『ローマの休日』の挿入曲とサントラ | 挿入曲を全曲紹介Filmmusik
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映画×音楽
オードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)

『ローマの休日』の挿入曲とサントラ

1953年、アメリカで制作された映画『ローマの休日』(原題:Roman Holiday)は、イタリア・ローマを訪れた某国の王女が、アメリカ人の新聞記者と恋に落ちる様子を描いた名作です。アン王女をオードリー・ヘプバーンが演じています。

第26回アカデミー賞では作品賞・監督賞を含む10部門にノミネートされ、オードリー・ヘプバーンが主演女優賞、イーディス・ヘッドが衣裳デザイン賞 (白黒部門)、原案賞を受賞しました。(ダルトン・トランボが原案を執筆したものの、赤狩りの影響で作中のクレジットは友人の脚本家イアン・マクレラン・ハンター名義となっています。)

『ローマの休日』の挿入曲

『ローマの休日』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)

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オープニングクレジット

Roman Holiday Main Title
『ローマの休日』メインタイトル
リリース1953年:Soundtrack『ローマの休日』
作曲者ジョルジュ・オーリック(Georges Auric, 1899-1983)
フランスの作曲家。フランス6人組(20世紀前半フランスで活躍した作曲家集団)の一人として知られている。

『Roman Holiday Main Title』は、映画『ローマの休日』のテーマ曲です。
映画の音楽を担当したフランスの作曲家ジョルジュ・オーリックの作品です。

1899年フランス・ロデーヴで生まれたジョルジュ・オーリックは、14歳でピアノリサイタルを開催し、15歳で自作曲を出版するなど神童として名を馳せました。パリ音楽院に進学後、在学中に「フランス六人組」に参加し、フランス音楽を牽引する存在となります。
1930年代から映画音楽の作曲を始め、『赤い風車』『ローマの休日』『恐怖の報酬』『悲しみよこんにちは』などを手掛け成功を収め、1962年パリ・オペラ座の音楽監督に就任しました。
アルバート・ルーセル、エリック・サティらに作曲を師事しています。

歓迎パレードで狙撃連隊のバンドが演奏する曲

La Marcia dei Bersaglieri
邦題『ベルサリエリ行進曲』
作曲者ジュリオ・リコルディ(Giulio Ricordi)
ジュゼッペ・レガルディ(Giuseppe Regaldi)
作曲年1860年

『La Marcia dei Bersaglieri』は、イタリア陸軍のエリート部隊であるベルサリエリ軍団(Bersaglieri)の公式讃歌です。
ミラノの楽譜出版会社「リコルディ」の3代目社長ジュリオ・リコルディが陸軍将校をしていた1860年に、詩人ジュゼッペ・レガルディの詩に曲をつけて作りました。初代イタリア国王ヴィットーリオ・エマヌエーレ2世に捧げられ、後にベルサリエリの最初の公式讃歌となりました。
『Flik Flok』『La Fanfara dei BERSAGLIERI』のタイトルでも知られています。

アン王女を歓迎する舞踏会

Roman Holiday Suite 1
『ローマの休日』組曲第1番
リリース1953年:Soundtrack『ローマの休日』
作曲者ジョルジュ・オーリック(Georges Auric, 1899-1983)
フランスの作曲家。フランス6人組(20世紀前半フランスで活躍した作曲家集団)の一人として知られている。

『Roman Holiday Suite 1』は、映画『ローマの休日』のオリジナルサウンドトラックです。

タイトルの「Suite」は、音楽用語では「組曲」(一つのテーマにそって作られたいくつかの楽曲を連続して演奏するように組み合わせ並べた曲)を意味します。


この後「アン王女が一人で市場を歩く」「アン王女ジェラートを食べる」などのシーンで使われた曲もこの組曲に収められています。

アン王女がベッドから出て一人で窓の外を眺める

Roman Holiday Suite 2
『ローマの休日』組曲第2番
リリース1953年:Soundtrack『ローマの休日』
作曲者ジョルジュ・オーリック(Georges Auric, 1899-1983)
フランスの作曲家。フランス6人組(20世紀前半フランスで活躍した作曲家集団)の一人として知られている。

