2011年にフランスで制作された映画『アーティスト』(原題:The Artist)は、1927年から1932年までのハリウッドを舞台に、サイレント映画からトーキー映画への移行期を描いたモノクロ無声映画です。
第84回アカデミー賞では作品賞を含む10部門にノミネートされ、作品賞・監督賞・主演男優賞・衣装デザイン賞・作曲賞の5部門を受賞しました。
『アーティスト』の挿入曲
『アーティスト』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)
1927年 – ジョージの楽屋を訪れたペピーが鏡にメッセージを書き、かけてある衣装に腕を通して一人芝居をする
(ジョージがペピーの口元にホクロを描くシーン)
バレエ音楽《エスタンシア》組曲 Op. 8a – 第2曲「小麦の踊り」
作曲者 | アルベルト・ヒナステラ(Alberto Ginastera, 1916-1983) アルゼンチンの作曲家。中南米の最も重要な作曲家の一人とされている。 |
作曲年 | 1943年 |
『エスタンシア』は、ニューヨーク・シティ・バレエ団の創立者として知られるリンカーン・カースティン(Lincoln Kirstein, 19071996)の委嘱を受けて作られたバレエ音楽です。
1943年、編集された組曲版がブエノスアイレスで初演されました。
ペピーがダンサーやメイドなどの端役から、少しずつ大きな役柄を演じるようになっていく
イマジネーション
Artist cover ver. | Red Nichols & His Five Pennies |
レッド・ニコルス(Red Nichols, 1905-1965) アメリカのジャズ・コルネット奏者/バンドリーダー。1920年代後半から1930年代前半にかけての最も多作で影響力のあるジャズミュージシャンの一人。1959年に彼の半生に基づく伝記映画『5つの銅貨』が制作され、ニコルスが自らソロ演奏の吹き替えを行った。 | |
リリース | 1928年 |
作曲者 | ファッド・リビングストン(Fud Livingston, 1906-1957) アメリカのジャズクラリネット奏者/サックス奏者/アレンジャー/作曲家。 |
Original ver. | 1927年:ザ・チャールストン・チェイサーズ(The Charleston Chasers) アメリカのスタジオオーケストラ。 |
1929年、ジョージが自ら指揮を執ってサイレント映画『愛の涙』の制作に取り組む
ジュビリー・ストンプ
Artist | デューク・エリントン(Duke Ellington, 1899-1974) アメリカのジャズの作曲家/編曲家/ピアニスト/オーケストラリーダー。 1927年からニューヨーク・ハーレムの「コットン・クラブ」に出演し名声を確立。一流奏者を揃えたビッグバンド「エリントン楽団」を率いてそれぞれの楽器の特色を生かした独自のサウンドを作り上げ、数多くのジャズ・スタンダードを生み出した。 |
リリース | 1928年 |
作曲者 | デューク・エリントン |
ペピーの人気が高まり、主演映画が次々と公開される
ペニーズ・フロム・ヘブン
作曲者 | ジョニー・バーク(Johnny Burke, 1908-1964) アメリカの作詞家。映画『我が道を往く』(1944) の主題歌『星にスイング』を作詞し、アカデミー歌曲賞を受賞した。 |
アーサー・ジョンストン(Arthur Johnston, 1898-1954) アメリカの作曲家。 | |
Original ver. | 1936年:ビング・クロスビー(Bing Crosby, 1903-1977) アメリカの歌手/俳優/テレビプロデューサー/ラジオ&テレビパーソナリティ/実業家。 20世紀を代表する世界的な人気と影響力を持つ音楽家。世界初のマルチメディア・スターとも言われた。 |
『ペニーズ・フロム・ヘブン』は、1936年の同名映画(『Pennies from Heaven』)で主演のビング・クロスビーによって披露されたポピュラーソングです。
1932年、ジョージがペピーの家を出て自宅に戻り拳銃で自殺をしようとする
(ジョージがペピーの家を出るシーンから、ペピーの運転する車がジョージの自宅前の木に激突するシーンまでこの曲が流れています。)
愛のテーマ
リリース | 1958年:Soundtrack『めまい』 |
作曲者 | バーナード・ハーマン(Bernard Herrmann, 1911-1975) アメリカの作曲家/指揮者。 アルフレッド・ヒッチコック監督の名作を数多く手掛けたことで知られる。映画『悪魔の金』(1941) でアカデミー作曲賞を受賞した。 |
