『ファンタスティック Mr.FOX』の挿入曲とサントラ | 解説付き全曲紹介Filmmusik
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映画×音楽
ウェス・アンダーソン(Wes Anderson)
音楽担当:アレクサンドル・デスプラ(Alexandre Desplat)
ジョージ・クルーニー(George Clooney)ビル・マーレイ(Bill Murray)メリル・ストリープ(Meryl Streep)

『ファンタスティック Mr.FOX』の挿入曲とサントラ

2009年、アメリカで制作された映画『ファンタスティック Mr.FOX』(原題:Fantastic Mr. Fox)は、ウェス・アンダーソン初のストップモーション・アニメーション映画です。『チャーリーとチョコレート工場』や『マチルダ』の作者として知られるロアルド・ダールの児童文学『父さんギツネバンザイ』が原作です。
ジョージ・クルーニーとメリル・ストリープが、Mr.フォックスとMrs.フォックスの声を担当しました。第82回アカデミー賞では長編アニメ映画賞と作曲賞にノミネートされています。

『ファンタスティック Mr.FOX』の挿入曲

『ファンタスティック Mr.FOX』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)

オープニング、Mr.フォックスが腰につけたラジオから流れる曲

The Ballad of Davy Crockett
作曲:George Bruns、Thomas W. Blackburn
オリジナル版:Bill Hayes(1955)
アーティスト:The Wellingtons

『The Ballad of Davy Crockett』は、1954年10月27日に放送開始されたディズニープロダクション制作の1時間番組『ディズニーランド』の初回で紹介された曲です。その2ヶ月後から始まったテレビミニシリーズ『デイビー・クロケット』ではテーマ曲として使われました。『デイビー・クロケットの歌』の邦題で知られています。

デイビー・クロケット(Davy Crockett)は、テキサスの独立を支持しアラモの戦いで戦死した軍人/政治家で、アメリカの国民的英雄として知られている人物です。

映画では、アメリカの3人組フォーク&ポップスグループ、ウェリントンズ(The Wellingtons)の演奏が使われていました。

Mr.フォックスとMrs.フォックスがヒナバト農場に忍び込むシーン

Heroes and Villains
作曲:Brian Wilson and Van Dyke Parks
アーティスト:The Beach Boys
リリース年:1967年

ザ・ビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)は、1961年にカリフォルニア州ホーソーンで結成されたロックバンドです。南カリフォルニアのサーフカルチャーを象徴するバンドとして知られています。『Heroes and Villains』は、1967年にリリースされました。『英雄と悪漢』の邦題でも知られています。


『ファンタスティック Mr.FOX』では、ザ・ビーチ・ボーイズの曲が、カバー版を含め3曲使われています。

テーブルに置かれたラジオから流れる曲

Fooba Wooba John(Traditional)
アーティスト:Burl Ives

『Fooba Wooba John』は、アメリカの民謡です。歌っているバール・アイヴス(Burl Ives)は、20世紀に活躍したアメリカのミュージシャン/俳優です。
1922年〜1964年まで放送されていたBBCの子供向けラジオ放送『Children’s Hour』や、自ら立ち上げたラジオ番組『The Wayfaring Stranger』で活躍し人気歌手となりました。俳優としては、1958年のアメリカ西部劇映画『大いなる西部』に出演しアカデミー助演男優賞を受賞しています。

『ファンタスティック Mr.FOX』では、バール・アイヴスの曲が3曲使われています。


フォックス家の2年後(キツネの年で12年後)の朝の風景。Mr.フォックスは新聞から「憧れの木の暮らし」という記事を切り取ります。

クリストファソンの登場シーン

Love
作曲:George Bruns and Floyd Huddleston
アーティスト:Nancy Adams
リリース年:1973年

『Love』は、1973年にアメリカで公開されたディズニー長編アニメーション映画『ロビン・フッド』のオリジナルサウンドトラックです。中世イングランドの伝説『ロビン・フッド』をアレンジして作られた作品で、映画の主人公は狐です。サントラでは、この曲の作曲者フロイド・ハドルストンの妻ナンシー・アダムスが歌っています。


アッシュとクリストファンが木の上からプールに飛び込むシーン

夜、子供部屋のラジオから流れている曲

Buckeye Jim
作曲:Burl Ives
アーティスト:Burl Ives
リリース年:1944年

『Buckeye Jim』は、バール・アイヴスのアルバム『The Wayfaring Stranger』に収録されている曲です。


アッシュがクリストファソンにきつく当たるシーン。
この後、クリストファソンが隠れてる泣いている事に気づいたアッシュは、クリストファソンに電車のおもちゃを見せてやります。

