『TAR/ター』の挿入曲とサントラ | 解説付き全曲紹介Filmmusik
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ケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)マーク・ストロング(Mark Strong)

『TAR/ター』の挿入曲とサントラ

2022年、アメリカで制作された映画『TAR/ター』(原題:Tár)は、ベルリンフィル初の女性主席指揮者リディア・ターがマーラーの交響曲第5番の公開録音を前に追い詰められていく様子を描いたサイコスリラー作品です。

『イン・ザ・ベッドルーム』『リトル・チルドレン』で知られるトッド・フィールド監督16年ぶりの監督作品として注目をあつめました。

『TAR/ター』の挿入曲

『TAR/ター』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)

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オープニングクレジット

Cura Mente
Soundtrack『Tár』

作曲:Elisa Vargas Fernandez
アーティスト:Elisa Vargas Fernandez

エリサ・バルガス・フェルナンデス(Elisa Vargas Fernandez)が歌っています。

マスタークラスでマックスが指揮をする曲


作曲:Anna Thorvaldsdóttir
アーティスト:Juilliard Octet

『Ró』は、バスフルート、バスクラリネット、パーカッション、ピアノ、2台のバイオリン、ヴィオラ、チェロのための室内楽曲です。
アイスランド出身の作曲家アンナ・ソルヴァルドスドッティル(Anna Thorvaldsdóttir)が2013年に作曲しました。


@ジュリアード音楽院

理解が難しいとしてリディアが例に挙げる曲

4’33”
作曲:John Cage

アメリカの音楽家ジョン・ケージ(John Cage)が1952年に作曲した『4分33秒』(4’33’’)です。
タイトルの「4分33秒」は楽曲全体の長さを表わしています。
全3楽章で構成され、その間演奏者は全く楽器を弾かず沈黙を通し続けるといった作品で、ケージの代表作です。


@ジュリアード音楽院

マックスを隣に座らせ、リディアがピアノで演奏する曲

The Well-Tempered Clavier, Book I, Prelude and Fugue No.1 in C major, BWV 846: Prelude
作曲:Johann Sebastian Bach

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ作曲の『平均律クラヴィーア曲集 第1巻、第1番 プレリュードとフーガ BWV 846 ハ長調』より、プレリュード。


@ジュリアード音楽院

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自宅に戻ったリディアがシャロンと踊る曲

Li’l Darlin’
作曲:Neal Hefti
アーティスト:Count Basie and His Orchestra
リリース年:1957年

『リル・ダーリン』(Li’l Darlin’)は、ジャズのスタンダードナンバーです。
アメリカのジャズトランペット奏者/作曲家ニール・ヘフティ(Neal Hefti)が、カウント・ベイシー楽団(Count Basie and His Orchestra)のために作りました。


リディアは、発作が起きたと話すシャロンに薬を飲ませた後、脈拍を60にしようと言ってこの曲を流します。

リディアが朝起きる時間にプレーヤーから流れる曲

Symphony No.5 in D Minor, Op.47 – IV. Allegro non troppo
作曲:Dmitri Shostakovich

ドミートリイ・ショスタコーヴィチ作曲の『交響曲第5番 ニ短調 作品47』より、第4楽章。
この曲は、旧ソビエト連邦の作曲家ショスタコーヴィチが1937年に作ったオーケストラのための作品です。日本では「革命」の副題で知られています。
1937年レニングラードで、エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団によって初演されました。

映画では、4楽章の最後の部分が使われていました。
寝起きのリディアがその演奏を大袈裟だと批判していた指揮者は、1944年ロサンゼルス生まれのアメリカの指揮者マイケル・ティルソン・トーマス(MTT)です。

チェリスト採用オーディション、オケスタ1曲目

Tannhäuser und der Sängerkrieg auf der Wartburg, WWV 70 – Ouvertüre
作曲:Richard Wagner

リヒャルト・ワーグナー作曲の歌劇《タンホイザー》より序曲。
『タンホイザー』は、19世紀ドイツの作曲家リヒャルト・ワーグナーが作曲した全3幕からなるオペラです。正式名称は《タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戦》です。
1845年、ドレスデンの宮廷歌劇場でワーグナー本人の指揮で初演されました。