Artist | エルマー・バーンスタイン(Elmer Bernstein, 1922-2004) 東欧ユダヤ系移民出身のアメリカ人作曲家/指揮者。 1967年のミュージカル映画『モダン・ミリー』のスコアを手がけ、アカデミー作曲賞を受賞した。 |
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(Royal Philharmonic Orchestra) ロンドンを拠点とするイギリスの交響楽団。1946年設立。 |
『Love Scene』は、アルフレッド・ヒッチコック監督による1958年のサイコスリラー映画『めまい』(Vertigo)のオリジナル・サウンドトラックです。
『アーティスト』のサントラ
『アーティスト』はルドヴィック・ブールス(Ludovic Bource)が音楽を担当しました。
ルドヴィック・ブールスは、フランス出身の作曲家です。『アーティスト』でアカデミー作曲賞を受賞しました。
※サントラ収録曲
1. アーティスト序曲(The Artist Ouverture)
2. 1927年「ロシアの陰謀」(1927 Russian Affair)
3. ジョージ・ヴァレンティン(George Valentin)
4. 可愛いペピー(Pretty Peppy)
5. キノグラフ撮影所(At The Kinograph Studios)
6. 愛のタップダンス(Fantaisie D’Amour)
7. ワルツ・フォー・ペピー(Waltz For Peppy)
8. エスタンシア OP.8~第2場「小麦の踊り」(Estancia Op.8)
9. イマジネーション(Imagination)
10. 決闘場面の撮影(Silent Rumble)
11. 1929年(1929)
12. 階段での再会(In The Stars)
13. ジュビリー・ストンプ(Jubilee Stomp)
14. 「愛の涙」(Comme Une Rosée De Larmes)
15. 涙雨(The Sound Of Tears)
16. ペニーズ・フロム・ヘブン(Pennies From Heaven)
17. 1931年(1931)
18. 酔いどれジョージ(Jungle Bar)
19. 燃え上がる焔(L’Ombre Des Flammes)
20. ハッピー・エンド……(Happy Ending …)
21. これは脅迫よ(Charming Blackmail)
22. 過去の亡霊(Ghosts From The Past)
23. マイ・スーサイド (アザナヴィシウス監督に捧ぐ)(My Suicide (Dedicated To 03.29.1967))
24. ペピーとジョージ(Peppy And George)
『アーティスト』キャスト・スタッフ
監督 | ミシェル・アザナヴィシウス(Michel Hazanavicius) |
脚本 | ミシェル・アザナヴィシウス(Michel Hazanavicius) |
製作 | トマ・ラングマン(Thomas Langmann) |
音楽 | ルドヴィック・ブールス(Ludovic Bource) |
配給 | ギャガ |
公開 | 2011年10月12日 |
2012年4月7日 | |
上映時間 | 100分 |
ジョージ・ヴァレンティン:ジャン・デュジャルダン(Jean Dujardin)
ペピー・ミラー:ベレニス・ベジョ(Bérénice Bejo)
ジャック:アギー(Uggie)
アル・ジマー:ジョン・グッドマン(John Goodman)
クリフトン:ジェームズ・クロムウェル(James Cromwell)
コンスタンス:ミッシー・パイル(Missi Pyle)
ドリス:ペネロープ・アン・ミラー(Penelope Ann Miller)
執事:マルコム・マクダウェル(Malcolm McDowell)
ノーマ:ビッツィー・トゥロック(Bitsie Tulloch)
ペピーのメイド:ベス・グラント(Beth Grant)
ペピーの最初のお抱え運転手:エド・ローター(Ed Lauter)
見物人:ジェン・リリー(Jen Lilley)
警察官:ジョエル・マーレイ(Joel Murray)
賛美する女性:ニーナ・シマーシュコ(Nina Siemaszko)
フラッパー・スターレット:ジュエル・シェパード(Jewel Shepard)
競売人:ベイジル・ホフマン(Basil Hoffman)
キャスティング・アシスタント:ベン・カーランド(Ben Kurland)
質屋:ケン・デイヴィシャン(Ken Davitian)
関連映画
(左右にスクロールできます)
コメント