1972年にアメリカで製作された映画『ゴッドファーザー』(原題:The Godfather)は、イタリア系マフィア、コルレオーネ・ファミリーの栄枯盛衰を通して人生を描いた抒情詩『ゴッドファーザー』シリーズの第1作目です。
原作はマリオ・プーゾによる同名小説、監督はフランシス・フォード・コッポラです。第45回アカデミー賞では10部門にノミネートされ、作品賞を含む3部門を受賞しました。
- 1972年公開『ゴッドファーザー』(現在のページ)
- 1974年公開
- 1990年公開
- 『ゴッドファーザー』の挿入曲
- オープニング
- コニーの結婚式で母カルメラが歌う曲
- コニーの結婚式で人気歌手のジョニーが歌う曲
- コニーの結婚式で女性歌手が歌う曲
- トムがウォルツに会いに行きジョニーが映画に出演できるよう求める
- マイケルとケイが沢山のクリスマスプレゼントを抱え店を出るシーン
- 街で流れる曲(トムがおもちゃ屋から出るシーン)
- マイケルとケイが映画館から出て街を歩くシーン
- マイケルとケイが食事をする部屋で流れる曲
- シチリア島に逃亡したマイケルが護衛とコルレオーネ村に歩いて向かうシーン
- マイケルとアポロニアの結婚式でバンドが演奏する曲
- ラスベガスのホテルの部屋でバンドが演奏する曲 1曲目
- ラスベガスのホテルの部屋でバンドが演奏する曲 2曲目
- コニーとカルロの息子の洗礼式
- エンドクレジット
- 『ゴッドファーザー』のサントラ
- 『ゴッドファーザー』キャスト・スタッフ
『ゴッドファーザー』の挿入曲
『ゴッドファーザー』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)
オープニング
メイン・タイトル(ゴッドファーザー・ワルツ)
リリース | 1972年:Soundtrack『ゴッドファーザー』 |
作曲者 | ニーノ・ロータ(Nino Rota, 1911-1979) ミラノ出身のイタリアの作曲家。映画『ゴッドファーザー PART II』(1974) でアカデミー作曲賞を受賞した。 |
コニーの結婚式で母カルメラが歌う曲
ルーナ・メッツォ・マーレ
『Luna mezzo’o mare』は、シチリアに古くから伝わるコミックソングです。
イタリア系アメリカ人の結婚披露宴やその他のお祝いの行事でよく演奏される人気の曲です。
コニーの結婚式で人気歌手のジョニーが歌う曲
邦題『ただ一つの心』
Artist cover ver. | アル・マルティーノ(Al Martino, 1927-2009) ジョニー・フォンテーンを演じるアメリカの歌手/俳優。 |
リリース | 1972年:Soundtrack『ゴッドファーザー』 |
作曲者 | ジョニー・ファロウ(Johnny Farrow) マーティ・サイムズ(Marty Symes, 1904-1953) |
Original ver. | 1947年:フランク・シナトラ(Frank Sinatra, 1915-1998) イタリア系アメリカ人のエンターテイナー/歌手/俳優。 クルーナーヴォイスと呼ばれた歌声で多くのファンを獲得し、映画俳優としても数多くの映画に出演。1953年の映画『地上より永遠に』ではアカデミー助演男優賞を受賞。 1950年代から60年代にかけては、ディーン・マーティン、サミー・デイヴィスJr.らと「ラット・パック」(The Rat Pack)と呼ばれるエンターテインメントグループを組み幅広い分野で活躍、ショービジネス界のカリスマ的スターとして一時代を築いた。 |
『I Have But One Heart』は、カンツォーネのヒット曲『Marenariello』をもとに1945年に作られました。
コニーの結婚式で女性歌手が歌う曲
歌劇《フィガロの結婚》K.492 / 第1幕 -「自分がどんな人間で、何をどうすればよいのかわからない…」
作曲者 | ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756 -1791) 18世紀古典派を代表するオーストリアの作曲家。 幼い頃から並外れた音楽の才能を示し「神童」と呼ばれる。5歳ですでに作曲を始め35歳の若さで亡くなるまで600を超える作品を作る。オペラ、協奏曲、交響曲、室内楽、器楽曲などあらゆるジャンルにわたり名作を残し西洋音楽に大きな影響を与えた。 |
作曲年 | 1786年 |
『フィガロの結婚』は、フランスの劇作家ボーマルシェが書いた戯曲をもとにモーツァルトが作ったオペラです。
1786年にウィーンで初演されました。
トムがウォルツに会いに行きジョニーが映画に出演できるよう求める
マンハッタン・セレナーデ
作曲者 | ルイス・オルター(Louis Alter, 1902-1980) アメリカのピアニスト/ソングライター/作曲家。 |