プロのオーケストラのオーディションでは、ソロの他にオーケストラスタディ(オケスタ)と呼ばれるオーケストラの楽曲の有名な旋律やソロ部分を抜き出したパートを演奏するのが通常です。
ここでは、《タンホイザー》の「序曲」、293小節目からのチェロパートが演奏されていました。

チェリスト採用オーディション、オケスタ2曲目

Messa da Requiem – III. Offertorium
作曲:Giuseppe Verdi

ジュゼッペ・ヴェルディ作曲の『レクイエム』より「Offœrtorium(奉献唱)」。
『レクイエム』は、19世紀のイタリアの作曲家ジュゼッペ・ヴェルディが作曲した宗教曲です。
敬愛していた文豪アレッサンドロ・マンゾーニを追悼する目的で作られ、1874年マンゾーニの一周忌にベルディ自身の指揮で初演されました。
モーツァルト、フォーレの作品とともに「三大レクイエム」の一つに数えられる作品です。

《タンホイザー》の「序曲」に続き、『レクイエム』の「Offœrtorium(奉献唱)」21小節目からが聞こえてきます。

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チェリスト採用オーディション、オケスタ3曲目

Symphony No.6 in B Minor, Op.74, TH 30 “Pathétique” – II. Allegro con grazia
作曲:Pyotr Ilyich Tchaikovsky

ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー作曲の『交響曲第6番ロ短調 作品74』より第2楽章。
この曲は、チャイコフスキーにとって最後の交響曲で、『悲愴』の副題で知られています。1893年、サンクトペテルブルクで作曲者自身の指揮により初演され、その9日後にチャイコフスキーは急死しました。

第2楽章の18小節目からが演奏されています。

マーラー、1回目のリハーサル (1曲目)

Symphony No.5 in C-Sharp Minor – I. Trauermarsch
作曲:Gustav Mahler

グスタフ・マーラー作曲の『交響曲第5番 嬰ハ短調』より第1楽章。

『交響曲第5番 嬰ハ短調』は、ボヘミア生まれのユダヤ人作曲家マーラーが1902年に完成させたオーケストラのための作品です。
1904年、ドイツのケルンにて、マーラー自身の指揮で初演されました。

ここで演奏されている第1楽章は、トランペットの独奏によるファンファーレから始まる葬送行進曲風の作品です。


リディアは、曲の冒頭のトランペットのソロを遠くから聞こえてくるもののように演奏してほしいと言い、奏者に舞台の袖で演奏してもらう試みをします。

この後以下のシーンでもこの曲が使われています。
「マーラー、2回目のリハーサル」
「マーラー、4回目のリハーサル(怪我の後)」
エリオット・カプラン指揮によるコンサート

マーラー、1回目のリハーサル (2曲目)

Symphony No.5 in C-Sharp Minor – II. Stürmisch bewegt, mit größter Vehemenz
作曲:Gustav Mahler

グスタフ・マーラー作曲の『交響曲第5番 嬰ハ短調』より第2楽章。


思い通りの効果が引き出せないでいるリディアに、コンサートミストレスのシャロンが手助けするシーン

雨降る夜、自宅リビングで流れる曲

Here’s That Rainy Day
作曲:Johnny Burke & Jimmy Van Heusen
オリジナル:Dolores Gray(1953)
アーティスト:New Trombone Collective

『Here’s That Rainy Day』は、ジャズのスタンダードナンバーです。
1953年初演のブロードウェイミュージカル『Carnival in Flanders』のミュージカルナンバーです。このミュージカルでトニー賞・ミュージカル主演女優賞を受賞したドロレス・グレイ(Dolores Gray)が歌い、1953年にリリースされました。

ここでは、オランダのトロンボーンアンサンブルグループ、ニュー・トロンボーン・コレクティヴ(New Trombone Collective)の演奏が使われています。