バンスがヘッドフォンで聞いている曲

Horn Concerto No.4 in E-flat major, K.495 – III. Rondo: Allegro vivace
作曲:Wolfgang Amadeus Mozart
演奏:Jacek Muzyk(hrn)、Amadeus Concert Orchestra of Polish Radio

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲の『ホルン協奏曲 第4番 変ホ長調 K.495』より第3楽章。ホルン奏者のヤチェク・ムズィクと、ポーランド放送アマデウス室内管弦楽団による演奏が使われています。


Mr.フォックスと秘書/助手のカイリがバンスの燻製肉の冷蔵庫に忍び込むシーン

カイリを招いたディナーで流れている曲

The Grey Goose
作曲:Burl Ives
アーティスト:Burl Ives
リリース年:1956年

『Buckeye Jim』は、バール・アイヴスのアルバム『Sings Songs For All Ages』に収録されている曲です。


トロフィーがテーブルに置かれた夕食のシーン。Mr. フォクシーはパーティの取材があると言い、カイリと外に出ていきます。

フォクシー家全員が地下を深く深く掘って行くシーン

Street Fighting Man
作曲:Mick Jagger and Keith Richards
アーティスト:The Rolling Stones
リリース年:1968年

『ストリート・ファイティング・マン』は、ローリング・ストーンズのアルバム『ベガーズ・バンケット』(Beggars Banquet)に収録されている曲です。ベトナム反戦運動に影響を受けて作られたプロテストソングです。

ローリング・ストーンズの曲が使われている映画一覧はコチラ


3人の農場主が掘削機で巣穴を掘り起こすシーン

ピーティがバンジョーを弾き楽隊と一緒に歌っている曲

Petey’s Song
作曲:Jarvis Cocker, Wes Anderson, and Noah Baumbach
演奏:Jarvis Cocker

『Petey’s Song』は、イギリスのミュージシャン、ジャーヴィス・コッカーと、脚本を書いたウェス・アンダーソンとノア・バームバックの三人が作った曲です。
ジャーヴィス・コッカーがピーティ役で出演し歌っています。ジャーヴィス・コッカーは、ブリットポップを代表するイギリスのロックバンド、パルプ (Pulp)でボーカル/ギターを担当しています。


掘り進み、ボギスの養鶏場に出たMr. フォクシーがラジオのスイッチを入れるとこの曲が流れます。動物達はこの曲に合わせて歓喜の踊りをし、次々と地下道を作っていきます。

モグラがピアノで演奏する曲

Night and Day
作曲:Cole Porter
オリジナル版:Fred Astaire(1932)
アーティスト:Art Tatum

『Night and Day』は、コール・ポーターが作ったジャズのスタンダードナンバーです。1932年初演のブロードウェイミュージカル『陽気な離婚』(原題:The Gay Divorce)で、主役のフレッド・アステアが歌い、女優クレア・ルースと踊るショーチューンとして作られました。『夜も昼も』の邦題でも知られています。
ここでは、視覚障害を持つテクニシャンジャズピアニスト、アート・テイタムの演奏が使われています。


@アナグマの燧石鉱(難民キャンプ)

勝利の祝宴でMr.フォックスがスピーチをする時に流れている曲

Adagio
作曲:Georges Delerue
リリース年:1971年

『Adagio』は、1971年のフランス映画『カウントダウン』(原題:Comptes À Rebours)のオリジナルサウンドトラックです。映画の音楽を担当したフランスの作曲家ジョルジュ・ドルリューが作りました。
『ファンタスティック Mr.FOX』では、ジョルジュ・ドルリューの作品がこの曲を含めて3曲使われています。


スピーチの途中、りんご酒が大量に流れてきて動物達も流されていきます。

Mr.フォックスが投降すると妻に話すシーン

Une petite île
作曲:Georges Delerue
リリース年:1971年

『Une petite île』は、1971年のフランス恋愛映画『恋のエチュード』のオリジナルサウンドトラックです。ジョルジュ・ドルリューが映画音楽を手掛けています。

「決死の救出作戦」のスピーチ前にMr.フォックスが腰のラジオから流す曲

Le Grand Choral
作曲:Georges Delerue
リリース年:1973年

『Le Grand Choral』は、1973年のイタリア・フランス合作のコメディ映画『映画に愛をこめて アメリカの夜』のオリジナルサウンドトラックです。映画の音楽を担当したジョルジュ・ドルリューが作りました。
この映画は、第46回アカデミー賞でアカデミー国際長編映画賞を受賞しています。


