アダムス・ファミリー』(原題:The Addams Family)は、風変わりで不気味ながらもユーモラスな一家を描いたダークコメディ映画です。
バリー・ソネンフェルドが監督を務め、アンジェリカ・ヒューストン、ラウル・ジュリア、クリストファー・ロイド、クリスティナ・リッチらが出演しています。原作はチャールズ・アダムスによる同名漫画です。
- 『アダムス・ファミリー』の挿入曲
- パラマウントのオープニングロゴ
- オープニング(アダムス一家の屋敷の前で聖歌隊がクリスマスキャロルを歌う)
- オープニング・タイトル(ラーチが湯気の立つ大釜を徐々に傾けていくシーン)
- フェスターのフリをしたゴードンが屋敷での初めての朝を迎える
- ゴメズとゴードンがねじれた滑り台を滑り降りる
- ゴメズがゴンドラを漕いでゴードンを金庫室に連れて行く(ゴメズが蓄音機で流し歌う)
- 金庫室でゴメズとゴードンが昔のホームビデオを観る
- チャリティーオークション後、アダムス一家がラーチの運転するクラシックカーで帰宅する
- 学校のロビーでモーティシアがウェンズデーの担任教師に呼び止められる(学芸会で子供達が歌う曲)
- モーティシアとゴメズが学校のロビーでアルフォード夫婦と話をする(学芸会で子供達が歌う曲)
- モーティシアとゴメズがホールで学芸会を観る(ステージでアルフォード夫婦の息子達が歌う曲)
- ウェンズデーとパグズリーがハムレットを演じる(劇のBGM)
- パーティーの夜、カズン・イットが車で屋敷に到着する(車で流れる曲)
- ゴメズとフェスターのフリをしたゴードンがアダムス家に代々伝わるマムーシュカを踊る
- ウェンズデーとパグズリーが小遣い稼ぎのためにレモネードスタンドを開く
- エンドクレジット
- 『アダムス・ファミリー』のサントラ
- 『アダムス・ファミリー』キャスト・スタッフ
『アダムス・ファミリー』の挿入曲
『アダムス・ファミリー』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)
パラマウントのオープニングロゴ
キャロル・オブ・ザ・ベルズ
作曲者 | マイコラ・レオントーヴィッチュ(Mykola Leontovic, 1877-1921) ウクライナの作曲家/合唱指揮者。 教会音楽や民謡の編曲を主としたアカペラ合唱音楽を専門に活動した。 |
ピーター・ウィルハウスキー(Peter Wilhousky, 1902-1978) アメリカの作曲家/音楽教育者/合唱指揮者。 | |
Artist | キャロリング・カンパニー(The Caroling Company) 1980年に設立されたアメリカのアカペラ・ヴォーカル・アンサンブル。 |
『Carol Of The Bells』は、1914年にマイコラ・レオントーヴィッチュがウクライナの民謡をもとに作った『シュチェドルィック』(Shchedryk)が原曲です。 “ツバメが家に飛び込んできて、豊かな年を家族に宣言する” といった内容の新年を祝う曲です
『シュチェドルィック』は1922年にアメリカで初演され、その後ピーター・ウィルハウスキー(Peter Wilhousky)によって英語版(『Carol of the Bells』)が作られました。
英語版にはクリスマスを祝う歌詞がつけられたことで、クリスマス・キャロルとして広く世界中で知られるようになりました。
オープニング(アダムス一家の屋敷の前で聖歌隊がクリスマスキャロルを歌う)
邦題『ひいらぎ飾ろう』
作曲者 | トーマス・オリファント(Thomas Oliphant,1799-1873) スコットランドの音楽家/芸術家/作家。 |
出版年 | 1862年 |
Artist | キャロリング・カンパニー(The Caroling Company) 1980年に設立されたアメリカのアカペラ・ヴォーカル・アンサンブル。 |
『Deck the Halls』は、ウェールズ民謡『Nos Galan』をもとにしたクリスマスキャロルです。
ひいらぎ(セイヨウヒイラギ)は、真冬に美しい赤い実をつけることから聖木とされています。「Christmas holly」とも呼ばれ、クリスマスの装飾の定番として使われています。
オープニング・タイトル(ラーチが湯気の立つ大釜を徐々に傾けていくシーン)
アダムスファミリーのテーマ
リリース | 1964年:Soundtrack『アダムズのお化け一家』 |
作曲者 | ヴィック・ミジー(Vic Mizzy, 1916-2009) アメリカのテレビ・映画音楽作曲家/ミュージシャン。『アダムスファミリーのテーマ』(1964) を作曲したことで知られる。 |