リディアとシャロンが酒を飲みながらオルガ(チェリスト)の話をするシーン

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マーラー、2回目のリハーサル

Symphony No.5 in C-Sharp Minor – IV. Adagietto
作曲:Gustav Mahler

グスタフ・マーラー作曲の『交響曲第5番 嬰ハ短調』より第4楽章。

第4楽章は、別名「愛の楽章」とも呼ばれています。
1971年にのアメリカ・イタリア・フランス合作映画『ベニスに死す』では、テーマ曲として使われ人気の曲となりました。

この後「マーラー、3回目のリハーサル」でもこの曲が使われています。


リディアが、映画の音楽とは別物と考えてほしいと団員達に話す曲

13歳のオルガがオーケストラをバックに演奏する動画の曲

Cello Concerto in E Minor, Op.85 – I. Adagio. Moderato
作曲:Edward Elgar
アーティスト:Sophie Kauer

エドワード・エルガー作曲の『チェロ協奏曲 ホ短調 作品85』より、第1楽章。

イギリスの作曲家エルガーの作った4楽章からなるチェロ協奏曲です。
1919年ロンドンのクィーンズ・ホールで、イングランドのチェリスト、フェリックス・サモンド(Felix Salmond)を独奏者に作曲者自身の指揮で初演されました。

オルガを演じるソフィー・カウアーは、ロンドンの王立音楽アカデミーで学んだイギリス系ドイツ人のチェリストです。オーディションで選ばれ女優デビューを果たしました。

この後「チェロ・ソリストオーディション2人目」でもこの曲が使われています。


オルガが送った動画をリディアが見るシーン

マーラー、3回目のリハーサル

Symphony No.5 in C-Sharp Minor – IV. Adagietto
作曲:Gustav Mahler

グスタフ・マーラー作曲の『交響曲第5番 嬰ハ短調』より第4楽章。

マーラー、2回目のリハーサル」でもこの曲が使われていました。


この後、リディアはエルガーのチェロ協奏曲をカップリング曲にすることを団員に提案します。

チェロ・ソリストオーディション1人目

Cello Concerto in E Minor, Op.85 – IV. Allegro
作曲:Edward Elgar

エドワード・エルガー作曲の『チェロ協奏曲 ホ短調 作品85』より、第4楽章。

この後以下のシーンでもこの曲が使われています。
「リディアがピアノ伴奏をし、オルガがチェロで演奏する曲」
「エルガー、ソリストを迎えてのオーケストラリハーサル」

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チェロ・ソリストオーディション2人目

Cello Concerto in E Minor, Op.85 – I. Adagio. Moderato
作曲:Edward Elgar

エドワード・エルガー作曲の『チェロ協奏曲 ホ短調 作品85』より、第1楽章。

「13歳のオルガがオーケストラをバックに演奏する動画の曲」でもこの曲が使われていました。

リディアがピアノ伴奏をし、オルガがチェロで演奏する曲

Cello Concerto in E Minor, Op. 85 – IV. Allegro
作曲:Edward Elgar

エドワード・エルガー作曲の『チェロ協奏曲 ホ短調 作品85』より、第4楽章。
「チェロ・ソリストオーディション1人目」でもこの曲が使われていました。


仕事部屋での指揮者とソリストによるリハーサルシーン

エルガー、ソリストを迎えてのオーケストラリハーサル

Cello Concerto in E Minor, Op. 85 – IV. Allegro
作曲:Edward Elgar

エドワード・エルガー作曲の『チェロ協奏曲 ホ短調 作品85』より、第4楽章。

「チェロ・ソリストオーディション1人目」でもこの曲が使われていました。

マーラー、4回目のリハーサル(怪我の後)

Symphony No.5 in C-Sharp – I. Trauermarsch & II. Stürmisch bewegt, mit größter Vehemenz
作曲:Gustav Mahler

グスタフ・マーラー作曲の『交響曲第5番 嬰ハ短調』より第1〜2楽章。

ここでは、1楽章終わりから2楽章に入るところが演奏されています。

リディアがアコーディオンを鳴らしながら歌う曲

Apartment for Sale
Soundtrack『Tár』

作曲:Cate Blanchett & Todd Field

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エリオット・カプラン指揮によるコンサート

Symphony No.5 in C-Sharp Minor – I. Trauermarsch
作曲:Gustav Mahler

グスタフ・マーラー作曲の『交響曲第5番 嬰ハ短調』より第1楽章。

マーラー、1回目のリハーサル (1曲目)」でもこの曲が使われていました。


本番中に、指揮台に立つエリオットにリディアが暴行を加えるシーン

ビデオテープに録画されているバーンスタインの曲

Symphony No.5 in E minor, Op.64 – IV. Finale. Andante maestoso – Allegro vivace
作曲:Pyotr Ilyich Tchaikovsky

ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー作曲の『交響曲第5番ホ短調 作品64』より第4楽章。
チャイコフスキーの円熟期にあたる1888年に作られた作品です。1888年にサンクトペテルブルクで作曲者自身の指揮により初演されました。


リディアが、生まれ育った家でバーンスタインのビデオを見るシーン

リディアが見ていたのは、ユダヤ系アメリカ人指揮者レナード・バーンスタイン(Leonard Bernstein)による『青少年コンサート』(Young People’s Concert)の映像です。
このコンサートはアメリカのCBSで1958年から録画中継され、後にはDVD化され販売されるなど人気を博しました。バーンスタインの偉業のひとつと言われています。

ホテル従業員に紹介されたマッサージ店で流れる曲

Yoga Exercises
作曲:Marco Rinaldo
アーティスト:Asian Flute Music Oasis

ホテルの客室係が仕事をしながら聴いている曲

Kilometro
作曲:Thyro Alfaro & Yumi Lacsamana
アーティスト:Sarah Geronimo
リリース年:2014年

『Kilometro』は、フィリピンの歌手/女優、サラ・ヘロニモ(Sarah Geronimo)の曲です。


リディアが荷物を持ちホテルの廊下を歩くシーン

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エンディング(コンサートの曲)

Meeting a Friend
作曲:Capcom Sound Team

『友との出会い』(Meeting a Friend)は、2018年に発売されたモンスターハンターシリーズのゲームソフト「モンスターハンター:ワールド」のサウンドトラックです。

エンドクレジット

Barbarian
作曲:Jamahl Blokland & Besomorph
アーティスト:Besomorph & Jurgaz
リリース年:2018年

『Barbarian』は、ドイツのエレクトロニカ・アーティスト、ベソモフ(Besomorph)とアムステルダムを拠点とするプロデューサー、Jurgazのコラボ曲です。

『TAR/ター』のサントラ

『TAR/ター』はヒドゥル・グドナドッティル(Hildur Guðnadóttir)が音楽を担当しました。ヒドゥル・グドナドッティルは、アイスランド出身の女性チェリストです。アイスランドのエレクトロニカバンド、ムームのメンバーとしても活動しています。

映画音楽の世界では、アイスランドの映画音楽作曲家ヨハン・ヨハンソンのコラボレーターとして知られるようになり、『ジョーカー』で第92回アカデミー作曲賞を受賞しました。

『TAR/ター』キャスト・スタッフ

監督トッド・フィールド(Todd Field)
脚本トッド・フィールド(Todd Field)
製作トッド・フィールド(Todd Field)
スコット・ランバート(Scott Lambert)
アレクサンドラ・ミルチャン(Alexandra Milchan)
音楽ヒドゥル・グドナドッティル(Hildur Guðnadóttir)
配給 ギャガ
公開 2022年10月7日
2023年5月12日
上映時間158分

リディア・ター:ケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)
フランチェスカ・レンティーニ:ノエミ・メルラン(Noémie Merlant)
シャロン・グッドナウ:ニーナ・ホス(Nina Hoss)
オルガ・メトキーナ:ゾフィー・カウアー(Sophie Kauer)
アンドリス・デイヴィス:ジュリアン・グローヴァー(Julian Glover)
セバスティアン・ブリックス:アラン・コーデュナー(Allan Corduner)
エリオット・カプラン:マーク・ストロング(Mark Strong)
クリスタ・テイラー:シルヴィア・フローテ(Sylvia Flote)
本人:アダム・ゴプニク(Adam Gopnik)
ペトラ:ミラ・ボゴイェヴィッチ(Mila Bogojevic)
マックス:ツェトファン・スミス=グナイスト(Zethphan Smith-Gneist)

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