この後、「Mr. フォクシーとカイリがバイクでビーン農場別棟に向かうシーン」でもこの曲が使われています。

それぞれの特技を速記者リンダが書き留めるシーン

I Get Around
作曲:Brian Wilson and Mike Love
アーティスト:The Beach Boys
リリース年:1964年

『アイ・ゲット・アラウンド』(I Get Around)は、ザ・ビーチ・ボーイズに初の全米1位をもたらした曲です。1964年にリリースされたアルバム『オール・サマー・ロング』(All Summer Long)に収録されています。

Mr.フォックスとカイリがバイクでビーン農場別棟に向かうシーン

Le Grand Choral
作曲:Georges Delerue
リリース年:1973年

ジョルジュ・ドルリューが手がけた、1973年のイタリア・フランス合作コメディ映画『映画に愛をこめて アメリカの夜』のオリジナルサウンドトラックです。
バイクにはアッシュが隠れて乗り込んでいました。


決死の救出作戦について話すMr. フォクシーの腰のラジオから流す曲」のシーンでもこの曲が使われていました。

Mr.フォックスが家族を閉店後のスーパーに連れて行くシーン

Ol’ Man River
作曲:Oscar Hammerstein II and Jerome Kern
オリジナル版:”Kenn” Sisson and His Orchestra(1927)
アーティスト:The Beach Boys

『Ol’ Man River』は、1927年初演のブロードウェイミュージカル『ショー・ボート』(Show Boat)でのショーチューンです。
ここでは、ザ・ビーチ・ボーイズのオルタナティヴロックバージョンが使われています。

フォックス家 & カイリがスーパーでダンスを踊る曲

Let Her Dance
作曲:Bobby Fuller
アーティスト:The Bobby Fuller Four
リリース年:1965年

ボビー・フラー・ドライヴ(The Bobby Fuller Four)は、1962年にテキサス州エルパソで結成されたロックンロール・バンドです。『Let Her Dance』は、1965年にリリースされました。


Mr. フォクシーのスピーチの後、アッシュが腰につけたプレーヤーから流す曲。

『ファンタスティック Mr.FOX』のサントラ

『ファンタスティック Mr.FOX』はアレクサンドル・デスプラ(Alexandre Desplat)が音楽を担当しました。アレクサンドル・デスプラは、フランス出身の作曲家です。今作以降、ウェス・アンダーソンの全作品で音楽を手掛けており、『グランド・ブタペストホテル』でアカデミー作曲賞を受賞しました。

『ファンタスティック Mr.FOX』キャスト・スタッフ

監督ウェス・アンダーソン(Wes Anderson)
脚本ノア・バームバック(Noah Baumbach)
ウェス・アンダーソン(Wes Anderson)
原作ロアルド・ダール(Roald Dahl)
製作スコット・ルーディン(Scott Rudin)
アリソン・アバト(Allison Abbate)
ウェス・アンダーソン(Wes Anderson)
ジェレミー・ドーソン(Jeremy Dawson)
音楽アレクサンドル・デスプラ(Alexandre Desplat)
配給 ショウゲート ギャガ
公開 2009年11月13日
2011年3月19日
上映時間87分

Mr. フォクシー・フォックス:ジョージ・クルーニー(George Clooney)
Mrs. フェリシティー・フォックス:メリル・ストリープ(Meryl Streep)
アッシュ・フォックス:ジェイソン・シュワルツマン(Jason Schwartzman)
クリストファソン・シルバーフォックス:エリック・アンダーソン(Eric Chase Anderson)
カイリ・スヴェン・オポッサム:ウォーリー・ウォロダースキー(Wallace Wolodarsky)
クライヴ・バジャー:ビル・マーレイ(Bill Murray)
ラット:ウィレム・デフォー(Willem Dafoe)
コーチ スキップ:オーウェン・ウィルソン(Owen Wilson)
フランクリン・ビーン:マイケル・ガンボン (Michael Gambon)
ウォルター・ボギス:ロビン・ハールストン(Robin Hurlstone)
ネイサン・バンス:ヒューゴ・ギネス (Hugo Guinness)
Mrs. ビーン:ヘレン・マックロリー(Helen McCrory)
ピーティー:ジャーヴィス・コッカー(Jarvis Cocker)

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