Original ver. | 1928年:ビクター・サロン・オーケストラ(Victor Salon Orchestra) |
『マンハッタン・セレナーデ』は、アメリカで1930年に放送開始された連続ラジオコメディ『Easy Aces』のテーマ曲として知られている曲です。
マイケルとケイが沢山のクリスマスプレゼントを抱え店を出るシーン
(防弾チョッキを身につけ拳銃を手にするルカの部屋で流れる曲)
ハヴ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス
作曲者 | ヒュー・マーティン(Hugh Martin, 1914-2011) アメリカの作曲家/アレンジャー/ボーカルコーチ/劇作家。 |
ラルフ・ブレイン(Ralph Blane, 1914-1995) アメリカの作曲家/作詞家/パフォーマー。 | |
Original ver. | 1944年:ジュディ・ガーランド(Judy Garland, 1922-1969) アメリカの女優/歌手。ミュージカル映画『オズの魔法使』(1939) で主役ドロシーに抜擢されその才能を世に知らしめ、以降『若草の頃』(1944)、『イースター・パレード』(1948) 、『スタア誕生』(1954) などで主役をつとめるなど国民的ミュージカル・スターとして活躍した。ハリウッド黄金時代を代表する大スターの一人。 |
『Have Yourself A Merry Little Christmas』は、クリスマスのスタンダードナンバーです。
1944年のミュージカル映画『若草の頃』(原題:Meet Me in St. Louis)のために作られ、主演のジュディ・ガーランドによって披露されました。
『若草の頃』では、ジュディ・ガーランド演じるエスターが、突然の引っ越し話にすっかり元気をなくしてしまった5歳の妹を励ますためにこの歌を歌います。
街で流れる曲(トムがおもちゃ屋から出るシーン)
トムが外でソロッツォに声をかけられ車に乗るよう言われる。
邦題『サンタが街にやってくる』
作曲者 | ジョン・フレデリック・コーツ(John Frederick Coots) アメリカのソングライター。 |
ヘヴン・ギレスピー(Haven Gillespie, 1888-1975) アメリカの作曲家/作詞家。 | |
Original ver. | 1934年:ハリー・リーサー(Harry Reser, 1896-1965) アメリカのバンジョー奏者/バンドリーダー。 |
気をつけたほうがいいよ
泣かないように
ふくれっ面しないように
理由を教えてあげる
サンタクロースが町にやって来るよ…
と始まり「サンタクロースは誰が良い子か悪い子かをリストを作ってチェックしているよ」と歌われるクリスマスソングです。
1934年11月、アメリカで絶大な人気を誇ったコメディアン、エディ・カンター(Eddie Cantor, 1892-1964)がラジオでカバーしブレイクしました。ラジオ放送の翌日に10万部の楽譜が販売され、クリスマスまでには更に40万部の売り上げを記録したそうです。
マイケルとケイが映画館から出て街を歩くシーン
邦題『聖メリーの鐘』
作曲者 | エメット・アダムズ(A. Emmett Adams, 1890-1938) オーストラリア出身の作曲家/作詞家/編曲家。 |
ダグラス・ファーバー(Douglas Furber, 1885-1961) イギリスの作詞家/劇作家。 | |
Original ver. | 1919年:アーネスト・パイク(Ernest Pike, 1871-1936) 20世紀初頭に数多くの録音を行ったイギリスのテノール歌手。 |
『The Bells of St. Mary’s』は、1917年に作られたポピュラーソングです。
ビング・クロスビー、イングリッド・バーグマン主演の1945年のアメリカミュージカルコメディ映画『聖メリーの鐘』(The Bells of St. Mary’s)ではこの曲が使われています。
マイケルとケイが食事をする部屋で流れる曲
作曲者 | アーヴィング・バーリン(Irving Berlin, 1888-1989) ベラルーシ出身のユダヤ系アメリカ人作曲家。 映画『スイング・ホテル』(1942) の劇中歌『ホワイト・クリスマス』を書き、アカデミー歌曲賞を受賞した。 代表曲『ホワイト・クリスマス』『ゴッド・ブレス・アメリカ』 |
Original ver. | 1945年:ビング・クロスビー(Bing Crosby, 1903-1977) アメリカの歌手/俳優/テレビプロデューサー/ラジオ&テレビパーソナリティ/実業家。世界初のマルチメディア・スターとも言われた、20世紀を代表する世界的な人気と影響力を持つ音楽家。 |