『The Addams Family Theme』は、1964年放送開始のアメリカのゴシック・フィクション・シットコム『The Addams Family』(邦題:アダムズのお化け一家)のテーマ曲として作られました。
フェスターのフリをしたゴードンが屋敷での初めての朝を迎える
(目を覚めたゴードンがベッドから飛び降りゴメズに飛びかかり床に押し倒すシーン)
歌劇《ウィリアム・テル》- 序曲「静寂」
作曲者 | ジョアキーノ・ロッシーニ(Gioachino Rossini, 1792-1868) イタリアのロマン派を代表するオペラ作曲家。 18歳の時にオペラ作曲家としてデビューし人気のあるイタリアオペラの作曲家としてヨーロッパ中にその名を轟かせたが、37歳の時『ウィリアム・テル』を作曲しオペラ界から事実上の引退。その後30年以上にわたる引退生活では、宗教音楽/サロン向けの歌曲/ピアノ曲/室内楽を中心に作曲を行った。 また「ロッシーニ風」という料理名の由来にもなり、美食家としても知られている。 |
作曲年 | 1829年 |
ゴメズとゴードンがねじれた滑り台を滑り降りる
プレイメイト
作曲者 | サクシー・ダウエル(Saxie Dowell, 1904-1974) アメリカのジャズサックス奏者。 |
作曲年 | 1940年 |
Artist | ザ・キッパー・キッズ(The Kipper Kids) アルゼンチン系アメリカ人のマーティン・フォン・ハセルバーグとイギリス人のブライアン・ラウスの二人によるパフォーマンス・アーティスト・デュオ。 |
『Playmates』は、1940年に作られた子供向けの唱歌です。
ゴメズがゴンドラを漕いでゴードンを金庫室に連れて行く(ゴメズが蓄音機で流し歌う)
オー・ソレ・ミオ
作曲者 | ジョヴァンニ・カプッロ (Giovanni Capurro, 1859-1920) イタリアの詩人/作詞家。 |
エドゥアルド・ディ・カプア(Eduardo Di Capua, 1865-1917) イタリアの作曲家/歌手/ソングライター。 | |
アルフレード・マッツッキ(Alfredo Mazzucchi, 1878-1972) イタリアの作曲家/マンドリン奏者。 | |
作曲年 | 1898年 |
Original ver. | ベニャミーノ・ジーリ(Beniamino Gigli, 1890-1957) イタリアのテノール歌手。エンリコ・カルーソーが亡くなった後に国際的に有名になり、「第二のカルーソー」と呼ばれていた。 |
『O Sole Mio』は、カンツォーネ(ナポリ民謡)の代表曲です。
ナポリ語で書かれた歌詞は世界中で翻訳され様々な言語で歌われています。
『オー・ソレ・ミオ』は「私の太陽」を意味します。
金庫室でゴメズとゴードンが昔のホームビデオを観る
ザ・ムーチー
作曲者 | デューク・エリントン(Duke Ellington, 1899-1974) アメリカのジャズの作曲家/編曲家/ピアニスト/オーケストラ・リーダー。 1927年からニューヨーク・ハーレムのコットン・クラブに出演し名声を確立。一流奏者を揃えたビッグバンド「エリントン楽団」を率いてそれぞれの楽器の特色を生かした独自のサウンドを作り上げ、数多くのジャズ・スタンダードを生み出した。 |
アーヴィング・ミルズ (Irving Mills, 1894-1985) アメリカのジャズ音楽の出版者/エージェント/オーケストラリーダー/作詞家。 | |
Original ver. | 1928年:デューク・エリントン楽団(Duke Ellington and His Orchestra) |
チャリティーオークション後、アダムス一家がラーチの運転するクラシックカーで帰宅する
ジス・イズ・ザ・ウェイ・ウィ・ロール
Artist | M.C.ハマー(M.C. Hammer) アメリカのラッパー/ダンサー/音楽プロデューサー/起業家、1962年カリフォルニア州オークランド生まれ。斬新なストリートダンススタイルでダンス・ブームを巻き起こし、セカンドアルバム『Please Hammer, Don’t Hurt ‘Em』(1990)は全世界で1,000万枚以上を売上げた。 |
リリース | 1991年 |
作曲者 | M.C. Hammer and Felton Pilate |
学校のロビーでモーティシアがウェンズデーの担任教師に呼び止められる(学芸会で子供達が歌う曲)
