『籠の中の乙女』(原題:Κυνόδοντας/英題:Dogtooth)は、外の世界から隔離して育てられた3人の子供たちが大人になる様子を描いたヨルゴス・ランティモス監督による長編映画です。
第83回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされ、第62回カンヌ国際映画祭では、ある視点部門グランプリを受賞しました。
『籠の中の乙女』の挿入曲
『籠の中の乙女』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)
父親の車で流れている曲
S’ aparnithika tris
作曲:Kostas Hatzis、Sotia Tsotou
アーティスト:Marinella
『S’ aparnithika tris』は、ギリシャの歌手マリネラ(Marinella)の曲です。
マリネラは、1938年にギリシャで生まれました。1957年からプロとして歌い始め、長いキャリアの間に66枚ものソロアルバムをリリースしています。
父親が助手席にアイマスクをした女性を乗せ自宅に戻るシーン
ベッドを共にする両親がイヤホンをつけて聴く曲
Casino Blues
作曲:Pierre Delanoë、René Denoncin and Jack Ledru
アーティスト:Jean Vallin, Jack Ledru et son orchestre
リリース年:1956年
『Casino Blues』は、フランスの作曲家ジャック・ルドリュ(Jack Ledru)とルネ・ドノンサン(René Denoncin)、作詞家ピエール・ドラノエ(Pierre Delanoë)が作ったフランス語の曲です。
子供達が目隠しをして動く競争をするシーンまでこの曲が流れています。
長男がピアノで弾く曲
Arioso (BWV 156)
作曲:Johann Sebastian Bach
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲の『アリオーソ』
バッハの教会カンタータ『わが片足すでに墓穴に入りぬ』の第1曲目「シンフォニア」をピアノ用に編曲したものが使われています。
母親が数ヶ月後に双子と犬を産むことを父親が家族に発表するシーン
父親が長女に足の爪を切ってもらいながら歌う曲
Pou na ‘sai tora agapimeni
作曲:Nikos Gounaris、Kostas Kofiniotis
アーティスト:Christos Stergioglou
『Pou na ‘sai tora agapimeni』は、ギリシャのテノール歌手ニコス・グウナリスの曲です。
ニコス・グウナリスは、50年代にアメリカのギリシャ人コミュニティを中心に絶大な人気を誇り「ミスター・ギリシャ」と呼ばれていました。
父親が「祖父の曲」と言い、同時通訳しながら家族に聞かせる曲
Fly Me to the Moon
作曲:Bart Howard
オリジナル版:Kaye Ballard(1954)
アーティスト:Frank Sinatra(1964)
『フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン』は、アメリカの作曲家バート・ハワードが58年間連れ添ったパートナーの為に作った曲です。ハワードが伴奏ピアニストとして働いていたマンハッタンのクラブ「Blue Angel」で宣伝の為に演奏され、1954年に歌手ケイ・バラードの歌唱でリリースされました。
その後、フランク・シナトラのカバーバージョンのヒットにより、広く親しまれるスタンダードナンバーとなりました。
作曲当初は『In Other Words』というタイトル名でしたが、出版社の意向で冒頭部分の歌詞を引用し『Fly Me to the Moon』に変更されました。
もとのタイトル「In Other Words」は、直訳すると「言い換えると」といった意味を持つ言葉です。
家族はこの曲でダンスをします。
『籠の中の乙女』キャスト・スタッフ
監督 | ヨルゴス・ランティモス(Yorgos Lanthimos) |
脚本 | ヨルゴス・ランティモス(Yorgos Lanthimos) |
エフティミス・フィリップ(Efthymis Filippou) | |
製作 | ヨルゴス・ツルヤニス(Yorgos Lanthimos) |
配給 | 彩プロ |
公開 | 2009年11月11日 |
2012年8月18日 | |
上映時間 | 96分 |
父:クリストス・ステルギオグル(Christos Stergioglou)
母:ミシェル・ヴァレイ(Michelle Valley)
長女:アンゲリキ・パプーリァ(Angeliki Papoulia)
次女:マリー・ツォニ(Mary Tsoni)
長男:クリストス・パサリス(Christos Passalis)
クリスティナ:アナ・カレジドゥ(Anna Kalaitzidou)
ヨルゴス・ランティモスが監督した映画
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