シチリア島に逃亡したマイケルが護衛とコルレオーネ村に歩いて向かうシーン
ドン・トマシーノが車で現れマイケルと話をするシーン
ゴッドファーザー 愛のテーマ
リリース | 1972年:Soundtrack『ゴッドファーザー』 |
作曲者 | ニーノ・ロータ(Nino Rota, 1911-1979) ミラノ出身のイタリアの作曲家。映画『ゴッドファーザー PART II』(1974) でアカデミー作曲賞を受賞した。 |
この曲は、1958年のイタリア・コメディ映画『Fortunella』のために作られた曲です。
『ゴッドファーザー』で再び使われ人気となりました。
マイケルとアポロニアの結婚式でバンドが演奏する曲
マイケルとアポロニアがゲストにドラジェ(菓子)を配って回るシーン
歌劇《椿姫》第1幕 – 乾杯の歌 「友よ、さあ飲み明かそう」
作曲者 | ジュゼッペ・ヴェルディ(Giuseppe Verdi, 1813-1901) イタリアの作曲家。19世紀を代表するロマン派音楽作曲家で「オペラ王」の異名を持つ。 |
初演 | 1853年:フェニーチェ劇場(イタリア・ヴェネツィア) |
『椿姫』は、イタリアの作曲家ヴェルディが1853年に発表したオペラです。
ここで使われている 乾杯の歌 「友よ、さあ飲み明かそう」は、第1幕の冒頭、パリ社交界の華ヴィオレッタの館でのパーティーで、彼女に思いを寄せる青年アルフレードが乾杯の音頭をとり高らかに歌い上げるよく知られた人気の曲です。
ラスベガスのホテルの部屋でバンドが演奏する曲 1曲目
ジョニーと女性達が部屋で待ち構え、マイケルを歓迎するシーン。
『For He’s a Jolly Good Fellow』は、大切なイベントを祝う席で対象者を祝福する目的で歌われる定番曲です。
フランス民謡『マルブルーは戦争に行く』が原曲です。
ラスベガスのホテルの部屋でバンドが演奏する曲 2曲目
マイケルがフレドに女性達とバンドを部屋から追い出すよう言うシーン
モナ・リザ
作曲者 | リビングストン&エバンズ(Livingston & Evans) ジェイ・リビングストン(Jay Livingston, 1915-2001)とレイ・エバンズ(Ray Evans, 1915-2007)のユダヤ系アメリカ人二人によるソングライティング/作曲家コンビ。映画『腰抜け二挺拳銃』(1948)、『別働隊』(1950)、『知りすぎていた男』(1956) の主題歌を手掛けアカデミー歌曲賞を3度受賞した。 代表作『モナ・リザ』『ケ・セラ・セラ』『タミー』 |
Original ver. | 1949年:セルジオ・デ・カルロ(Sergio De Karlo, 1911-2010) キューバの作曲家/歌手/俳優。 |
『Mona Lisa』は、1949年のアメリカ犯罪映画『別働隊』(原題:Captain Carey, U.S.A.)のテーマ曲です。『別働隊』は、第二次世界大戦中に味方の裏切りによって仲間を亡くした男が、戦後、裏切り者を探しにイタリアに戻るというスリラー小説(「アフター・ミッドナイト」)をもとに作られた作品です。
ジェイ・リビングストンとレイ・エバンズは、この曲でアカデミー歌曲賞(第23回アカデミー賞)を受賞しました。
コニーとカルロの息子の洗礼式
パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV 582
作曲者 | ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685-1750) バロック時代を代表するドイツの作曲家/オルガニスト。 宗教音楽や器楽曲など幅広いジャンルで多くの傑作を残し、西洋音楽の歴史の中で最も偉大な作曲家の一人と評される。 |
この曲は、パッサカリアとフーガの2部で構成されています。映画ではパッサカリアが使われていました。
エンドクレジット
フィナーレ
リリース | 1972年:Soundtrack『ゴッドファーザー』 |
作曲者 | ニーノ・ロータ(Nino Rota, 1911-1979) ミラノ出身のイタリアの作曲家。映画『ゴッドファーザー PART II』(1974) でアカデミー作曲賞を受賞した。 |
『ゴッドファーザー』のサントラ
『ゴッドファーザー』はニーノ・ロータ(Nino Rota)が音楽を担当しました。ニーノ・ロータは、イタリア・ミラノ出身の作曲家です。フェデリコ・フェリーニ監督のほとんどの映画で音楽を担当し、『道』や『8 1/2』の音楽で世界的に知られています。
※サントラ収録曲
1. メイン・タイトル – ゴッドファーザー・ワルツ(Main Title – Godfather Waltz)
2. ただ一つの心(I Have But One Heart)
3. ピックアップ(The Pickup)