邦題『3匹の盲目ねずみ』
『Three Blind Mice』は、イギリスに古くから伝わるマザー・グースの歌です。
モーティシアとゴメズが学校のロビーでアルフォード夫婦と話をする(学芸会で子供達が歌う曲)
邦題『きらきら星』
『Twinkle Twinkle Little Star』は、18世紀にフランスで人気のあった童謡『Ah! vous dirai-je, maman』(邦訳:あのね、お母さん)をもとに作られた英語の子守唄です。
様々な言語に翻訳され世界中で歌われています。
モーティシアとゴメズがホールで学芸会を観る(ステージでアルフォード夫婦の息子達が歌う曲)
ゲティング・トゥ・ノウ・ユー
邦題『知れば知るほど』
リリース | 1956年:Soundtrack『王様と私』 |
作曲者 | リチャード・ロジャース(Richard Rodgers, 1902-1979) ニューヨーク出身のアメリカの作曲家。 ローレンツ・ハート、オスカー・ハマースタイン2世とのコラボレーションで多くのスタンダードナンバーを生み出し、その後のポピュラー音楽の発展に大きな影響を与えた。アメリカの4つのトップ・エンターテイメント賞(エミー賞、グラミー賞、アカデミー賞/オスカー、トニー賞)全てを獲得した人物に与えられる称号「EGOT」を持つ初達成者として知られる。 |
オスカー・ハマースタイン2世(Oscar Hammerstein II, 1895-1960) アメリカのミュージカル作詞家/脚本家/演劇プロデューサー。 『レディ・ビー・グッド』(1941)、『ステート・フェア』(1945) の主題歌を書きアカデミー作曲賞を2度受賞した。 |
『Getting to Know You』は、1951年初演のロジャース&ハマースタイン5作目のミュージカル『王様と私』(The King and I)のミュージカルナンバーです。
ウェンズデーとパグズリーがハムレットを演じる(劇のBGM)
トリオ・ソナタ ニ短調「フォリア」 Op. 1, No. 12, RV 63
作曲者 | アントニオ・ヴィヴァルディ(Antonio Vivaldi, 1678-1741) バロック音楽後期を代表するイタリアの作曲家/ヴィルトゥオーゾヴァイオリニスト/聖職者。 協奏曲、室内楽曲、カンタータ、教会音楽、オラトリオ、オペラなど数多くの作品を残し、ヴァイオリンの技法と管弦楽法の発展に大きく貢献した。 |
作曲年 | 1703年 |
パーティーの夜、カズン・イットが車で屋敷に到着する(車で流れる曲)
邦題『トゥー・レジット』
Artist | M.C.ハマー(M.C. Hammer) アメリカのラッパー/ダンサー/音楽プロデューサー/起業家、1962年カリフォルニア州オークランド生まれ。斬新なストリートダンススタイルでダンス・ブームを巻き起こし、セカンドアルバム『Please Hammer, Don’t Hurt ‘Em』(1990)は全世界で1,000万枚以上を売上げた。 |
リリース | 1991年 |
作曲者 | M.C. Hammer, Felton Pilate, James Earley, Michael Kelly and Louis Burrell |
ゴメズとフェスターのフリをしたゴードンがアダムス家に代々伝わるマムーシュカを踊る
マムーシカ
リリース | 1991年:Soundtrack『アダムス・ファミリー』 |
作曲者 | Betty Comden and Adolph Green アドルフ・グリーン(Adolph Green, 1914-2002)とベティ・コムデン(Betty Comden, 1917-2006)によるアメリカの作詞家/脚本家コンビ。60年にわたりコンビを組み数々の名作を生み出した。 代表作『オン・ザ・タウン』『ブロードウェイのバークレー夫妻』『雨に唄えば』 |
マーク・シャイマン(Marc Shaiman) アメリカの作曲家/作詞家/編曲家/演奏家、1959年生まれ。 |
『Mamushka』は、アドルフ・グリーンとベティ・コムデンが作ったロシア風ダンスフォーク曲をマーク・シャイマンがアレンジしたものです。
ウェンズデーとパグズリーが小遣い稼ぎのためにレモネードスタンドを開く
(レモネードを飲んだラーチが口から炎をはくシーン)
バーン・イット・アップ
Artist | M.C.ハマー(M.C. Hammer) アメリカのラッパー/ダンサー/音楽プロデューサー/起業家、1962年カリフォルニア州オークランド生まれ。斬新なストリートダンススタイルでダンス・ブームを巻き起こし、セカンドアルバム『Please Hammer, Don’t Hurt ‘Em』(1990)は全世界で1,000万枚以上を売上げた。 |
