黒澤明監督のモノクロ映画『生きる』は、1952年に東宝創立20周年記念映画として製作されました。
レフ・トルストイの『イワン・イリッチの死』に触発された黒澤明が橋本忍と小國英雄と共に脚本を執筆、主役の渡辺を演じたのは、黒澤作品に欠かせない俳優として知られる志村喬です。
第4回ベルリン国際映画祭では、金熊賞にノミネートされ、ベルリン市政府特別賞を受賞しました。
2022年にはカズオ・イシグロによる脚本でリメイクされ、第95回アカデミー賞では主演男優賞・脚色賞にノミネートされました。
『生きる』の挿入曲
『生きる』の挿入曲を流れた順番に紹介していきます。(ネタバレにご注意ください)
息子夫婦が揃って帰宅する
渡辺が胃潰瘍だと医師に告げられた夜に息子夫婦が揃って帰宅するシーン。
息子の嫁が寝室で流す曲
渡辺が仏壇の前に座り、亡くなった妻の写真をぼんやりと見ている時、2階の息子夫婦の寝室からこの音楽が聞こえてきています。
「息子夫婦が揃って帰宅する」でもこの曲が使われていました。
渡辺が新しい帽子をかぶってバーに入る
小説家がバーのマダムに渡辺の事情を話す
ジャズバーのピアニストが弾いている曲
ジャズバーで渡辺がピアニストにリクエストして歌う曲
渡辺が「いのち短し恋せよ少女」とリクエストし、ピアニストは「大正時代のラブソングね」と答えます。
ストリップクラブから出た渡辺が興奮して街を歩く
タクシーに同乗した二人の女が歌う曲
渡辺が小田切とよの腕につかまりスケートをする
渡辺と小田切とよが訪れる喫茶店のBGM 1曲目
とよが、何故自分と会っているのかと渡辺にしつこく尋ねるシーン
渡辺と小田切とよが訪れる喫茶店のBGM 2曲目
喫茶店のBGMは、渡辺がとよに病気のことを告白するシーンからこの曲に変わっています。
渡辺と入れ替わりに入ってくる少女に友人たちが歌う曲
職場復帰した渡辺が公園建設陳情書に貼られたメモをクシャクシャに丸める
渡辺が雪の降る中公園のブランコに乗り歌う曲
「ジャズバーで渡辺がピアニストにリクエストして歌う曲」でもこの曲が使われていました。
『生きる』のサントラ
『生きる』は早坂文雄が音楽を担当しました。
早坂文雄は、1914年仙台生まれの作曲家です。「ゴジラのテーマ」で知られる伊福部昭らと「新音楽連盟」を結成し、戦後の音楽界を牽引する存在となりました。
また、『羅生門』(1950)『七人の侍』(1954)など、黒澤作品の音楽を担当したことでも知られています。
『生きる』キャスト・スタッフ
監督 | 黒澤明 |
脚本 | 黒澤明 |
橋本忍 | |
小國英雄 | |
製作 | 本木莊二郎 |
音楽 | 早坂文雄 |
配給 | 東宝 |
公開 | 1952年10月9日 |
1954年6月 | |
1956年5月 | |
上映時間 | 143分 |
渡邊勘治:志村喬
小田切とよ:小田切みき
市民課員「糸こんにゃく」木村:日守新一
市民課員「こいのぼり」坂井:田中春男
市民課員「ハエ取り紙」野口:千秋実
市民課員「どぶ板」小原:左卜全
市民課員「定食」齋藤:山田巳之助
市民課員「ナマコ」大野:藤原釜足
渡邊喜一:小堀誠
渡邊たつ(喜一の妻):浦辺粂子
渡邊光男:金子信雄
渡邊一枝:関京子
林(家政婦):南美江
病院の患者:渡辺篤
医師:清水将夫
医師の助手:木村功
野球場の男:深見泰三
飲み屋の店主:谷晃
小説家:伊藤雄之助
スタンド・バーのマダム:丹阿弥谷津子
キャバレーの女:登山晴子
キャバレーの女:安雙三枝
市役所助役:中村伸郎
公園課長:小川虎之助
土木課職員:河崎堅男
公園課職員:勝本圭一郎
総務課職員:瀬良明
下水課職員:長濱藤夫
総務課長:小島洋々
市会議員:阿部九州男
新聞記者:永井智雄
新聞記者:村上冬樹
新聞記者:青野平義
土木部長:林幹
ヤクザの親分:宮口精二
ヤクザの子分:加東大介
陳情の主婦:三好栄子
陳情の主婦:本間文子
陳情の主婦:三好栄子
陳情の主婦:本間文子
陳情の主婦:菅井きん
焼香する警官:千葉一郎
ジャズバー・ピアニスト:市村俊幸(特別出演)
ジャズバー・ダンサー:倉本春枝(特別出演)
ヌード・ダンサー:ラサ・サヤ(特別出演)
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