4. コニーの結婚式(Connie’s Wedding)
5. 恐怖のホール(The Halls Of Fear)
6. シシリアの田園風景(Sicilian Pastorale)
7. 愛のテーマ(Love Theme From The Godfather)
8. ゴッドファーザー・ワルツ(The Godfather Waltz)
9. アポロニア(Apollonia)
10. ニュー・ゴッドファーザー(The New Godfather)
11. 命名式(The Baptism)
12. フィナーレ(The Godfather Finale)
『ゴッドファーザー』キャスト・スタッフ
監督 | フランシス・フォード・コッポラ(Francis Ford Coppola) |
脚本 | マリオ・プーゾ(Mario Puzo) |
フランシス・フォード・コッポラ(Francis Ford Coppola) | |
原作 | マリオ・プーゾ(Mario Puzo) |
製作 | アルバート・S・ラディ(Albert S. Ruddy) |
ロバート・エヴァンス(Robert Evans) | |
音楽 | ニーノ・ロータ(Nino Rota) |
配給 | パラマウント映画 |
公開 | 1972年3月24日 |
1972年7月15日 | |
上映時間 | 177分 |
ドン・ヴィトー・コルレオーネ:マーロン・ブランド(Marlon Brando)
マイケル・コルレオーネ:アル・パチーノ(Al Pacino)
ソニー・コルレオーネ:ジェームズ・カーン(James Caan)
フレド・コルレオーネ:ジョン・カザール(John Cazale)
ケイ・アダムス・コルレオーネ:ダイアン・キートン(Diane Keaton)
トム・ヘイゲン:ロバート・デュヴァル(Robert Duvall)
ピーター・クレメンザ:リチャード・カステラーノ(Richard Castellano)
コニー・コルレオーネ・リッジ:タリア・シャイア(Talia Shire)
カルメラ・コルレオーネ:モーガナ・キング(Morgana King)
マクラスキー警部:スターリング・ヘイドン(Sterling Hayden)
ジャック・ウォルツ:ジョン・マーリー(John Marley)
ドン・エミリオ・バルジーニ:リチャード・コンテ(Richard Conte)
バージル・ソロッツォ:アル・レッティエリ(Alfred Lettieri)
カルロ・リッジ:ジャンニ・ルッソ(Gianni Russo)
モー・グリーン:アレックス・ロッコ(Alex Rocco)
サルバトーレ・”サル”・テッシオ:エイブ・ヴィゴダ(Abe Vigoda)
ルカ・ブラージ:レニー・モンタナ(Lenny Montana)
ポーリー・ガットー:ジョン・マルティーノ(John Martino)
ファブリツィオ:アンジェロ・インファンティ(Angelo Infanti)
カーロ:フランコ・チッティ(Franco Citti)
ロッコ・ランポーネ:トム・ロスキー(Tom Rosqui)
ジョニー・フォンテーン:アル・マルティーノ(Al Martino)
ドン・フィリップ・タッタリア:ビクター・レンディナ(Victor Rendina)
ブルーノ・タッタリア:トニー・ジョルジオ(Tony Giorgio)
ドン・リオネーレ・トマシーノ:コラード・ガイパ(Corrado Gaipa)
ドン・ジョセフ・ザルキ:ルイス・ガス(Louis Guss)
アメリゴ・ボナセーラ:サルヴァトーレ・コルシット(Salvatore Corsitto)
ナゾリーネ:ビド・スコッチ(Vito Scotti )
エンツォ:ガブリエル・トッレイ(Gabriele Torrei)
サンドラ・コルレオーネ:ジェリー・グレッグ(Julie Gregg)
クレメンザ夫人:アーデル・シェリダン(Ardell Sheridan)
ルーシー・マンチーニ:ジニー・リネロ(Jeannie Linero)
アンソニー・コルレオーネ:アンソニー・グナリス(Anthony Gounaris)
フランク・コルレオーネ:ルー・マティーニ・Jr.(Lou Martini Jr.)
アポロニア・ヴィテッリ・コルレオーネ:シモネッタ・ステファネッリ(Simonetta Stefanelli)
ヴィテッリ氏:サーロ・ウルツィ(Saro Urzì)
トニー:トニー・キング(Tony King)
看護婦:キャロル・モーリー(Carol Morley)
ドン・カーメン・クネオ:ルディ・ボンド(Rudolph Bond)
ドン・ビクター・ストラキ:ドン・コステロ(Don Costello)

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