2009年、アメリカで制作された映画『ファンタスティック Mr.FOX』(原題:Fantastic Mr. Fox)は、ウェス・アンダーソン初のストップモーション・アニメーション映画です。『チャーリーとチョコレート工場』や『マチルダ』の作者として知られるロアルド・ダールの児童文学『父さんギツネバンザイ』が原作です。
ジョージ・クルーニーとメリル・ストリープが、Mr.フォックスとMrs.フォックスの声を担当しました。第82回アカデミー賞では長編アニメ映画賞と作曲賞にノミネートされています。
- 『ファンタスティック Mr.FOX』の挿入曲
- オープニング、Mr.フォックスが腰につけたラジオから流れる曲
- Mr.フォックスとMrs.フォックスがヒナバト農場に忍び込むシーン
- テーブルに置かれたラジオから流れる曲
- クリストファソンの登場シーン
- 夜、子供部屋のラジオから流れている曲
- バンスがヘッドフォンで聞いている曲
- カイリを招いたディナーで流れている曲
- フォクシー家全員が地下を深く深く掘って行くシーン
- ピーティがバンジョーを弾き楽隊と一緒に歌っている曲
- モグラがピアノで演奏する曲
- 勝利の祝宴でMr.フォックスがスピーチをする時に流れている曲
- Mr.フォックスが投降すると妻に話すシーン
- 「決死の救出作戦」のスピーチ前にMr.フォックスが腰のラジオから流す曲
- それぞれの特技を速記者リンダが書き留めるシーン
- Mr.フォックスとカイリがバイクでビーン農場別棟に向かうシーン
- Mr.フォックスが家族を閉店後のスーパーに連れて行くシーン
- フォックス家 & カイリがスーパーでダンスを踊る曲
- 『ファンタスティック Mr.FOX』のサントラ
- 『ファンタスティック Mr.FOX』キャスト・スタッフ
『ファンタスティック Mr.FOX』の挿入曲
『ファンタスティック Mr.FOX』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)
オープニング、Mr.フォックスが腰につけたラジオから流れる曲
The Ballad of Davy Crockett
作曲:George Bruns、Thomas W. Blackburn
オリジナル版:Bill Hayes(1955)
アーティスト:The Wellingtons
『The Ballad of Davy Crockett』は、1954年10月27日に放送開始されたディズニープロダクション制作の1時間番組『ディズニーランド』の初回で紹介された曲です。その2ヶ月後から始まったテレビミニシリーズ『デイビー・クロケット』ではテーマ曲として使われました。『デイビー・クロケットの歌』の邦題で知られています。
デイビー・クロケット(Davy Crockett)は、テキサスの独立を支持しアラモの戦いで戦死した軍人/政治家で、アメリカの国民的英雄として知られている人物です。
映画では、アメリカの3人組フォーク&ポップスグループ、ウェリントンズ(The Wellingtons)の演奏が使われていました。
Mr.フォックスとMrs.フォックスがヒナバト農場に忍び込むシーン
Heroes and Villains
作曲:Brian Wilson and Van Dyke Parks
アーティスト:The Beach Boys
リリース年:1967年
ザ・ビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)は、1961年にカリフォルニア州ホーソーンで結成されたロックバンドです。南カリフォルニアのサーフカルチャーを象徴するバンドとして知られています。『Heroes and Villains』は、1967年にリリースされました。『英雄と悪漢』の邦題でも知られています。
ザ・ビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)の曲が使われている映画一覧はコチラ
『ファンタスティック Mr.FOX』では、ザ・ビーチ・ボーイズの曲が、カバー版を含め3曲使われています。
テーブルに置かれたラジオから流れる曲
Fooba Wooba John(Traditional)
アーティスト:Burl Ives
『Fooba Wooba John』は、アメリカの民謡です。歌っているバール・アイヴス(Burl Ives)は、20世紀に活躍したアメリカのミュージシャン/俳優です。
1922年〜1964年まで放送されていたBBCの子供向けラジオ放送『Children’s Hour』や、自ら立ち上げたラジオ番組『The Wayfaring Stranger』で活躍し人気歌手となりました。俳優としては、1958年のアメリカ西部劇映画『大いなる西部』に出演しアカデミー助演男優賞を受賞しています。
『ファンタスティック Mr.FOX』では、バール・アイヴスの曲が3曲使われています。
フォックス家の2年後(キツネの年で12年後)の朝の風景。Mr.フォックスは新聞から「憧れの木の暮らし」という記事を切り取ります。
クリストファソンの登場シーン
Love
作曲:George Bruns and Floyd Huddleston
アーティスト:Nancy Adams
リリース年:1973年