『Roman Holiday Suite 2』は、映画『ローマの休日』のオリジナルサウンドトラックです。


この後、「コロッセオを訪れる」「アン王女とジョーが川辺でキスをする」「アン王女とジョーの別れの抱擁」などのシーンで使われた曲がこの組曲に収められています。

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ジョーが新聞のアン王女の写真と眠っている女性とを見比べる

The Sleeping Princess
リリース1953年:Soundtrack『ローマの休日』
作曲者ジョルジュ・オーリック(Georges Auric, 1899-1983)
フランスの作曲家。フランス6人組(20世紀前半フランスで活躍した作曲家集団)の一人として知られている。

『The Sleeping Princess』は、映画『ローマの休日』のオリジナルサウンドトラックです。

ジョーが警察署でアン王女の肩を抱いて引き寄せる

Lohengrin, WWV 75, Act 3 / “Treulich geführt ziehet dahin” (Chorus)
歌劇《ローエングリン》 第3幕 より、婚礼の合唱「真心込めて先導いたします」
(通称:『ワーグナーの結婚行進曲』)
作曲者リヒャルト・ワーグナー(Richard Wagner, 1813-1883)
19世紀のドイツの作曲家/指揮者/思想家。
ライトモティーフや無限旋律と呼ばれる構成上の手法を巧みに使用することで歌劇の様式を総合芸術へと昇華させた。「楽劇王」と称される。
作曲年1845年から1848年の間

『ローエングリン』は、19世紀のドイツの作曲家ワーグナーがローエングリンの伝説を基に台本も自身で手掛け作曲したオペラです。1850年に、ピアニストとしても名高いフランツ・リストの指揮で初演されました。

ジョーの部屋のラジオ(アメリカ放送)から流れる曲

アン王女がジョーの部屋に戻り濡れた洋服を乾かすシーン

Venezia e Napoli, S.162: Supplément aux Années de pèlerinage II – I. Gondoliera
巡礼の年 第2年 補遺 第1曲:ゴンドラを漕ぐ女
作曲者フランツ・リスト(Franz Liszt, 1811-1886)
ハンガリーの作曲家/ピアニスト/指揮者。19世紀を代表するヴィルトゥオーソの一人。
作曲年1859年

この曲には、イタリアのオペラ作曲家ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルキーニのカンツォネッタ『小さいゴンドラのブロンド娘』 (La biondina in gondoletta) の主題が使われています。

『ローマの休日』のサントラ

『ローマの休日』はジョルジュ・オーリック(Georges Auric)が音楽を担当しました。(現在サントラは入手困難となっています。)

『ローマの休日』キャスト・スタッフ

監督ウィリアム・ワイラー(William Wyler)
脚本ダルトン・トランボ(Dalton Trumbo)
イアン・マクレラン・ハンター(Ian McLellan Hunter)
ジョン・ダイトン(John Dighton)
原案ダルトン・トランボ(Dalton Trumbo)
製作ウィリアム・ワイラー(William Wyler)
音楽ジョルジュ・オーリック(Georges Auric)
配給パラマウント映画
公開 1953年8月27日
1954年4月21日(佐世保)
上映時間118分

ジョー・ブラッドレー:グレゴリー・ペック(Gregory Peck)
アン王女:オードリー・ヘプバーン(Audrey Hepburn)
アーヴィング・ラドビッチ:エディ・アルバート(Eddie Albert)
大使:ハーコート・ウィリアムズ(Harcourt Williams)
ヴィアルバーグ伯爵夫人:マーガレット・ローリングス(Margaret Rawlings)
マリオ・デラーニ:パオロ・カルリーニ(Paolo Carlini)
プロブノ将軍:トゥリオ・カルミナティ(Tullio Carminati)
ヘネシー:ハートリー・パワー(Hartley Power)
タクシー運転手:アルフレッド・リゾ(Alfredo Rizzo)
ボナコーベン:ハインツ・ハインリヒ(Heinz Hindrich)
ジョバンニ:クラウディオ・エルメッリ(Claudio Ermelli)

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(左右にスクロールできます)

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