リリース | 1991年 |
作曲者 | M.C. Hammer and Felton Pilate |
エンドクレジット
アダムズ・グルーヴ
Artist | M.C.ハマー(M.C. Hammer) アメリカのラッパー/ダンサー/音楽プロデューサー/起業家、1962年カリフォルニア州オークランド生まれ。斬新なストリートダンススタイルでダンス・ブームを巻き起こし、セカンドアルバム『Please Hammer, Don’t Hurt ‘Em』(1990)は全世界で1,000万枚以上を売上げた。 |
リリース | 1991年 |
作曲者 | M.C. Hammer and Felton Pilate |
『The Addams Groove』には、ヴィック・ミジー(Vic Mizzy)が1964年放送開始のゴシック・フィクション・シットコム『The Addams Family』のために作曲したテーマ曲『The Addams Family Theme』がサンプリングされています。
『アダムス・ファミリー』のサントラ
『アダムス・ファミリー』はマーク・シャイマン(Marc Shaiman)が音楽を担当しました。
マーク・シャイマンは、アメリカ・ニュージャージー州出身の作曲家/ベット・ミドラーの共同プロデューサーです。『ア・フュー・グッドメン』『天使にラブソングを』などの映画音楽を手掛けたことでも知られています。
※サントラ収録曲
1. デック・ザ・ホールズ/メイン・タイトル(Deck The Halls / Main Title)
2. モーニング(Morning)
3. セイアーンス・アンド・スウォードファイツ(Seances And Swordfights)
4. プレイメイツ(Playmates)
5. ファミリー・プロッツ(Family Plotz)
6. ザ・ムーチョ(The Mooche)
7. イヴニング(Evening)
8. ア・パーティ…フォー・ミー?(A Party … For Me?)
9. マムーシカ(Mamushka)
10. シング・ゲッツ・ワーク(Things Gets Work)
11. フェスター・イクスポーズド(Fester Exposed)
12. ザ・レスキュー(The Rescue)
13. フィナーレ(Finale)
『アダムス・ファミリー』キャスト・スタッフ
監督 | バリー・ソネンフェルド(Barry Sonnenfeld) |
脚本 | キャロライン・トンプソン(Caroline Thompson) |
ラリー・ウィルソン(Larry Wilson) | |
原作 | チャールズ・アダムス(Charles Addams) |
製作 | スコット・ルーディン(Scott Rudin) |
音楽 | マーク・シャイマン(Marc Shaiman) |
配給 | COLTRI |
公開 | 1991年11月22日 |
1992年4月25日 | |
上映時間 | 100分 |
モーティシア・アダムス:アンジェリカ・ヒューストン(Anjelica Huston)
ゴメズ・アダムス:ラウル・ジュリア(Raul Julia)
ウェンズデー・アダムス:クリスティーナ・リッチ(Christina Ricci)
パグズリー・アダムス:ジミー・ワークマン(Jimmy Workman)
グラニー・アダムス:ジュディス・マリナ(Judith Malina)
フェスター・アダムス/ゴードン・クレイブン:クリストファー・ロイド(Christopher Lloyd)
マーガレット・アルフォード:ダナ・アイヴィ(Dana Ivey)
ラーチ(執事):カレル・ストルイケン(Carel Struycken)
タリー・アルフォード(弁護士):ダン・ヘダヤ(Dan Hedaya)
ウォーマック判事:ポール・ベネディクト(Paul Benedict)
アビゲイル・クレイブン/Dr.グレタ・ピンダーシュロス:エリザベス・ウィルソン(Elizabeth Wilson)
カズン・イット:ジョン・フランクリン(John Franklin)
フローラ・アモール:モーリーン・スー・レヴィン(Maureen Sue Levin)
ファウナ・アモール:ダーリーン・レヴィン(Darlene Levin)
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