『Love』は、1973年にアメリカで公開されたディズニー長編アニメーション映画『ロビン・フッド』のオリジナルサウンドトラックです。中世イングランドの伝説『ロビン・フッド』をアレンジして作られた作品で、映画の主人公は狐です。サントラでは、この曲の作曲者フロイド・ハドルストンの妻ナンシー・アダムスが歌っています。
アッシュとクリストファンが木の上からプールに飛び込むシーン
夜、子供部屋のラジオから流れている曲
Buckeye Jim
作曲:Burl Ives
アーティスト:Burl Ives
リリース年:1944年
『Buckeye Jim』は、バール・アイヴスのアルバム『The Wayfaring Stranger』に収録されている曲です。
アッシュがクリストファソンにきつく当たるシーン。
この後、クリストファソンが隠れてる泣いている事に気づいたアッシュは、クリストファソンに電車のおもちゃを見せてやります。
バンスがヘッドフォンで聞いている曲
Horn Concerto No.4 in E-flat major, K.495 – III. Rondo: Allegro vivace
作曲:Wolfgang Amadeus Mozart
演奏:Jacek Muzyk(hrn)、Amadeus Concert Orchestra of Polish Radio
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト作曲の『ホルン協奏曲 第4番 変ホ長調 K.495』より第3楽章。ホルン奏者のヤチェク・ムズィクと、ポーランド放送アマデウス室内管弦楽団による演奏が使われています。
Mr.フォックスと秘書/助手のカイリがバンスの燻製肉の冷蔵庫に忍び込むシーン
カイリを招いたディナーで流れている曲
The Grey Goose
作曲:Burl Ives
アーティスト:Burl Ives
リリース年:1956年
『Buckeye Jim』は、バール・アイヴスのアルバム『Sings Songs For All Ages』に収録されている曲です。
トロフィーがテーブルに置かれた夕食のシーン。Mr. フォクシーはパーティの取材があると言い、カイリと外に出ていきます。
フォクシー家全員が地下を深く深く掘って行くシーン
Street Fighting Man
作曲:Mick Jagger and Keith Richards
アーティスト:The Rolling Stones
リリース年:1968年
『ストリート・ファイティング・マン』は、ローリング・ストーンズのアルバム『ベガーズ・バンケット』(Beggars Banquet)に収録されている曲です。ベトナム反戦運動に影響を受けて作られたプロテストソングです。
3人の農場主が掘削機で巣穴を掘り起こすシーン
ピーティがバンジョーを弾き楽隊と一緒に歌っている曲
Petey’s Song
作曲:Jarvis Cocker, Wes Anderson, and Noah Baumbach
演奏:Jarvis Cocker
『Petey’s Song』は、イギリスのミュージシャン、ジャーヴィス・コッカーと、脚本を書いたウェス・アンダーソンとノア・バームバックの三人が作った曲です。
ジャーヴィス・コッカーがピーティ役で出演し歌っています。ジャーヴィス・コッカーは、ブリットポップを代表するイギリスのロックバンド、パルプ (Pulp)でボーカル/ギターを担当しています。
掘り進み、ボギスの養鶏場に出たMr. フォクシーがラジオのスイッチを入れるとこの曲が流れます。動物達はこの曲に合わせて歓喜の踊りをし、次々と地下道を作っていきます。
モグラがピアノで演奏する曲
Night and Day
作曲:Cole Porter
オリジナル版:Fred Astaire(1932)
アーティスト:Art Tatum
『Night and Day』は、コール・ポーターが作ったジャズのスタンダードナンバーです。1932年初演のブロードウェイミュージカル『陽気な離婚』(原題:The Gay Divorce)で、主役のフレッド・アステアが歌い、女優クレア・ルースと踊るショーチューンとして作られました。『夜も昼も』の邦題でも知られています。
ここでは、視覚障害を持つテクニシャンジャズピアニスト、アート・テイタムの演奏が使われています。
@アナグマの燧石鉱(難民キャンプ)
勝利の祝宴でMr.フォックスがスピーチをする時に流れている曲
Adagio
作曲:Georges Delerue
リリース年:1971年
『Adagio』は、1971年のフランス映画『カウントダウン』(原題:Comptes À Rebours)のオリジナルサウンドトラックです。映画の音楽を担当したフランスの作曲家ジョルジュ・ドルリューが作りました。
『ファンタスティック Mr.FOX』では、ジョルジュ・ドルリューの作品がこの曲を含めて3曲使われています。
スピーチの途中、りんご酒が大量に流れてきて動物達も流されていきます。
Mr.フォックスが投降すると妻に話すシーン
Une petite île
作曲:Georges Delerue
リリース年:1971年
『Une petite île』は、1971年のフランス恋愛映画『恋のエチュード』のオリジナルサウンドトラックです。ジョルジュ・ドルリューが映画音楽を手掛けています。
「決死の救出作戦」のスピーチ前にMr.フォックスが腰のラジオから流す曲
Le Grand Choral
作曲:Georges Delerue
リリース年:1973年
『Le Grand Choral』は、1973年のイタリア・フランス合作のコメディ映画『映画に愛をこめて アメリカの夜』のオリジナルサウンドトラックです。映画の音楽を担当したジョルジュ・ドルリューが作りました。
この映画は、第46回アカデミー賞でアカデミー国際長編映画賞を受賞しています。
この後、「Mr. フォクシーとカイリがバイクでビーン農場別棟に向かうシーン」でもこの曲が使われています。
それぞれの特技を速記者リンダが書き留めるシーン
I Get Around
作曲:Brian Wilson and Mike Love
アーティスト:The Beach Boys
リリース年:1964年
『アイ・ゲット・アラウンド』(I Get Around)は、ザ・ビーチ・ボーイズに初の全米1位をもたらした曲です。1964年にリリースされたアルバム『オール・サマー・ロング』(All Summer Long)に収録されています。
Mr.フォックスとカイリがバイクでビーン農場別棟に向かうシーン
Le Grand Choral
作曲:Georges Delerue
リリース年:1973年
ジョルジュ・ドルリューが手がけた、1973年のイタリア・フランス合作コメディ映画『映画に愛をこめて アメリカの夜』のオリジナルサウンドトラックです。
バイクにはアッシュが隠れて乗り込んでいました。
「決死の救出作戦について話すMr. フォクシーの腰のラジオから流す曲」のシーンでもこの曲が使われていました。
Mr.フォックスが家族を閉店後のスーパーに連れて行くシーン
Ol’ Man River
作曲:Oscar Hammerstein II and Jerome Kern
オリジナル版:”Kenn” Sisson and His Orchestra(1927)
アーティスト:The Beach Boys
『Ol’ Man River』は、1927年初演のブロードウェイミュージカル『ショー・ボート』(Show Boat)でのショーチューンです。
ここでは、ザ・ビーチ・ボーイズのオルタナティヴロックバージョンが使われています。
フォックス家 & カイリがスーパーでダンスを踊る曲
Let Her Dance
作曲:Bobby Fuller
アーティスト:The Bobby Fuller Four
リリース年:1965年
ボビー・フラー・ドライヴ(The Bobby Fuller Four)は、1962年にテキサス州エルパソで結成されたロックンロール・バンドです。『Let Her Dance』は、1965年にリリースされました。
Mr. フォクシーのスピーチの後、アッシュが腰につけたプレーヤーから流す曲。
『ファンタスティック Mr.FOX』のサントラ
『ファンタスティック Mr.FOX』はアレクサンドル・デスプラ(Alexandre Desplat)が音楽を担当しました。アレクサンドル・デスプラは、フランス出身の作曲家です。今作以降、ウェス・アンダーソンの全作品で音楽を手掛けており、『グランド・ブタペストホテル』でアカデミー作曲賞を受賞しました。
『ファンタスティック Mr.FOX』キャスト・スタッフ
監督 | ウェス・アンダーソン(Wes Anderson) |
脚本 | ノア・バームバック(Noah Baumbach) |
ウェス・アンダーソン(Wes Anderson) | |
原作 | ロアルド・ダール(Roald Dahl) |
製作 | スコット・ルーディン(Scott Rudin) |
アリソン・アバト(Allison Abbate) | |
ウェス・アンダーソン(Wes Anderson) | |
ジェレミー・ドーソン(Jeremy Dawson) | |
音楽 | アレクサンドル・デスプラ(Alexandre Desplat) |
配給 | ショウゲート ギャガ |
公開 | 2009年11月13日 |
2011年3月19日 | |
上映時間 | 87分 |
Mr. フォクシー・フォックス:ジョージ・クルーニー(George Clooney)
Mrs. フェリシティー・フォックス:メリル・ストリープ(Meryl Streep)
アッシュ・フォックス:ジェイソン・シュワルツマン(Jason Schwartzman)
クリストファソン・シルバーフォックス:エリック・アンダーソン(Eric Chase Anderson)
カイリ・スヴェン・オポッサム:ウォーリー・ウォロダースキー(Wallace Wolodarsky)
クライヴ・バジャー:ビル・マーレイ(Bill Murray)
ラット:ウィレム・デフォー(Willem Dafoe)
コーチ スキップ:オーウェン・ウィルソン(Owen Wilson)
フランクリン・ビーン:マイケル・ガンボン (Michael Gambon)
ウォルター・ボギス:ロビン・ハールストン(Robin Hurlstone)
ネイサン・バンス:ヒューゴ・ギネス (Hugo Guinness)
Mrs. ビーン:ヘレン・マックロリー(Helen McCrory)
ピーティー:ジャーヴィス・コッカー(Jarvis Cocker)
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